Present BY Kasumi Yahagi
2001年6月26日。私の祖母が亡くなりました。95歳。大往生です。 祖父にはうるうボケがあり、妄想行動を懸念した親戚一同は、これを伏せることに決めました。 祖母のお葬式の後、母は祖父の様子を見に行来ました。 その日、祖父の意識はとてもはっきりとして、母が唐突に誕生日を聞くと 「明治〇年、〇月〇日」とはっきりと答えたそうで、これには寮母さんも驚きだったそうです。 しかも、話題が政治に及ぶと、国会の現状について、的確にこれを意見します。 その祖父が、母に言いました。 「俺のばあさん亡くなったから。葬式いかないといけないな・・・」 母はびっくりしましたが、わざと知らないフリをして質問しました。 「・・・なーに?お母さん(祖母)死んだって?いつ死んだのよー?」 「うん。つい数日前だ・・・」 全ては事実と一致します。 祖父の発言は、事実との偶然の一致。そう見るのが一般的なのでしょう。 でも私は、祖母が祖父に自身の終わりを告げに来たと、素直に信じています。 大切な人に別れを告げに来た。全く不思議なお話ではありませんよね。 表題はそのとき言えなかった、私の言葉です。 |