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★世の中には、様々な知識を極めた賢者たちがたくさんいます。
★ここでは、彼らの優れた知識を少しばかり紹介してみたいと思ってます。
★これであなたも賢者の仲間入り・・・かな?

※ネタが増えたらページを分けて整理したいけれど、まだ一つしかないので、
 以下に続けて掲載します。



☆題名:お嬢様はいいよね・・・くぅ〜(幸)☆
(副題:『お嬢様ことば速修講座』)

◇はじめに◇
"お嬢様"というキャラクターは、今や日本の文化に欠かせない存在です。
物語に少女が3人以上登場するような場合、少なくとも一人は
"お嬢様"というステータスを備えていることでしょう。

お嬢様と言うと、主に2つのタイプがお決まりのパターンではないでしょうか。
・才色兼備完全無欠タイプ(自信家系。性格の良い悪いどちらにせよ、才能もあるし努力もする。)
・天然ボケ絶対幸運タイプ(おっとり系。常にマイペースながら、なんだかんだ幸運で何事も切り抜けてしまう。)

フィクションの中ではこんなにも身近なのですが、
現実の世界ではまずお目にかかれない不可思議な存在でもあります。

従って、自作のシナリオ等に"お嬢様"を出したいと思っても、
いざセリフや振る舞いなどを考えようとすると、あまり自信が無いという方も
いるのではないでしょうか。

そこで、お嬢様を極めた偉大なる賢者様のお知恵を少しばかり紹介したいと思います。

さぁ、これであなたも、今日からお嬢様の仲間入りです。(笑)


◇もくじ◇
第一部 基本科
 第一講 「恐れ入ります」の法
 第二講 「すみません」の禁
 第三講 「わたくし」と「さま」の掟
 第四講 「ことのて」の結び
 第五講 緩慢の術
 第六講 「存じます」
 第七講 「さようでございますか」の法と「ええ、ええ」の禁
 第八講 省略の禁
 第九講 「おご」の冠
 第十講 親しき仲にも敬語使い
 第十一講 「ごきげんよう」と「あそばせ」の愉しみ
 第十二講 沈黙と微笑みの術

第二部 応用科
 第十三講 丁寧な肯定と曖昧な否定の術
 第十四講 大げさな誉めことばと婉曲的なけなしの術
 第十五講 御所ことばを楽しむの術
 第十六講 実践の心得

第三部 研究科 <<気品の定義>>

第四部 資料編 <<お嬢様ことば小辞典>>
 1.お嬢様らしい挨拶リスト
 2.お嬢様らしい返事リスト
 3.お嬢様らしい誉めことばリスト
 4.お嬢様らしいけなしことばリスト
 5.耳障りなことばのエレガントな言い換えリスト
 6.最低限抑えておきたい敬語リスト
 7.一般的な会話文の例


********

第一部 基本科

第一講 「恐れ入ります」の法
●お嬢様の口癖は「恐れ入ります」。
 普通の人の口癖は「すみません」「どうも」。
 「どうも」の代わりに「恐れ入ります」と言いましょう。
●誰かのお宅を訪問する場合にも「恐れ入ります」。
●「ちょっとすみませんが」の代わりに「恐れ入りますが」と声をかけます。
●背筋を伸ばして軽い会釈と共に「恐れ入ります」と言いましょう。

第二講 「すみません」の禁
●「すみません」は、お嬢様に禁句です。
 「すみません」と言うかどうかは、お嬢様と一般人を見分けるひとつの基準といえます。
●「すみません」では、謝った事にはなりません。
 丁寧な謝罪なら「申しわけございません」。
 軽い謝罪なら「失礼いたしました」。
●「すみません」では、お礼を言った事にはなりません。
 目下の人に対する軽いお礼なら「どうもありがとう」。
 丁寧なお礼なら「たいそうありがたく存じます」。
●「すみませんが」とは声をかけません。
 声をかける時には「恐れ入りますが」。
 目下の人には「よろしいかしら」。
 丁寧に言うなら「まことに失礼かと存じますが」。

第三講 「わたくし」と「さま」の掟
●「わたし」と「わたくし」が、お嬢様を見分けるもうひとつの基準です。
●「さん」は、すべて「さま」に置き換えます。
●相手の家族にはたとえ赤ちゃんでも「さま」「ちゃま」を付けます。
●人に対して「あなたさま」とは言いません。
 これは、身分の低い者が高い者に用いることばです。
●「わたくし」と「さま」を使うと、自然に敬語を使うようになっていきます。

第四講 「ことのて」の結び
※「〜ですこと」「〜ですの」「〜していただけて?」

●言葉の語尾に「こと」「の」「て」を付けます。
●「こと」は、感嘆や質問、依頼の語尾に使います。
 「素敵な色ですこと」「お願い出来ますこと?」「まあ、素晴らしいこと」など。
 「こと」で結ぶには丁寧な言い方が必要となります。
●質問の「〜ますか?」は、代わりに「〜ますの?」。
 略式の相づちには「そうですの」。
●「て」は、主に敬語使いの語尾を省略して丁寧な親しみを表わす時に使います。

第五講 緩慢の術
●ただゆっくりと話すだけで、お嬢様らしくなります。
 相づちや返事などの反応にもたっぷりと「間」を取りましょう。
●否定の場合は、のらりくらりと曖昧にぼかします。
 「さようでございますねえ」「さようでございますか」と答えます。
●時と場合によってはテキパキと対応する必要もあります。
 相手と状況に応じて、速くもゆっくりも話せるのがお嬢様です。

第六講 「存じます」
●自分が思う場合には「思います」の代わりに「存じます」。
 「存じます」は、「思います」の謙譲語です。
●「ありがとうございます」の代わりに「ありがとう存じます」。
●「おめでとうございます」の代わりに「おめでとう存じます」。
●「ございます」は、「です」「ます」の丁寧語として使います。
●「存じます」は、「知っています」の代わりにも使います。

第七講 「さようでございますか」の法と「ええ、ええ」の禁
●相づちの基本は「さようでございますか」。
 同意の時も反対の時も「さようでございますか」。
●同意を強調するには「まことに、おっしゃる通りですわ」。
●否定を強調するには「さようでございましょうか」。
 断定的に「そうは思いません」とは言いません。
●お世辞を言われたら「恐れ入ります」と答えます。
●決して「ええ、ええ」「はい、はい」と重ねては言いません。
 「ええ」「はい」「まあ」「ふうん」などを、
 短い相づちとして自然に使うのはかまいません。

第八講 省略の禁
●話す時には、省略や短縮をせずに文章の終わりまではっきりと言います。
 「です」「ます」まで省略せずにきちんと言いましょう。
●場合によって、文尾を省略する方が柔らかい印象になることもあります。
 その場合も、省略するところまではっきりと同じ調子で言いましょう。
●新しい短縮語やカタカナの短縮語などは、あえて使わない方がお嬢様らしくなります。
●お嬢様は、気品はありますがファッショナブルとか粋な感じではありません。
 流行語は原則として使わないようにしましょう。

第九講 「おご」の冠
●名詞や形容詞に「お」や「ご」を付けると、お嬢様らしくなります。
 ただし、使い過ぎや誤った使い方には注意しましょう。
●自分に所属する物には、原則として「お」「ご」は付けません。
●「お」と「ご」は、動詞や形容詞に付けることで、
 尊敬語や謙譲語をつくりだす事が出来ます。
●名詞に付く「お」「ご」には、尊敬語と美化語があります。
●原則として、事物には「お」「ご」は付けませんが、
 相手に属する事物には尊敬語として付ける場合があります。
●尊敬語としてではなく、ことばを上品に使うために美化語として
 「お」「ご」を付ける場合もあります。
 男性も使う一般的な美化語とお嬢様らしい美化語があります。
●美化語よりも、尊敬語として「お」「ご」を多用します。
 話し相手はもちろん、第三者に属する事物や形容詞にもさりげなく付けます。
●「お」「ご」の付けにくい場合には、付けやすい他の言い方に変えます。
 一般的には、熟語は二つに分けて、音読みよりも訓読み、
 新しい言い方よりも古い言い方にすると「お」「ご」が付けやすくなります。

第十講 親しき仲にも敬語使い
●敬語を日常的に使えれば、お嬢様らしくなります。
 ただし、尊敬語と謙譲語を間違えないように気を付けましょう。
 丁寧に言うつもりで尊敬語を使うべき相手に謙譲語を使ってしまう事が多いようです。
●尊敬語をつくるには、原則として語尾に「れる」「られる」を付けます。
 しかし、受け身や可能の意味と紛らわしい場合があるので注意しましょう。
●語尾に「れる」「られる」を付けるよりも、
 「お〜になる」「ご〜になる」の方がお嬢様らしくなります。
●謙譲語をつくるには、原則として「お〜する」「ご〜する」とします。
●「する」を「いたす」「申し上げる」「させていただく」と変化させてみましょう。
●くどい言い方は、かえって品位を欠きます。
 二重敬語、三重敬語を避けてあっさりとした表現がお嬢様らしくなります。
●目上の人に敬語を使うのは当たり前。
 対等の立場の友人や目下の人、家族の間でも敬語を使いましょう。
 親しき仲の敬語使いでは、語尾を省略してくつろいだ雰囲気で話します。

第十一講 「ごきげんよう」と「あそばせ」の愉しみ
●「ごきげんよう」がてらいなく言えたら一人前です。
●「さようなら」の代わりに「ごきげんよろしゅう」と言ってみましょう。
●「こんにちわ」の代わりに、わざとカジュアルに元気良く言ってみましょう。
 手紙の結びなどにも使ってみまょう。
●「ごめんあそばせ」の「あそばす」は、「する」の最上級の敬語。
●「〜あそばす」や「ごめんあそばせ」を気取って言うと、嫌みかギャグになってしまいます。
 あえてカジュアルにかわいらしく言いましょう。
●「ごめんあそばせ」は、「ちょっと失礼」の意。
 「お許しあそばして」でもいいです。

第十二講 沈黙と微笑みの術
※何事も無く事が運べば、これまでの事で十分にお嬢様を演じられるはずです。
 しかし、お里が知れてしまうのは思いがけない「不意の遭遇」から。

●不意の遭遇では、とにかく沈黙するのがコツです。
 あわてずに、まず、二、三秒黙って深呼吸。反応はゆっくりと返します。
●「あら」と、三秒間途方に暮れていれば、誰かがどうにかしてくれるかもしれません。
 その後「恐れ入ります」「申しわけございません」と言えぱいいのです。
●どうしてもことばが見つからない場合には、沈黙のまま微笑んでいること。
 かわいらしい微笑みを忘れずに。


第二部 応用科

第十三講 丁寧な肯定と曖昧な否定の術
●丁寧な肯定と曖昧な否定が、お嬢様の返事方法の原則です。
●肯定の場合は、
 「さようでございます」
 「かしこまりました」
 「おっしゃる通りでございます」
 の三通りでほとんどの場合をカバー出来ます。
●友人同士なら、
 「さようでございます」の代わりに「そうですの」。
 「かしこまりました」「お引き受け申し上げます」の代わりに「よろしくってよ」。
 「おっしゃる通りでございます」の代わりに「おっしゃる通りだわ」。
●ただし、目上の相手の意見に賛成の場合は「わたくしもさように存じます」とは言いません。
●否定の返事は、どうにでも取れる言い回しである事が原則です。
 内容は曖昧でも、言い方はきちんと明確に。
●お嬢様の返事に対しては、はっきりとした肯定がなければ、すべて否定と受け取れます。
●肯定を曖昧にするか、否定を曖昧にするかという点が、普通の人とお嬢様のルールの違いです。

第十四講 大げさな誉めことばと婉曲的なけなしの術
※お嬢様の婉曲的なけなしには、ご注意!

●誉めことばは大げさに、けなしは婉曲的にするだけで、お嬢様らしさが漂います。
●一般には短所とされる事も、見方を変える事により美点としてとらえていくあり方が重要です。
●けなしことばに限らず、
 耳障りなことば、美しくない表現、粗雑なことばなどは、エレガントに言い換えます。
●お嬢様は、幼少の頃から興奮しないように教育を受けています。
 けなしのことばも声高に感情的には言わず、さりげない口調で平然と言いましょう。

第十五講 御所ことばを楽しむの術
●一般のことばの中に生き続けている御所ことばもあります。
●御所ことばの「省略」「重ねことば」「独特の言い換え」の術は、
 現代の流行語づくりにも通じるでしょう。
●「おみお付け」「おこうこう」「光りモノ」「おめもじ」「おぐし」なども
 御所ことばからです。
●お金に関する露骨な表現は避けるのが原則です。
 「高価な」は「むずかしい」。
 「安価な」は「低い」。

第十六講 実践の心得
◇実践の心得1
 「お嬢様ことばは、自分を高めるためではなく、相手を高めるために用いる」
●自分を高めてみせるためにお嬢様ことばを使うと、
 相手に不快感を与えて嫌われる事になりかねません。
●相手を高めるためにお嬢様ことばを使えば、
 結果として相手があなたを高く扱う事になります。
●自分の立場は相手がつくってくれると思っているのがお嬢様で、
 自分で自分の立場をつくろうと一生懸命になるのが小市民的な人です。

◇実践の心得2
 「お嬢様ことばは、自分を高めてみせるためではなく、落とさないために用いる」
●自分を卑下する事で相対的に相手を高めようとするのが、小市民的な人。
 自分の立場は動かさず相手を高めようとするのが、お嬢様。
●噂話や悪口、失礼な扱いに対しては、我関せず気がつかない振りが原則。
●答えたくない事を聞かれた場合は、
 1:逆に相手に聞き返す
 2:他の人の意見として申し述べる
●否定的な事に対しては自分の本音を言わないのが、お嬢様。

◇実践の心得3
 「お嬢様ことばにふさわしい話題を選ぶ」
●個人的な話題でなく、芸術や文化の話題がお嬢様ことばに似合います。
●お嬢様ことばでわがままや願いごとをすると、
 命令するような感じになってしまう場合があるので注意が必要です。
●「さわやかな甘えとかわいい笑顔、カジュアルなことば使い」が有効です。

◇実践の心得4
 「常に平静さを失わない」
●ゆっくりと穏やかに、声高にならないように気を付けましょう。

◇実践の心得5
 「照れずに自信を持ってお嬢様ことばを使う」


第三部 研究科 <<気品の定義>>
※ことばは、その人の内面を映すものであると同時に、
 その人の内面を変えていくものでもあります。

◇お嬢様ことばの意識のあり方1
 「自分と他人、物事を肯定的にとらえる。」

◇お嬢様ことばの意識のあり方2
 「相手の立場と位置を尊重する。」

◇お嬢様ことばの意識のあり方3
 「公私の区別を明確にする。」

◇お嬢様ことばの意識のあり方4
 「状況に応じた、的確な表現を試みる。」

◇お嬢様ことばの意識のあり方5
 「自分のことばに責任を持つ。」

●美しいことば使いが、美しい表情と気品あるたたずまいをつくりだします。
●「気品」とは、「ほほえみ」と「美しい表現」と「高い意識」が一体化しているもの。
●お嬢様ことばを身に付ける最大の効用は、
 気品に満ちた美しい顔立ちになることなのかもしれません。


第四部 資料編 <<お嬢様ことば小辞典>>

1.お嬢様らしい挨拶リスト
(1)出会った時
●ごきげんよう。
●ごきげんよろしくって?
●ごきげんよろしゅうございましたか?
●お暑うございます。
 お寒うございます。
●あいにくのお天気でございますね。
●今日はたいそう暖かですね。
●ご無沙汰いたしております。
●いつもお世話いただき、ありがとう存じます。
●はじめてお目にかかります。
●お会い出来まして、嬉しゅう存じます。

(2)別れる時、電話を切る時
●ごきげんよう。
●ごきげんよろしゅう。
●失礼いたします。
●失礼申し上げました。
●ごめんくださいませ。
●ごめんあそばせ。
●お邪魔いたしました。
●ありがとう存じました。

(3)お礼を言う時
●ありがとう。
●どうもありがとう。
●恐れ入ります。
●ありがとう存じます。
●まことにありがとう存じます。

(4)依頼する時
●恐れ入ります。お尋ねしてもよろしいですか?
●お願い出来ますこと?
●よろしくお願いいたします。
●まことに失礼かと存じますが。
●はなはだぶしつけではございますが。

(5)失礼をわびる時
●ごめんあそばせ。
●お許しあそばして。
●恐れ入りました。
●失礼いたしました。
●ご無礼いたしました。
●申しわけございません。
●お詫び申し上げます。

2.お嬢様らしい返事リスト
(1)あいづち
●さようでございますの。
●そうですの。
●おっしゃる通りですわ。

(2)相手の意見に同意する時や、依頼を引き受ける時
●さようでございます。
●かしこまりました。
●お引き受けいたします。
●よろしくってよ。
●おっしゃる通りでございます。
●わたくしもさように存じます。

(3)相手の意見に反対の時や、依頼を断る時
●さようでございましょうか。
●さあ、むずかしいことで。わかりかねますわ。
●不本意な結果になるかもしれなくってよ。
●よく考えておきますわ。
●チャンスがございましたら。
●わたくしには合わないかもしれないわ。
●さあ、どうだったかしら。忘れてしまったわ。
●何のお話だったかしら。
●お役に立てないかもしれません。あまりあてになさらないで。
●そういうお考えもありますのね。
●お好き好きでございますから。

3.お嬢様らしい誉めことばリスト
※素敵だなと思ったら、すぐ口にしましょう。
 たとえ素敵だと思えなくても、
 どこか素敵なところを探して必ず何か一つは誉めること。

(1)容貌を誉める
●美しいおぐしでいっらっしいますこと。(髪が美しい)
●おみ足が美しくていらっしゃる。
●お顔立ちがおよろしくて。
●清らかな面立ちでいらっしゃること。
●ほっそりとしていらっしゃるのね。
●ふくよかでいらっしゃる。
●色白でいらして。
●きれいにお焼きになっていらして。
●お姿が麗しいお方ですこと。
●すらりとお美しくいらっしゃいます。

(2)ファッションを誉める
◇洋服を誉める
●素敵なお召し物ですこと。
●いつも良い物をお召しになられて。
●お仕立てが良くって。
●素敵な色合いですこと。
●ファッショナブルでいらっしゃること。

◇似合っていると誉める
●よくお似合いになっていらっしゃるわ。
●おしゃれでいらっしゃること。

◇最上級の誉め方
●素敵なお召し物がよくお似合いで。
●良い物が素敵にお似合いで。

(3)性格を誉める
●気だてが良くていらっしゃる。
●お優しいこと。
●よくお気がつかれる。
●活発でいらっしゃる。
●おうようでいらっしゃる。
●奥ゆかしくっていらっしゃる。

(4)頭がいいと誉める
●利発でいらっしゃる。
●聡明でいらっしゃる。
●知的なお振る舞いをなさいますこと。
●的を得たお考えですこと。
●おつむがよくっていらっしゃる。
●たいそう優秀なお方でいらっしゃる。

4.お嬢様らしいけなしことばリスト
※短所とされる事の中にも美点を見い出そうとするのが本来の立場です。
 第三者が言っているという形で自分の苦情を表現する方法もよく用いられます。

●[無礼な人]→「はっきりしてらして」
●[いばっている]→「自信がおありで」
●[ずるい]→「世渡りにたけていらっしゃる」
●[けち]→「合理的な事に徹していらっしゃる」
      「贅沢な事がお嫌いなの」
●[のろま]→「おっとりしていらっしゃる」
●[うるさい人]→「いつもお元気そうで」
●[太っている]→「ふくよかでいらっしゃる」
●[貧相な人]→「お目立ちになる方ではいらっしゃらない」
●[気が利かない]→「おっとりしていらっしゃる」
●[だらしがない]→「頓着がないお方ですから」
●[趣味が悪い]→「個性的な装いをなさる方で」
         「お地味なご趣味でいらして」
         「お派手なご趣味でいらして」
●[意地悪]→「悪意はおありにならないのでしょうけど」
       「お気だてに難がおありで」
●[仲がよくない]→「わたくしとはいまひとつそりが合いませんで」
●[嫌い]→「わたくしは苦手なのでございます」
      「たくさんはいただけません」
●[頭が悪い]→「のんびりしていらっしゃる」
        「お人はよろしいのですけれど」
●[いやな奴]→「あまり良くおっしゃる方はいないみたい」
        「ほかのお方にお聞きになって」
●[(味が)まずい]→「みなさま、お残しになっていたわ」
●[ひどい目にあった]→「みなさま、お困りでした」

5.耳障りなことばのエレガントな言い換えリスト
※けなしことばでなくても、耳障りのよくないことばはできるだけ美しい表現に変えます。
 「とても」は、否定をともなう場合に使います。
 どうしても変えられないものは、「反意語+ない」で表します。
 相手や第三者に対して、出来ないとか分からないという表現はしません。

●[頑張ります]→「全力を尽くします」
         「ベストを尽くさせていただきます」
●[頑張ってね]→「しっかりね」
         「ご成功をお祈りいたしますわ」
         「ご健闘をお祈りいたしますわ」
●[面倒くさいので]→「時間がとれませんので」
           「手がかけられませんので」
●[だめ]→「よろしくない」
      「なさらないほうがよろしいわ」
      「苦手ですの」
      「わたくしには難しいわ」
●[全然]→「あまり」
      「ほとんど」
      「まったく」
●[ちょっと]→「少々」
●[とても]→「たいそう」
       「まことに」
●[悪い]→「よろしくない」
      「お勧めしませんわ」
●[くさい]→「芳しくはございません」
●[ぐちゃぐちゃ]→「すっきりとしていませんこと」
●[(他人が)持っていない]→「お使いにならない」
               「お持ちにならないご主義なの」
●[(他人が)できない]→「なさらない」
             「なさるお気がない」
             「むしろ、〜の方がお得意なの」
●[(他人が)わからない]→「関心をお持ちでない」
              「ご興味がない」

6.最低限抑えておきたい敬語リスト
(1)言う
〔尊〕おっしゃる…「そうおっしゃられても。困りましたわ。」
〔謙〕申し上げる…「先ほど、申し上げましたように。」
〔謙〕申す…「父も、さように申しておりました。」

(2)する
〔尊〕なさる…「お紅茶になさいますか?」
〔尊〕あそばす…「お決めあそばした?」
〔謙〕いたす…「お紅茶をお持ちいたしましょうか?」
       「感激いたしました。」
〔謙〕させていただく…「わたくしからご紹介させていただきます。」
〔謙〕申し上げる…「わたくしがご案内申し上げるわ。」

(3)いる
〔尊〕おいでになる…「ご主人様はおいでになりますか?」
〔尊〕いらっしゃる…「お嬢様はおいくつでいらっしゃるの?」
〔謙〕おる…「その日は、一日、病院におりましたの。」

(4)行く、来る
〔尊〕いらっしゃる…「夏休みはどちらにいらっしゃたの?」
〔尊〕おいでになる…「あら、詩織さまがおいでになったわ。」
〔尊〕お出ましになる…「どちらに、お出まし?」
〔尊〕お見えになる…「その日は、ナリハラ博士もお見えになるのよ。」
〔謙〕まいる…「様子を見てまいりましょうか?」
〔謙〕うかがう…「明日うかがってもよろしいかしら?」

(5)聞く
〔尊〕お聞きになる…「あちらの交番でお聞きになって。」
〔謙〕うかがう…「ご意見をうかがってもよろしいかしら?」
〔謙〕承る…「母に代わって、わたくしが承ります。」

(6)思う
〔尊〕お思いになる…「おとうさまは、どうお思いになるかしら。」
〔尊〕思し召す…「真奈美さまは、どう思し召しまして?」
〔謙〕存ずる…「そちらでよろしいかと存じます。」

(7)知っている
〔尊〕ご存知…「おかあさまは、ご存知なの?」
〔謙〕存じ上げる…「わたくし、存じ上げなくて。」

(8)もらう
〔尊〕おもらいになる…「先生に選んでおもらいになることよ。」
〔謙〕いただく…「レイさまにお教えいただきましたの。」
〔謙〕頂戴する…「西園寺さまから頂戴した梨がございますの。」

(9)見る
〔尊〕ご覧になる…「新しい作品、ご覧いただける?」
〔謙〕拝見する…「ぜひ拝見させていただきたいわ。」

(10)あげる、くれる
〔尊〕くださる…「わたくしにも紹介してくださらない?」
〔尊〕おあげになる…「ご子息に何でもおあげになるそうよ。」
〔謙〕差し上げる…「綾波さまにもご紹介して差し上げたら?」

(11)食べる、飲む
〔尊〕召し上がる…「お昼は召し上がった?」
〔尊〕お飲みになる…「ワイン、お飲みになる?」
〔謙〕いただく…「ええ、いただくわ。」
〔謙〕頂戴する…「たまには、コーヒーを頂戴したいわ。」

(12)着る
〔尊〕お召しになる…「いつも、よい物をお召しになって。」
〔謙〕着させていただく…「失礼してコートを着させていただきます。」

(13)会う
〔尊〕お会いになる…「この方にお会いになっていただきたいのですが。」
〔謙〕お目にかかる…「おとうさまが、お目にかかるそうです。」

7.一般的な会話文の例
◇〔小市民の会話〕
(1)
「あの、ちょっとすみません、王宮へはどう行ったらいいんでしょうか?」
「えっ?王宮ですか?ちょっとわかりません。
 あ、あそこのお店で聞いてみてください。」
「はあ、どうもすみません。」

(2)
「この度はおめでとうございます。
 これ、つまらないものですけれど。」
「まあ、すみません。あら、わたし、これ欲しかったんですよ。
 どうもありがとうございます。」

(3)
「あら、夕子じゃない、どこ行くの?」
「また面接。もうボロボロ〜。」
「そっかー、頑張ってね!」

(4)
「お正月は、どうしてたのですか?」
「それが、ハワイに行ったんですけど、飛行機が遅れてまって
 さんざんな目にあったんですよ、もう。」
「まあ、そうですか。でも、お正月にハワイなんていいですね。
 うちなんて、主人の実家ですもの。うらやましいですわ。」

◇〔お嬢様の会話〕
(1)
「恐れ入ります。お尋ねしてもよろしいでしょうか?
 王宮はどちらにございますかご存知でいらっしゃいますか?」
「申しわけございませんが、存じませんの。
 あちらのお店でお聞きになられたらいかがでしょうか?」
「ありがとう存じます。失礼いたしました。」

(2)
「この度はおめでとう存じます。
 こころばかりの品ではございますが、お納めくださいませ。」
「まあ、ありがとう存じます。
 求めたいと思っていたところで、うれしゅうございますわ。」

(3)
「あら、夕子さま、どちらにお出まし?」
「また、面接ですの。もう、疲れましたわ。」
「そうですの。ご成功をお祈りしますわ。」

(4)
「お正月はどうなさいましたの?」
「ハワイにまいりましたの。
 でも、飛行機が遅れて皆さまたいそうお困りでしたわ。」
「まあ、さようでございましたか。
 でも、ハワイはおよろしいでしょう。
 うらやましいこと。」


【お嬢様の三大ことば】
@『恐れ入ります』
A『存じます』
B『ごきげんよう』

−おしまい−


※参考文献
『お嬢様ことば速修講座』
 <<加藤るみ子 ディスカバー21 ワンブックス>>

(実は、参考文献というより、この本のサブタイトルをまとめて表現を少し変えただけです。
 だから、著者や出版社に知れたら怒られちゃうかも。(苦笑)
 ・・・なので、
 「とっても読みやすくて実践的だから、興味のある人は読んでみてはいかがでしょうか」と
 フォローの宣伝を一応しておきましょう。(笑))
−以上−
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