かけら

99.11.28 up

 
0と1の繰り返し
この 電子の記号の流れの中に
無限に広がる 作りものの世界に
あなたを探すことは 無意味なのかもしれない
綴られた 言葉の中に
あなたを見つけることは 不可能なのかもしれない
 
いくら目を見張っても
いくら耳を凝らしても
いくら手を伸ばしても
 
決して 触れることはない
あなたの呟きは 聞こえてこない
 
掴まえることは 出来ないのだと
最初から分かりきっているのに
 
それでも この広大な偽りの繋がりの中を
漂わずにはいられない
 
どこかに ただ一欠片でも 落ちているかもしれない
あなたの 心を
求めて
 
触りたい その胸を切り開いて
この手のひらに 抉られた心の傷を感じさせて
あなたを 感じさせて
 
儚い 望みだと
無駄な徒労だと
そんなことは分かりきっている
分かりきっているのに
 

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