互助精神と非破壊主義の蝦夷、(北海道)先住民族、アイヌ。
その昔、アイヌの人々は本州より来た倭人達を、客人として歓迎しました。
しかし、アイヌとの交易権を独占した松前藩は、収奪に等しい交易、鮭の大量捕獲、砂金堀りで川を汚染。
更に「絶対服従」を申し入れます。アイヌの酋長、シャクシャインはこれにやむなく蜂起を決意。
松前藩の軍は、対し、わずか二千のアイヌ軍による、森の構造を駆使した戦法に、次々と壊滅。
当時、蝦夷地近辺では外国船が出没していたため、幕府は「アイヌは外国と結ぶ気か!?」と
強い危機感を覚え、この少数民族に対し万単位の援軍と鉄砲を送り込みます。これにアイヌ軍はやむ無く撤退。
民族絶滅の危機感の中、松前藩の和議申し入れを受け入れたシャクシャインは酒宴の席で毒殺されます。罠だったのです。
和解どころか頭首を失い狼狽するアイヌの人々。有無を言わさず政府の開拓が始まり伐採されていく神々の森。
とうとうアイヌの聖地、二風谷にもその手がのびます。自然と互助精神にあるアイヌの人達は、これらを守ろうと各地で
わずかな抵抗を見せますが、幕府軍鉄砲部隊の銃弾に次々と倒れていきます。
喧噪の中、家に等き二風谷の森に取り残された女や子供達。

現在。北海道平取町二風谷は工業用水を貯水するダムに、水の流れを塞き止められています。
八年の裁判で、その訴えはとうとう理解されず完成に至ったものです。
今尚。人と自然は供にあることを訴えつづけているアイヌ民族。
彼等の言葉を借りれば、アイヌあってカムイあり、カムイあってアイヌが、ここにいられるのです。

〇カムイ=広義で自然の神 〇アイヌ=人間という意味