「舞のこと、佐祐理はとても感謝しているんですよ」

学校の踊り場に立って、佐祐理さんは俺に向かってお礼の言葉を掛けてくれる。

「でも俺を舞を守りきなかったんですよ。
 あいつ一人に全てを背負わせて、俺は英雄気取りで棒っきれを振り回していただけなんです」

佐祐理さんは踊り場で俺に背を向けたまま、口を開く。

「そんなことはないと思うんですよ。
 誰だって一人では寂しいですよ。
 背中合わせにだって誰かがいてくれればいいんです。
 舞はあのようなのでしたから、表には出していなかったと思いますけど…」

そう言って佐祐理さんは振り返って俺のほうは見つめるように見下ろしてくる。

「それでも舞はあんなことになってしまって。
 しかも全て俺のせいなんですよ。
 それでバカみたいにへらへら笑っていて…
 俺は…、俺は…」

突然夜雲が晴れ、窓から一斉に月光が差し込んできて、佐祐理さんを照らす。
その光に照らされた制服を着た佐祐理が口を開く。

「そんなこと、言わないで下さい、祐一さん。
 舞はそんなこと絶対に思わなかったと思います」 

佐祐理さんが階段を下りながら俺に言葉をかける。

「しかも、こんなことろで…」

俺の目の前に降りてきた佐祐理さんが俺に微笑む。

「こんなところで、は、駄目ですか?」

佐祐理さんのその妖艶な笑みに言葉を失う。

「佐祐理さん…」

佐祐理さんはそのまま唇を俺に近づけてくる。
俺はそれを避けようとせず、佐祐理さんの吐息を感じていた。

  <月夜に>

「祐一さん…」
俺の唇から佐祐理さんの温もりが失われた頃、佐祐理さんは小さく俺の名前を呼ぶ。
俺は佐祐理さんの体をきつく抱きしめた。

「佐祐理さん…」
俺は腕の中のひとの耳元に囁く。

「はい、佐祐理を抱いてください」

俺は佐祐理さんの首筋にキスをする。
「んっ」
佐祐理さんがくすぐったそうな声を上げるが、俺はそのまま佐祐理さんの首筋をついばみ続ける。

俺が佐祐理さんの胸に手を当てると、一瞬体をこわばらせるが、すぐに体の緊張を解く。
更にもう一方の手で、佐祐理さんの制服の下のパンティー越しにお尻を握る。
「ひゃっ、っ」

しばらく佐祐理さんの柔らかいお尻の感触を楽しむ。
佐祐理さんは何かに掴まりたいらしく、両手で俺の服を掴んでいる。

「佐祐理さん…、そろそろいいかな」
俺は頃合を見計らって佐祐理さんの瞳を見ながら問い掛ける。

「はい…」
佐祐理さんは俺の問い掛けの意味を感じ取って、リボンをするりと外す。
そのリボンは僅かに空中を漂って、階段に横たわる。
佐祐理さんは更に制服のボタンに手をかけるが、俺はそれを制する。
「はい?」
俺は佐祐理さんの制服に手をかけて、俺自身の手で佐祐理さんの制服の戒めを解いていく。

俺が制服をボタンを全て外しても、佐祐理さんは恥ずかしそうに、自分の体を俺の目に晒そうとしない。
「さぁ」
俺が促すように声をかけると、佐祐理さんは顔を赤くして目をつむりながら、制服を抑えていた手を離す。

制服は佐祐理さんの肩には掛かってるがそれは既に本来の目的を果たしておらず、薄い空色の下着に隠されていても美しさの損なわれていない佐祐理さんの曲線が俺の目に写る。

佐祐理さんは目を瞑ったままじっとしているので、俺は佐祐理さんのブラのホックを外す。
そして俺の眼前に佐祐理さんの綺麗な胸があらわになる。
それでも佐祐理さんは恥ずかしそうに目をつむっている。
いや、更に顔を赤くして、僅かに震えている。

「大丈夫だよ」
俺はそう声を掛けようと思ったが、それを押し留め、俺は佐祐理さんの乳首を口に含む。
「あっ」
佐祐理さんが囁くようなか細い声で反応する。

俺は佐祐理さんの乳首を舐めながら、手で佐祐理さんの腰に手を回す。
そして、後ろから佐祐理さんの太ももをなでる。
「はぁぁぁ」
佐祐理さんは思わず声を漏らしてしまう。

佐祐理さんが目を開き、俺と視線が合う。
佐祐理さんは再び顔を真っ赤にして恥らう。

「佐祐理さん…」

「はい」
佐祐理さんが消え入りそうな声で返事をする。

「かわいいよ」

「ゆ、祐一さん、何を言うんですか、そんな…」

俺は立ち上がり佐祐理さんにもう一度言う。

「本当にかわいいよ、佐祐理さん」

「も、もう」
少し拗ねたような表情をする佐祐理さんにお詫びにキスをする。
佐祐理さんも目をつむり、俺のキスを受け入れる。

佐祐理さんの唇を割り入るように俺は舌を差し入れる。
佐祐理さんもそれに応えて、俺の舌に自分の舌を絡めてくる。

お互いの舌や唇や口内を舌で刺激しあう。

俺が佐祐理さんの唇で吸うように舐めると、佐祐理さんは俺の口に舌を入れてきて、俺のはぐきなどを舐めるように動かす。
その佐祐理さんとの官能的なキスに耐えられなくなり、俺を再び手を動かす。
俺は再び佐祐理さんの胸を揉む。
「……っ」
佐祐理さんが口を動かし、何か言葉を発そうとしたが、正常に空気を震わせることはできなかった。
俺は更に佐祐理さんのパンティーに手を伸ばし、下していく。
「あっ」
今度は佐祐理さんも唇を放し声を出して反応するが、再び佐祐理さんの唇をふさぐ。

次にお互いの唇を放したときには、お互いの唾液でお互いの唇の周りが濡れていた。
俺は佐祐理さんの口の周りについた俺たちの唾液を舐め取る。
佐祐理さんも俺の口の周りの唾液を舐め取り、嚥下する。

「なあ、佐祐理さん」
「はい、なんですか、祐一さん」
「手すりに手をついてくれないか」
しばらくの沈黙の後に、
「はい」
と、佐祐理さんは俺の指示どおり、手すりに手をつく。
その顔はこれからのことへの期待にわずかにほころんでいた。

俺は腰を落とすと、
「あっ」
佐祐理さんが恥ずかしそうに声をあげる。
俺の目の前に佐祐理さんのあそこがある。
そしてそこは既に僅かとはいえない潤いを示している。

「佐祐理さん、もう濡れてるよ。まだ触ってもいないのにね」
俺はわざといじわるな口調で言う。
「祐一さん、言わないで下さい」
佐祐理さんが頭上からとがめるような口調で言う。
俺はその声を無視して、佐祐理さんのあそこに口をつける。
「ひゃう」
佐祐理さんが声を上げる。

そしてそのまま佐祐理さんのあそこを強く舌でなぞる。
「ひゃぁぁぁぁぁぁ」

更に太ももを抱きしめるように掴んで、手でお尻にも同時に刺激を与える。
「ふぁぁぁ」

舌や唇で佐祐理さんのあそこに刺激を与えていると、次第に滴るように潤いを満たしてくる。
「佐祐理さん…、すごいよ」
「ふぁぁぁ、言わないで下さい、そんな、こと…」

俺は舌を佐祐理さんのあそこに突き入れる。
「んんんんん、あ、あ、あぁ、ぁぁぁぁ」
俺の舌が佐祐理さんのあそこに収めると、佐祐理さんはガクガクと膝をゆらす。

俺の頭上で、口から一筋のよだれをこぼしながら、佐祐理さんが体全体で階段の手すりにしがみつく。
「佐祐理さん、もしかしてイったの」
と俺が尋ねると、
「ふぁい」
とおぼつかない口調で肯定する。

俺は立ち上がり、佐祐理さんの後ろに立つ。
「佐祐理さん、いくよ」
俺はズボンを下しながら、佐祐理さんに言葉を掛けるが、佐祐理さんは先ほどの余韻に浸り、はっきりとした返事を返してこない。

俺は拒否はされていないので、一気に後ろから佐祐理さんのあそこに俺のものを押し込む。
「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
さっきの余韻に浸っていた佐祐理さんが悲鳴のような嬌声をあげる。

俺が佐祐理さんの一番深いところまで、俺のものを収め、腰を動かすのを止めところで、佐祐理さんが俺に言ってくる。
「ふぁぁぁ、祐一さ〜ん、いきなりなんてひどいです〜〜〜」
「ちゃんと確認はとったんだけどな〜、佐祐理さんが全然気付いてくれなく」
「え、あ、そう、なんですか、すいません〜」
「じゃ、そうゆうことで」

俺は腰を動かし始める。
「ひゃぁ、あぁ、あぁ」
ついさっきイったばかりの佐祐理さんはすぐに甘い声を上げ始める。
「さ、佐祐理、まだ、さっきの…ふぁ、ふぁぁ、んんんんんんん」

佐祐理さんの中はすでに熱く濡れており、俺にも強い快感が伝わってくる。
「佐祐理さんのなか、とてもぬるぬるしてて、ん、いいよ、佐祐理さん…」
「く、口に出さ、んっ、ないで…、あっ、はふぅうぅ、あああぁ、そんなこと…
 でも祐一さんの気持ちいい、んん、佐祐理のなかがいっぱいになるっ、んっ」

俺の腰の動きは速くなり、それに合わせるように佐祐理さんも腰を動かしてくる。
それで俺の快感もすぐに昂まってくる。
「佐祐理さん、気持ちいいよ」
「はいっ、さ、佐祐理もいいです、はぁぁぁ、あぁ、あぁ、あぁ、あぁ。
 んんんん、あ、あ、あ、あ、も、もう、だめかも、し、しれないです。
 さ、佐祐理ぃ。ふぁ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

佐祐理さんが再びイった瞬間、俺のものも締め付けられ、限界に達する。
「んっ」
俺のもの尿道を通って、佐祐理さんのなかに精液が流れ込んでいく。
「ふぁぁぁぁぁぁぁ」
自分の体内に流れ込むのを感じるのか佐祐理さんは、歓喜の声をあげて、そのまま崩れ落ちた。

しばらくして佐祐理さんが気付く。
「ふぇ、あ、ああぁ」
佐祐理さんは自分の服装を見て、状況を思い出して赤面する。
いくら制服を着ているといっても、ボタンはしていないし、下着もつけていない。
そして学校の階段で、俺に抱かれている。

「おはよう」
「祐一さん…」
俺は佐祐理さんに、キスをする。
佐祐理さんも、目をつむって長い長いキスをした。

突然、俺の後頭部に衝撃が走る。
「いてぇ!」
「ゆ、祐一さん?え、あっ!」
佐祐理さんが俺の後ろを見て、声を上げる。
「どうしたの?」
俺が振り返ると、そこには手刀を構えて、舞が立っていた。
「「ま、舞…」」

「どうしてここにいる?」
「どうして、って舞こそどうしてここにいるの?」
「起きたら、部屋に佐祐理も祐一もいなかった。
 それに佐祐理、どうして?」
「え、え?」
「どうして、佐祐理大学生なのに、高校の制服を着ている?」
「こ、これはだなぁ…、舞」
「祐一は黙る」
「はい」
「舞、これは祐一さんが…」
「さ、佐祐理さんっ」
「祐一…」
首筋に冷気を感じる。
「これは、祐一さんが着て欲しいって…」
言われてしまった。
「祐一……」
首筋に感じる冷気が強まる。

「祐一…、佐祐理…」
「舞、これはだなあ」「そうよ、舞。これはね」
「一人ぼっちはイヤ」
俺たちは舞の言葉に俺たちは後悔を覚える。
「ごめんな」「ごめんね」「「舞」」

舞は俺たちを見て、言葉を繋ぐ。
「一人ぼっちはイヤ、だから…」
舞は俺と佐祐理さんにキスをする。
「だから……、一緒に」


初出 2000/11/10

 これは昔、このHPを作る半年前に書いたモノ、の書き直しです。というか、書き終わる直前にHDDがクラッシュしてマシンごとお亡くなりなられたSSでした。

 このSSを書こうとしたのが、このHPを作る発端となったので、ちょうどHP開設一ヶ月記念ということで速攻で書き上げました。前回書いたときとは似ても似つかない内容になってしまいましたが。

 なぜか今まで佐祐理さん(個人的KANON最強キャラ)を書いていなかったので、ここで書いておこうと。

 急いで書いたので、分かりにくい部分も多いと思いますが、HP開設以来たくさんのひとに拙いSSを読んでいただたことへの感謝とさせていただきます。

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