「おまえかよ!」
府中で友人がターフに向かって叫んだ。
私は新聞で番号を追った。
「善臣の最終はいつも気を付けてんのに」
へぇ、そうなんだ。
初めて行った競馬場。
バンブービギンが勝った菊花賞の日だった。
私はまだ全然わからなくて、ダービーを勝っているし、
騎手がV宣言しているスポーツ紙をのぞき見て、
ウイナーズサークルから買っていた。
もう一度善臣を認識したのはそれから4ヶ月後、ホクトヘリオスの中山記念。
最後方から真っ白い馬体が飛んできてゴール板を真っ先に駆け抜けた。
それだけでもカッコいいのに、そのジョッキーが馬首をポンポンッと叩いて
力強くガッツポーズをした。
カッコイイ!!
柴田善臣は関東の若手NO.1だそうな。
あれから10年。
初のG1勝利を見ることが出来た。
結婚報道に衝撃を受けた。
いつのまにか善臣は3人の子供がいる中堅ジョッキーだ。
今にして思うとどうしてこんなに熱く応援しているのか、
自分でもわかんなくなっちゃってる。
でも、何かに、誰かに熱中するっていい。
善臣のファンだからこそ味わえた感動がいっぱいあるよ。
同じ時代に生きて、応援できることを嬉しく思います。
だから身体に気を付けて長く一線で活躍して下さい。
そして・・・
重賞で一番人気を裏切らないでくれたまえ。