UNIXの基礎知識
パーミッション編

このページでは UNIX の基礎知識として、パーミッションについて記述しています。
システム管理者ではなく、一般ユーザー向けの記述となっています。
システム管理者は、ファイルのグループは必ずしもファイル所有者が属するものではないという事を忘れないようにしてください。

パーミッションて何！？
- パーミッションを簡単に説明すると、ファイルまたはディレクトリの属性です。
  ※ディレクトリ＝フォルダ
- ここで言うファイルの属性とは、ファイルに許可された『読む』『書く』『実行する』権利の有／無を指します。
- この属性は、ファイルまたはディレクトリの所有者、所有者と同じグループ、他グループの単位での設定が可能です。
- UNIX では、どのファイルまたはディレクトリにも必ず属性がついています。
読む権利って何！？
- 読んで字の如くファイルの内容を読む事が出来る／出来ないを決める属性です。
- ファイルを読む権利が無くてもファイルネームを表示する事は可能です。
- ディレクトリに読む権利が無い場合は、そのディレクトリに移動できません。
書く権利って何！？
- 読んで字の如くファイルの内容を修正する事が出来る／出来ないを決める属性です。
- ディレクトリに書き込む権利が無い場合は、そのディレクトリ内では新規にファイルを作成する事ができません。
- 書く権利が無い場合は、ファイルまたはディレクトリの削除はできません。
実行できる権利って何！？
- 読んで字の如くそのファイルを実行する事が出来る／出来ないを決める属性です。
- 実行する権利を有効にするには、読む権利も必要です。
  これは、ファイルを一旦読みこんでから実行する為です。
ファイルまたはディレクトリの所有者って！？
- 読んで字の如くそのファイルまたはディレクトリの持ち主です。
- 通常、そのファイルまたはディレクトリを作成した人が所有者となります。
- 通常、ファイルを修正しても所有者は変更されません。
所有者と同じグループ！？
- 読んで字の如くユーザが所属するグループです。
  UNIX には、ユーザを個別に認識するユーザーネーム（ログインネーム）と、ユーザが所属するグループ（グループネーム） があります。
  ※厳密に言えばファイルまたはフォルダ所有者が所属しないグループを設定する事もできますが、今の段階でそれを覚える必要はありません。
- パーミッションの設定は、ファイルまたはディレクトリに設定されたグループに所属する人に対して各権利を与える／与えないを設定する事ができます。
ファイルまたはディレクトリには必ず属性がついている！？
- 読んで字の如く必ず属性がついています。

属性の見かたは！？

属性を見る方法は使っている環境とツールによって異なりますが、基本的に telnet も ftp も『ls -l』コマンドにて確認できます。
※ffftp では『属性』欄に表示されます。

パーミッションの表示とその見かた

以下に ls -l コマンドの実行結果を記載します。

% ls -l
total 4
-rw----r--  1 raelian  wheel  2197 Aug 29 13:44 index.html
-rwxrwxr-x  1 raelian  wheel   144 Aug 29 13:45 test1.cgi*
drwxrwxrwx  6 raelian  wheel   512 Jun 22 18:46 cgi-bin/
%

『raelian』がファイルの所有者で『wheel』が所属グループです。

左端に表示されている『-rw----r--』が index.html のパーミッションで、『-rwxrwxr-x』が test1.cgi のパーミッションを表していいます。

ｒ　は読む権利がある事を表します。
ｗ　は書く権利がある事を表します。
ｘ　は実行する権利がある事を表します。
上の表示のように、１０桁でそのファイルについたパーミッションを表しています。その内訳は以下の通りです。

左から

１桁目	２～４桁目	５～７桁目	８～１０桁目
ファイルかディレクトリかを表します。ディレクトリの場合は『ｄ』と表示されます。	ファイル所有者の権利を表します。	グループに所属するユーザの権利を表します。	グループに所属しないユーザの権利を表します。

つまり、ファイル index.html のパーミッション『-rw----r--』は、

所有者＝読み書き可、実行不可
wheelグループに所属するユーザ＝読み書き実行全て不可
wheelグループに所属しないユーザ＝読み可、書きこみと実行不可

である事を表しています。

パーミッションの変え方は！？
- chmod コマンドで変えます。
  
  ２進数に強い人は chmod 756 index.html などとコマンドを叩いてみてください。
- ２進数に強くない人は以下の例を参考にしてください。
  - 所有者に読み書き実行権を与える
    
    % chmod u+rwx index.html
  - グループ所属ユーザに読みと実行権を与える
    
    % chmod g+rx index.html
  - グループに所属しないユーザーから実行権を削除する
    
    % chmod o-x index.html
  ※ファイルまたはディレクトリの所有者及びグループは、通常 root（システム管理者）以外は変更できないと考えるのが一般的です。
おまけ：CGI とパーミッションについて

プロバイダの一部は CGI をユーザと同じ ID で実行する設定にしてありますが、他の多くのプロバイダでは、ユーザとは異なる ID・異なるグループで CGI を実行させるようにしています。

つまり、
- CGI ファイルを実行させるの為に chmod o+rx する必要があります。
- CGI がファイルを新規に作成するタイプであれば、ファイルを作成するディレクトリに chmod o+rw する必要があります。
プロバイダが CGI の実行をどのユーザで行っているのか公表していない場合でも、CGI で新規にファイルを作らせて、そのファイルを ls -l にてユーザとグループを確認すれば調べられます。

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(raelian@din.or.jp)

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