白クマはそっとわたしの頭をなで、爪で器用に髪をとく。
私はその大きな手を掴んで、肉球の部分を頬に当てた。
柔らかくて、暖かかった。
まるで、自分が白クマの子供になったような気がした。
それから、私は思いきりその白クマに甘えてみる。
無意味に抱きついてみたり、その大きなお腹をくすぐってみたりした。
すると、彼女は嬉しそうに身を捩って、私を両手で抱きしめる。
私の体は、その胸に柔らかく沈んだ。
ぎゅっと抱きしめられると、とても気持いい。

天国はきっとこんな場所なんだろうなと思った。