BOOK-22
Present BY Kasumi Yahagi


[順不同。これは霞美の個人的な評価です]

本の題名 作者 読書メモ 5星評価
1014 氷上の光と影 田村明子 ジャッジの判定疑惑や、選手の膝を狙ったケリガン襲撃事件などフィギアスケート界の表裏を紹介。 様々な柵の中で選手たちがいかに神経を磨り減らして闘っているのかが分かります。 「試合中コーチは毎回何か叫んでいるけど、本当は何も聞こえてないの」村主選手の言葉が印象的でした。12/04/23 ★★☆
1015 ふがいない僕は空を見た 窪美澄 性に溺れ活き場を無くした人々。主婦との不倫。ロリコン。痛いからと出産を嫌がる女教師。 性と生の繋がりを理解するより前に暗澹たる気持ちにさせられました。女による女のためのR-18文学賞大賞受賞。12/04/26 ★☆
1016 政治のことよくわからないまま
 社会人になってしまった人へ
池上彰 過去の政治政党、自民党派閥や連立政権の仕組みなど、頑張れば中学生でも理解できる良書。 併せて、日本人の政治意識の薄さや投票の大切さを訴えています。12/05/02 ★★★☆
1017 特等添乗員αの難事件 松岡圭祐 中卒で家族にも見放された浅倉綾奈が観光庁の壱条とその教育係能登に助けられ、内に秘めていた能力発揮。 晴れて主任添乗員となり、得意のラテラル思考で窮地の莉子を救います。 綾菜とぶつかり合いながらも、愛を持って接する能登爺。こんな教育者がいたら、どんなに救われる子供がいることか。12/05/08 ★★★☆
1018 八日目の蝉 角田光代 愛人の子供を誘拐する希和子。愛情を注いで育てるも逃避行の末に捕まってしまう。 そして、肉親の元に戻るも家族に溶け込めない被害者恵理菜。生みの親より育ての親とは言いますが、そんな単純ではないと考えを改めさせられます。 皆ひとりひとりが弱い人間だったのだと理解し、恵理菜は小さな命と共に幼少を過ごした島へと帰っていく。中央公論社文芸賞受賞。12/05/10 ★★★☆
1019 万能鑑定士Qの推理劇U 松岡圭祐 初恋の同級生の子供を救うため古書の世界へ飛び込む莉子。 オークションと賭博の仕組みを掛け合わせた巧妙なトリックに苦戦しつつも、事件を解決へと導く。 いつものハッピーエンドとは違い、グレーな結末にある種の新鮮さすら感じました。 にしてもこれは「ビブリア古書堂の事件手帳」を意識してしまいますね。12/05/10 ★★★
1020 池上彰の大衝突 池上彰 大国の衝突を各章に分けて解説。ドルとユーロの拮抗には興味深いものがあります。 自由主義は社会主義に勝ったのではない。後者が自滅しただけだ。ドルとユーロも同じ図式で勝敗を決するような気がします。 EUは多国共存という難しい枠組みの中で、今後いかにユーロを継続させて行くのでしょう。12/05/16 ★★☆
1021 幸福号出帆 三島由紀夫 堅気になれないハーフの兄とオペラ歌手を夢見る妹。ふたりは恋人のように寄添いながら、密輸船幸福号にて自ら表社会への道を閉ざしてゆきます。 兄妹ではない真実を知らぬまま海外へ漕ぎ出してゆくふたり。「綺麗なままの関係で居て」とはあまりにも切ないです。12/05/20 ★★☆
1022 クラバート プロイスラー 水車場の見習い兼魔法使いとなったクラバートが、死の連鎖を断切るため親方と対決。先立った仲間の思いを胸に立ち上がります。 児童書とは思えないシリアスな展開、そして伏線がすごい。彼をサポートする頭脳派ユーローがキーマンですね。 中央児童福祉審議会特別推薦他、国際アンデルセン賞・作家賞・次席賞、ドイツ児童文学賞、ヨーロッパ児童文学賞受賞。12/05/24 ★★★
1023 貧しき人々 ドストエフスキー 貧しい老官吏と身寄りのない少女の文通。幸も不幸も別けあう二人に訪れる小さな奇跡と悲しい別れ。 老官吏の思いやりは結ばれずとも消えることはない。それは切ない最後でした。12/05/31 ★★
1024 決戦のとき ミシェル・ペイヴァー 父の敵の魔道師と最後の決戦。挑むトラクを援護するウルフとレン。 皆が苦境に立たされながらも、三つの心は切り離されることなく、その目的へと向かって突き進んでゆきます。 途中、ウルフの子がいなくなってしまったときはハラハラしましたが。トラクとレンの明るい未来を予感させてシリーズ完結です。12/06/05 ★★★
1025 ヴォイド・シェイパ 森博嗣 師であり育ての親でもあるカシュウを失い山を降りるゼン。剣の道を模索する旅で、本当の達人とは誰かを知る。 剣術に対する素人目はありますが、その精神については概ね武道の真意を語っています。 イサカとの恋の行方はどうなることやら。12/06/11 ★★★
1027 テンプル騎士団の遺産
 (上・下)
スティーブ・ベリー 米国司法省嘗ての上司ステファニーとマローンは一冊の古書をきっかけにテンプル騎士団の遺産を探すことに。 同目的を持った騎士団の一角に付け狙われながら、ふたりはキリスト復活の禁断の謎に迫っていく。 題に惹かれて読みましたが、騎士団の歴史にもう一歩深く入り込んで欲しかったです。12/06/22 ★☆
1028 ブラッド・スクーパ 森博嗣 奇跡の宝玉、竹の石を巡り用心棒として雇われてしまうゼン。ただの石に理屈付けをして言い争う欲深さを冷静に見つめるも、已む無く一戦を交えてしまう。 人間の愚かさと滑稽さを、剣を通して巧みに描いています。ゼンの旅は続く。12/06/27 ★★★
1029 消えた2ページ 寺村輝夫 お城の規則から逃げ出した、我侭な王様はどこへ行った?消えた二ページに書かれた王様の所在を追うなか、降りかかる奇妙なできごと。 そして主人公は否応なく迫られます。消えたページに書かれるべき内容とは何か。君ならどう行動するのか。 児童書ですが、意味深にして空恐ろしい物語でした。12/06/29 ★★★
1030 ビブリア古書堂の事件手帖3 三上延 栞子の母と因縁のある人々が古書がらみの問題を次々と依頼。難題を紐解いてゆく栞子。 五浦との仲は平行線でややペースダウンの感はありますが、本に関わる物語は相変わらず面白い。 個人的に「たんぽぽ娘」取上げてくれたのは嬉しいです。母の残した手がかりを隠し持っていた妹。母親の正体が気になります。12/07/02 ★★★
1031 最後の一日 リンダブックス編集部 最後の一日を題材にした短編集。恐怖の対象であった姑の霊と不思議な旅をする嫁。旅の末、己の暴挙を後悔する 姑の姑の思いを知り、嫁に本心を打ち明け世を去ってゆく姑の物語「姑の姑」が良かったです。ページ数の問題かやや技巧的なのが残念。12/07/05 ★☆
1032 ながいながいペンギンの話 いぬいとみこ 幼いペンギンの兄弟、ルルとキキの冒険。集団生活。迷子のふたりを助けてくれた鯨。天敵のシャチ。そして人間との接触。 様々な経験を得て二匹は成長し、いつしかその毛並みもグレーから黒へと変わってゆく。ペンギンの生態についても学べる良書です。12/07/06 ★★★
1033 妄想ジョナさん。 西村悠 孤独な大学生の妄想より生まれた少女ジョナさん。友達を作るためあらぬ方向へ作戦を立てるふたりが笑えます。 そして、社会復帰と引き換えにジョナサンを失う主人公。人を好きになる尊い理由のひとつを、ここで垣間見ます。 それが何者であろうと、ずっとそばにいてくれたから。古書店で偶然手にした当り本です。12/07/10 ★★★
1034 これからの「正義」の話をしよう マイケル・サンデル 正義を成すにおいて迫られる究極の選択を事例にあげながら、正義について講義。 ノンフィクションも交えたその例題が興味深いです。あなたは五人を助けるために一人を殺せるか。 間接的な選択ならばそうするだろうが直接手を下すとなったら、例えばあなたはナイフを振り上げるだろうか。12/07/19 ★★☆
1035 高校生からわかる原子力 池上彰 兵器や発電など、世界の核利用の歴史を追う。危険と分かっていても核に手を出し続ける人類。 特に頭を抱えるのは核廃棄について。地中深く埋めて無害になるまで万年待てばよいなどと、 自己欺瞞以外の何者でもない。地球の悲鳴が聞こえてくるようです。12/07/23 ★★☆
1036 犯罪 フェルディナント・フォン
・シーラッハ
様々な理由で罪を犯してしまう人々。憎悪だけではない。介護疲れ。人助け。愛。それを犯罪と呼んでもよいものか、戸惑ってしまいます。 父を嫌い二人きりで生きようとした姉弟「チェロ」。エチオピアの貧しい村を救った強盗「エチオピアの男」に涙です。クライスト賞、本屋大賞受賞。12/07/27 ★★★☆
1037 エムブリヲ奇譚 山白朝子 短編集。迷い癖のある旅本作家、和泉蝋庵との旅で出くわす奇妙な出来事の数々。 母を救うために自ら命を絶ち地獄へ落ちる少女の物語「ラピスラズリ幻想」。 愛故に地獄に落ちるなんて、悲しすぎます。12/07/31 ★★★
1038 ファミリーポートレイト 桜庭一樹 逃避行を続ける母子。その壮絶な人生より、世間一般の常識に溶け込めなくなった駒子。 本好きの影響で作家となり大成するも、母の幻影に縋る日々。ドロドロ感に少々疲れました。12/08/09 ★☆
1039 還りの会で言ってやる 八重野統摩 いじめから幼馴染を救うため結成された還りの会。主人公は立案者の大学生と作戦を開始。そして、事は意外な方向へ。 思春期の甘酢っぱい感情が道を誤らせる、一風変わったミステリーでした。 いじめを題材にしたわりには気持ちの良い幕布。主犯格の賛がいい味出してます。12/08/13 ★★★
1040 わくらば日記 朱川湊人 昭和30年代。過去を見透す能力者鈴音と妹の和歌子が刑事百合丸と凶悪事件を追う。 犯罪者の心を見つめる鈴音の苦悩と葛藤が人の世の儚さを切実に訴えています。 自分の死を偽る青年最後の手品、信じるふりを続ける少女の物語「流星のまたたき」に涙。12/08/16 ★★★★
1041 わくらば追慕抄 朱川湊人 千里眼の姉と妹和歌子の物語第二段。相反する霊力の使い方をする吹雪と対峙するふたり。先の展開が気になります。 二人の子の命を天秤にかけねばならなかった母の不幸。洞爺丸事故の話がショックでした。 生きるためとはいえ、それは忘れることを許される過去なのか。結論が出ません。12/08/20 ★★★
1042 くちびるに歌を 中田永一 長崎県五島列島の中学合唱部。自閉症の兄を持つぼっちの主人公や、父への嫌悪から異性を苦手とする女子生徒、 元ニートの美人音楽教師など。それぞれの事情を抱えたメンバーが、コンテストに向かって一つに纏まってゆく。 15年後の自分に綴られた主人公の手紙が痛いほどに切ない。その文章は憧れの女子生徒、長谷川にどう響いたのか。 二人の関係を応援したくなりました。12/08/22 ★★★
1043 思い出を切りぬくとき 萩尾望都 編集担当者との駆け引きや姉妹の小さな確執、趣味の芸術鑑賞について語るエッセイ。 悪気が無ければ何を言おうと自分は悪くないと考える姉に、腹を立てる筆者。リアルな姉妹仲を垣間見ます。 特別偏った思考の持ち主ではないのに彼女は変わっていると感じるのは何故でしょう。12/08/27 ★☆
1044 ボグ・チャイルド シヴォーン・ダウド 北アイルランド独立運動を背景に、将来を考える大学受験生ファーガス。 工作活動への誘い、獄中でハンガーストライキを続ける兄、そして湿地で見つけた鉄器時代の少女の遺体。 青年はどんな未来を選ぶのか、少女の過去と共に物語は展開します。 政治活動する者の家族の苦悩が胸に迫る、内容の深い一冊です。ビスト最優秀児童図書賞、カーネギー賞受賞。12/08/30 ★★★
1045 リトル・ウイング 作・吉冨多美
絵・こばやしゆきこ
教師や親の言いなりになり心を失ってゆく小学生の夏美。彼女を救おうとする親友の苺と水溜りの魔女リマタズミー。 子供を間違った教育から救えるのは誰なのか。私たちは常に考える必要があると思いました。夏美を救うべくリマタズミー最後の魔法に涙。12/08/31 ★★☆
1046 スノードーム アレックス・シアラー 叶わぬ恋に絶望し狂気に走る醜い芸術家エックマン。加速器を使い、恋敵共々ミクロにして模型の町に閉じ込めてしまう。 そこで愛を育む二人を見て、奪えないものがあるのだと知るエックマン。 交互に浮き上がる善と悪の心。自分は何を求めていたのか。どうして欲しかったのか。 誰もが彼にある種の既視感を覚えると思います。怖ろしくて優しくて痛々しくて、そして切ない。多くを語った物語でした。12/09/05 ★★★★
1047 グレート・ギャツビー スコット・
 フィッツジェラルド
ホームパーティーをきっかけに知り合った謎の隣人ギャッツビー。 令嬢に恋焦がれ、相応しい地位を得ようと努力し続けた彼の痛々しい最後。 面倒から逃げ出す令嬢夫妻の身勝手を余所に、彼の純真は陽として心に残ります。 これはリアルな人生論なのか、愛の理想なのか。訳村上春樹。12/09/13 ★★★
1048 夜のサーカス エリン・モーゲンスターン サーカスを盤上に魔法勝負を余儀なくされるシーリアとマルコ。宿命の中で惹かれあう二人。 どちらかが死ぬまで終わらないこの戦いに終止符を打つべく放たれた、ふたりの魔法とは。 それぞれの役割を持った登場人物がサーカスを次の世代へと引き継いでゆく。 サーカスと魔法の雰囲気が見事に融合した物語です。12/09/21 ★★☆
1049 空色勾玉 萩原規子 日本神話を基にした古代物語。稚羽矢の枷を解き、輝の世界を飛び出す狭也。闇の世界で生きる道を模索する。 闘いを繰り返す二つの神に和解の道はあるのか。狭也と稚羽矢の未来に託されます。 その狭間で倒れて行く多くの犠牲が悲しかったです。日本児童文学者協会新人賞受賞。12/09/28 ★★☆
1050 革命のライオン 佐藤賢一 小説フランス革命1。食料不足、経済破綻、三部会の復活と国民議会の発足。貴族と平民の狭間で揺れ動くルイ王朝。 己の出世栄達も含め、フランスを救う道を模索する議員たちの策略が描かれます。王族達の描写が少なすぎるのが残念です。12/10/03 ★★
1051 特等添乗員αの難事件U 松岡圭祐 偶然同じ機内に乗り合わせることになった妹絢奈と姉乃愛。 絢奈の活躍を目の当たりにし、今一度妹とのこれまでを振り返る姉。 引きこもりだった妹。それでも、ただ生きていただけではないのだと気づかされる。 やっと縮まりつつある二人の距離に、姉妹の明るい未来を期待します。12/10/05 ★★☆
1052 バスティーユの陥落 佐藤賢一 小説フランス革命2。デムーランの呼びかけによる民衆蜂起、そしてバスティーユ陥落。 数千人の女達がパンを求めて雨のヴェルサイユ宮に乱入。国王一家をパリ(テュイルリー宮)に連行してしまう。 それでも、まだ民衆の心には国王を称える気持ちがあったようです。しかし国王側の描写が少なすぎるのは痛すぎです。12/10/10 ★★☆
1053 月だけが、私のしていることを
見おろしていた。
成田名璃子 ふと覗いた望遠鏡に見つけた絵描きの青年。互いに望遠鏡使い文字盤を使ったやり取りを始めることに。 青年の助言で立ち直る主人公。多くの誤解を解き、また別れた彼とやり直すことに。そして、青年は―。 恋愛の光と影が集約された儚い結末でした。電撃小説大賞受賞。12/10/11 ★★
1054 聖者の戦い 佐藤賢一 小説フランス革命3。宗教と特権身分を盾に飽食を続ける僧侶たち。 諸外国との対話や戦争の意思決定は誰がするのか。右派左派に分かれてもめる議会。奪われていく言論の自由。 国民主権の理想が派閥や新たなる特権の派生により揺らぎ始める。民意が弄ばれている感が否めません。12/10/18 ★☆
1055 眼球綺譚 綾辻行人 ホラー短編集。全話に渡りユイという女性が登場。それが個々の物語を繋ぐ効果を生んでいて、頭に入りやすい。 妊娠というキーも興味深いです。悪食趣味の末に自らの一部を食べてしまう「特別料理」。最後に呟く夫婦の意味深な一言にぞっとします。12/10/23 ★★★
1056 サーカス象に水を サラ・グルーエン 家族と財産を失い逃避行さながらサーカス列車に飛び乗ってしまう獣医志望の青年ジェイコブ。 横暴なボスから仲間や動物達、愛しの彼女を救うことができるのか。一頭の象を味方にサーカスの運命を変えていきます。 老いたジェイコブに訪れる明るい未来に乾杯です。ALA/ALeX、コスモポリタン読者賞、他受賞。12/10/30 ★★
1057 イニシエーション・ラブ 乾くるみ 誰もが知るであろう男女関係の始まりと終わりを物語る。 元彼女への思いを引きずりながら、新しい彼女を腕に抱く主人公。 彼は果たして前に進んでいると言えるのか、疑問のままに読了。12/11/01 ★★
1058 木橋 永山則夫 永山則夫死刑囚の少年期を知る。青森での極貧生活、兄弟の暴力、世間の冷たい目。 彼を愛してくれる誰かがいたならば。例えば、顔のケロイドを隠しながら働く美しい女性に、気を止める永山。 もしそこに愛が芽生えていたら、彼は救われたのではないかと不憫に思えてなりませんでした。12/11/06 ★★
1059 珈琲店タレーランの事件簿 岡崎琢磨 究極の珈琲を追い求めてたどり着いた珈琲店タレーラン。聡明なバリスタ美星と日常の謎を解いてゆきます。 ストーリーはともかく、主人公の気取った性格と、美星との会話の不自然さが何とも残念です。 珈琲ネタは、ほどよく散りばめられています。12/11/08 ★★
1060 議会の迷走 佐藤賢一 小説フランス革命4。権勢を誇る軍人ラファイエット。教会改革に手を焼くタレイラン。新たな権力を欲し、もしくは古い権力を保持しようとする人々。 議会が歪んでいく最中、革命のライオンミラボーが死去します。王妃の愛人フェルゼン伯の登場にも注目です。12/11/12 ★☆
1061 吉原手引草 松井今朝子 謎の花魁葛城を追って、物語は聞きこみ構成で語られます。 彼女の正体についてはやや肩透かしでしたが、吉原の世界を知るにはよい本でした。 もう一人の愛妻を与える吉原の世界。大人のごっこ遊びですが、引き際はを間違えると倍の苦労をするでしょうね。直木賞受賞。12/11/16 ★★☆
1062 王の逃亡 佐藤賢一 小説フランス革命5。国外逃亡を決意するルイ16世一家。逃亡を手助けする方向音痴のフェルゼン伯。 妻の愛人に逃亡の手出すけをされるなどルイはどんな気持ちだったのか。途中彼を切り捨てたのも止むを得ない気がしました。 ようやく己の才能に気づき自信を持つルイ。時既に遅しというのも運命なのでしょうか。12/11/21 ★★☆
1063 きいろいゾウ 西加奈子 仲のいい田舎暮らし夫婦ツマとムコ。お互いの抱える小さな秘密が、二人の信頼に小さな亀裂を生みますが それを乗り越えて、二人の愛は更に育まれてゆく。その様子が、きいろいゾウの童話と共に描かれます。 万能な空飛ぶ黄色いゾウでいるべきか。平凡なゾウになって仲間を得て生きるべきか。12/11/28 ★☆

Last Up Data : 2012/12/17

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