「きゃぁ」
どしゃ〜〜〜〜ん

詠美がキッチンで暴れている。
訂正。料理している…

「あっ」
がしゃ〜〜〜〜ん

ハズ…だ。


  <One Day>


なぜか突然詠美が料理をすると言い出した。
なかば同棲みたいな生活になって半年、料理はおろか洗濯、掃除、朝のごみ出し、全部俺に押し付けていたくせに。

それでも一人で暮らしていたことは瑞希がいたせいか一人暮らしは向いていないと思っていたけど、詠美にはかなわないことがこの半年で次々と証明された。
まあ、料理以外もあんな感じなんで、確かに俺がやった方が早いし、手間が倍にならないだけマシだ。

思い起こすたびに……
止めよう…。


「あっ!」
キッチンから詠美の悲鳴が聞こえてくる。

お、おい、大丈夫かよ。
「詠美!大丈夫か!」
「ふにゅ〜〜」
詠美は床に座り込んで、右手を左手でおさえている。
「詠美!どうしたっ!」

「和樹〜」
詠美が涙ぐみながら右手を俺の方に差し出してくる。

「なんだ…」
詠美の右手の人差し指から血が出ている。
とは言っても、数ミリの傷から手が滲み出している程度だ。

「なんだ、ってなによ。痛いのよ。この詠美ちゃんサマが怪我をしたのよ。それを〜〜」
「ああ、分かった、分かった。よっと」
おれは詠美の言葉を聞き流しながら、手を持って立たせる。
「さあ、さっさと傷口を洗え」
「うん…」
俺は水道の水を出して、詠美の指の傷を流水ですすぐ。

そして詠美の手をタオルで軽く拭いてやる。
「まだ痛いか?」
「うん、ちょっと…」
「そうか…」

俺は詠美の手を取ったまま、詠美の指を自分の口に運ぶ。
「か、和樹っ」
俺は詠美の傷口のあたりを舌で舐める。
「和樹…」

俺は詠美の指から口を離す。
「こうやって、ばんそうこう貼っておきゃ治るよ」
「うん…」
「まったくよ、まんが家なんだから手が資本し、もうちょっと手を大切にしないとな」
それを言って、俺は詠美の右手に残る「あのときの傷痕」に気付く。

俺は再び詠美の手に口を近づける。
そして詠美のその傷痕に口付けする。

その傷痕は契約だった。
本人にも言っていないが。
その傷痕が残っているうちは、俺は詠美から離れない、詠美を守ってやる。

俺が詠美の傷痕への口付けをやめ、詠美の顔を見上げると、詠美の瞳が潤んでいる。
「和樹…」
詠美が顔を近づけてくる。
俺達は唇を重ね合う。

「ねえ、和樹…」
「じゃ」
俺は詠美を持ち上げ、抱き上げる。
「きゃ、は、恥ずかしい〜〜」
「まあまあ」
俺は腕の中で暴れる詠美をなだめながらベッドまで詠美を運んだ。


ベッドの上でもまだ詠美は俺の腕の暴れていた。
「恥ずかしい〜〜」
「可愛いよ、詠美」
「ふにゅ〜〜〜」
詠美は真っ赤になって、大人しくなる。
先制攻撃成功。


俺は詠美を全身で包み込む。
「和樹…」
詠美は安心したのか、全身から力が抜けていくのが分かる。

俺は頭を下にずらし、詠美の胸に顔を埋める。
「詠美の胸…気持ちいいなぁ」
「か、和樹ぃ」
俺は更に顔を擦り付けて、詠美の胸の柔らかさを味わう。
「や、た、和樹」
詠美は俺の頭を叩くが、軽くなのでほとんど痛くない。

俺は服の上から詠美の乳首を甘噛みする。
「ひゃんっ」
俺は詠美の首筋にキスをする。
「く、くすぐったい〜」

俺は手を軽く胸に当てて揉みながら、首筋やうなじ、耳の裏などを舌で愛撫する。
「ん、ん、ん、ふぅ」
詠美は徐々に高まってきたのか、くぐもった声をあげるようになる。

俺はそろそろいいか、と思い、詠美の服に手をかける。
「えっ、あ、だ、だめ〜」
詠美は恥ずかしがって、脱がせてくれない。
「服、脱がないと、汚れるぞ…」
「でも恥ずかしいし…」
詠美はまだこっち関係は全然慣れない。
付き合って半年も経つのに初々しいというのも…。
まあ、これはこれでいいんだけど。

「じゃ、着たままか。うん、いいかもしれないな」
「う〜、和樹〜。何かすけべっぽい〜」
「全然、そんなことないぞ」
「う〜、ぬ、脱ぐから」
「じゃ、手伝って…」
「自分で脱ぐ!」

詠美はそう言った手前脱ごうとするが、恥ずかしがって非常に遅い。
俺はそれを鑑賞させてもらう。
「何、じろじろ見てんのよ」
「いや、詠美のストリップショーを…」
「う…、う…、か、か、和樹のバカ〜」
「うわ、な、殴るな」
俺は暴れる詠美を抑え込む。

「ご、ごめん、あ、あやまるから」
「バカバカバカバカ〜〜〜〜」
俺はわめく詠美の唇を俺の唇で塞ぐ。
「んっ、んっ、んんんん…」
大人しくなったか。俺は唇を離す。
「卑怯モノ…、キスでごまかすなんて…」
「本当にゴメン」
俺はそう言って、部屋の電気を消す。
「これで恥ずかしくないだろ」
「うん…」

詠美は今度はちゃんと服を脱ぐ。
俺も今度はそれを見ないように、いや見ているのを気付かれないようにする。
服を脱ぎ終わったのか、詠美はベッドの布団に潜り込む。
下着が見えないところを見ると、下着は付けたままらしい。
「ほら、私が脱いであげたんだから、和樹もさっさと脱ぎなさいよ」
「へいへい」
俺も詠美に言われるまま、トランクスだけの姿になって、詠美の隣に潜り込む。


「かずき〜」
詠美はさっきの恥ずかしがり様はどこへいったのか、俺の胸板に頬を摺り寄せてくる。
俺は詠美の肩に手を回し抱きしめる。
「詠美…、好きだよ」
俺の殺し文句に詠美は固まる。2勝。

俺は詠美の胸の間にキスをする。
そしてそのまま強く吸う。
「きゃっ」
俺はこっそり詠美のブラを外す。
かなりきつく吸ったせいか、詠美には気付かれなかったようだ。
俺はそのまま顎で詠美のブラを詠美の乳房からずらす。
「あっ」
と詠美が言う間もなく、俺は詠美の乳首に吸い付く。
「や、やだぁ」
俺はわざと音を立てて、詠美の乳首を吸う。
「やだ、和樹…、赤ちゃんみたいだよ」
「だったらミルク飲ませてくれ」
「で、出るわけないじゃない。バカじゃないの」
「残念」
俺はもう一度詠美の乳首を吸う。
ただし今度は舌を使って、詠美を感じさせるために吸う。
「んんっ」

俺は手を伸ばし、詠美のお尻をなでる。
「ふぁ、か、和樹…」
そしてそのまま詠美のお尻の方から手を回し、内股をさする。
「ひゃ、んんん、んんん」
詠美はくぐもった声を立てる。
俺は詠美の右腕を取り、詠美の人差し指を口に含む。
「んんん」
そしてそのまま詠美の指、そして指の股、そして次の指を舐めていく。
何時の間にか、詠美も俺の右手を舐めてくれている。
お互いに指が最もいとおしいものであるかのように口で指を濡らしていく。


詠美の内股を愛撫していた、手をゆっくりと下着の上から詠美の秘所へ当てる。
「んんんんんんっ」
詠美は俺の小指を口に含んだまま、声にならない音を発する。

「あっ」
俺は詠美の口から俺の指をゆっくりと引き抜く。
俺はその頴詠美の唾液で濡れた指を詠美の下着の下に潜らせる。
「あ、あ、あぁぁぁぁ」
そのまま詠美の秘所へと到達する。

俺は優しく秘所をなぞるように愛撫を加えていく。
「んんん、ふぁぁ、んん、ぁぁぁぁ」
詠美の発する声に徐々に高い音が含まれるようになってくる。

そんなとき、詠美も右手の指を俺の口から引き抜く。
そしてその手はトランクスの中に入ってくる。
俺のものがいかにもこわごわいった様子で握られる。
そのまま軽く擦ってくる。
しかにもぎこちない動きだったが、そのぎこちなさも返って、俺への刺激となる。

俺も詠美の秘所への愛撫を続ける。
俺は徐々に湿り気を帯びてきたそこから詠美のクリトリスへと直接指の腹で刺激を加える。
「ひゃうんっ」
詠美が敏感に反応し、思わずなんだろうが俺のものをきぎられてしまう。
「!!」
俺は思わず、鋭くうめいてしまう。
「だ、大丈夫、和樹?」
「大丈夫…だよ、詠美」
「ごめんなさい…」
「じゃ、お仕置きだ…」
俺の言葉に一気に詠美は瞳を潤ませる。

俺は詠美の下着を下ろし完全に生まれたままの姿にする。
そして詠美の秘所へと口を近づける。

そして濡れてきている詠美の秘所に舌を走らせる。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
更にクリトリスを舌のを使って、突付いたり、舐めたりしてやる。
「ひゃ、やだぁ」

そして今度は口全体を使って、詠美の秘所のあちこちに刺激を加えながら、唾液を塗りつける。
「ひゃぁぁぁ、ふぁあぁぁぁ、和樹、ふぁああ、んんんん、や、ぁぁ、やぁ」
詠美は俺の腕の中で体をくねらせながら、嬌声をあげる。
俺はもっとその声が聞きたくて、詠美の粘膜に更に強い刺激を与える。
「ふぁ、ひゃぁぁぁ、んん、ふぁぁぁぁぁぁあぁんっ」

詠美の秘所は十分に詠美の体液で潤い、俺のものを受け入れることが出来るようになったと判断する。
俺は詠美と顔を合わせる。
俺の視線から察したのか、詠美は赤い顔で頷く。

俺はトランクスを脱ぎ取り、俺のものを詠美の中心に合わせる。
そして、ゆっくりと俺のものを詠美のなかに埋め込んでいく。
「んんんんんんんんんん」
詠美はシーツを噛んで声を出さないようにしている。

俺は詠美の一番奥で詠美と繋がる。
「詠美…」
「か、和樹…」
「苦しいか」
「う、ううん…。私のなかが、和樹でいっぱいで…。私…、なんか切ないの…」
「詠美…」
俺は詠美の頬をそっと撫でて、腰をゆっくりと動かす。

「ふぁぁぁ、んんんん、ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
詠美の中は熱くて、押し返されるような圧があるが、俺はそれを押し開くように挿入する。
「ふぅぅぅぁぁぁ、あぁぁぁ、和樹、あぁぁ」
詠美は挿入そのものの刺激というより、挿入されているということに感じるということに俺はつい最近気付いた。
詠美を気持ちよくさせてやるには、詠美が俺としているとより深く思わせてやればいい。

「詠美、いくぞ」
「え、あ、ぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ」
俺は腰を回転させるように動かして、詠美の胎内をかき回す。
「いぁ、ふぁ、あぁぁぁ、私のなか、なか、か、和樹ので、私、ふぁ」
「詠美のここ、とてもえっちな音たててるよ。俺のもの全部入れてさ」
「やぁ、い、言わないで、そんなぁぁぁぁ、で、でも」
「でも、俺と繋がって気持ちいいんだろ」
「う、うん、私…、気持ちいいの、和樹に入れてもらって、ふぁぁぁぁぁぁ」
「なら、もっとよくしてやるよ」
俺はそう言って更に腰を大きく動かす。
「ふぅぁぁ、か、和樹…私…私…ふぁぁぁぁ」
「詠美っ」
「か、和樹〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

詠美は俺の背中に両手を回して、絶頂に体を震わせる。
俺も達して、詠美を抱きしめながら、詠美の中へ思いのたけを全て注ぎ込む。

そして俺たちはそのまま浅い眠りに落ちていった。



俺が目を覚ますと、詠美が楽しそうに俺の顔を見ていた。
「何か面白いもんでもついてるのか?」
「うん、目と鼻と口」
「面白いのか?」
「面白いってば」
「そうなのか」
とりあえず、俺は起き上がろうとするが、詠美に抱きつかれもう一度ベッドに倒れこむ。

詠美が俺にキスを求めてくる。
俺はもちろんそれに応える。

シーツを体に巻きつけ、詠美が立ち上がる。
そして突然叫ぶ。

「あ、料理!」
そういえば料理の途中だったんだよな。
「大丈夫、火はまだ使ってなかっただろ。これからでもなんとかなるだろ」
「でも…」
「じゃ、シャワーを浴びてから二人で料理しようか」
「うんっ!」
詠美の嬉しそうな笑顔。
俺と一緒に料理できるのが嬉しいんだろうな。
だったら最初から一緒にやっても良かったような。
まあ、何はともあれ、愛いやつ。


「そういやどうして突然料理するなんて言い出したんだ?」
「う〜〜、秘密だってば〜〜」
なんかあるのか、理由。
「このと〜り、詠美様。教えてくださいまし」
「しょ〜がないわね〜〜。特別に教えてあげるわよ」
なぜか胸を張る詠美。

そして言おうとして突然声が小さくなる。
「ほら、………………………………だし」
「え?」
聞こえない?
「今日は………………………………だし」
「?」
「今日は和樹の誕生日だし…」
あ、そう言えば。
「和樹、誕生日おめでとう!」





初出 2000/11/22

はっぴ〜ば〜すで〜、自分。
ということで自分の誕生日を詠美ちゃん様に祝ってもらうという電波SSです。

なんで詠美は料理をしてるんだろう?

和樹の誕生日?でも誕生日決まってたっけ?

そういや自分の誕生日、もうすぐだよ。

じゃ、和樹のオフィシャルの誕生日(あるのかないのか調べてない)を無視して、自分の誕生日に合わせてしまえ。

ということでこの話での和樹の誕生日は11/22です。

それにしても、詠美の手に傷痕残しちゃいました。
女の子を傷モノにするとは…。
あれ、本編で「傷痕は残らない」って言ってたような…。

ちなみに人気・不人気かかわらず続く(かも)

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