大澤 武司
(Dr. OSAWA Takeshi)



 


熊 本 日 記
(2011年5月)

................................................................................................................................................................
□2011年5月31日(火) 「廖承志集団」...

 学会のニューズレター刊行も終え、執筆者会議も乗り越え、大部の書評も片づけたので、とりあえず本業の档案読みに戻る。当面の作業は6月18日に東大駒場で予定されている「廖承志集団研究会」の報告準備。「事例」担当ということで、いままで調査・収集してきた档案を「別の角度」から総ざらい。

 3月下旬に収集済み档案をすべて再確認してファイリングしておいたのが奏功した。20冊余りにおよぶ中国外交部档案日本関係文書コレクションは読めば読むほどに新しい発見がある。

 降り注ぐ火の粉は振り払うのみ(ケンシロウ風)。

コメントトップ



□2011年5月30日(月) 創立記念日

 「語専」創立69周年。ちょうど今週は東洋史概論で日清戦争を話すこともあり、「語専」創立時の名誉校長「安達謙蔵」について少し調べる。別件で「語専」創立に関する文章を頼まれているので、少しずつ調べ進めなければならないという現実的な理由もある。いうまでもなく、絡みは「閔妃暗殺」である。

 とはいえ、ほぼ終日動けないまま終わる。2日間ぶっ通しの執筆者会議は37歳の「老躯」に相当応えたようだ。いまだに頭のなかを高原先生と服部先生の横顔がぐるぐるまわっている...。

 とりあえず書評原稿を送り出してダウン。

コメントトップ



□2011年5月28日(土) 執筆者会議

 戦後日中関係通史の執筆者会議参加のため東京へ。2日間で全16章を検討する長丁場。私の担当は第1章「前史」。1945年から1971年までを2万字で語るのは難題だが、歴史に残るであろう事業であることを考えると、とにかく名誉な任務である。

 新進気鋭の若手研究者が綺羅星のごとく並ぶ会議室。日中国交正常化後については、表面的なフォローしかしてこなかったので、極めて内容の濃い勉強時間となる。ネタバレはまずいので、会議の話はこのあたりまで。

 終了後は近くの中華料理「頤和園」にて懇親会。その後は「さか枝」仲間の先生と「サラリーマンの街」新橋にて2次会。とりあえず無事に報告の大任を終えることができ、安堵して眠りにつく。

コメントトップ



□2011年5月27日(金) はやくも春学期の折り返し

 必修の「国際社会と日本」。温家宝首相訪日と金正日将軍訪中を絡めながら時事講釈。「国際連合」のシリーズが終了。履修者数270名。出席は220名程度か。目立った私語もなく、出席率も高止まりしており、なかなか関心。

 午後は「現代中国の政治」。今年は講義形式をやめ、ゼミ形式にしている。年度末に頂いた国分良成先生の『中国は、いま』(岩波書店、2011年)を教材にしている。読みやすく、学生に好評である。今日は小嶋先生の「下からの異議申し立て」。

 ゼミの方で「中国の労働事情」をやっているので、ちょうどシンクロして理解が深まってきたようだ。

コメントトップ



□2011年5月26日(木) 嵐の前の静けさ?

 「ざわわ、ざわわ」とあちこちで木々が揺れ動く。急に情報の流れも慌ただしくなってきた。研究に専念しようと身を削って講義を減らしたのだが、元の木阿弥か。ある先生から業務過重を心配するメールをいただく。

 学科パンフレットの表紙案があがってくる。昨年に勝るとも劣らない良い出来。各方面の意見を徴集しながら、最終決定の足場を固める。どうせやるなら楽しみたいものだ。

 午後は卒論ゼミ。

コメントトップ



□2011年5月25日(水) モンドセレクション?

 4時頃眼が覚め、そのまま書斎にて書評を執筆。台湾時代の友人から同窓会の誘いが来る。メールは便利。案内を弟に転送すると、ベルギーから返信がくる。「モンドセレクション」の授賞式に参加するため欧州出張中とのこと。

コメントトップ



□2011年5月24日(火) 再び匍匐前進

 終日、早朝から研究室で書評の執筆を進める。要約だけでもひと苦労。というよりも、要約するだけで精いっぱい。なんとか4分の3ほど終える。

コメントトップ



□2011年5月23日(月) 少しずつ

 東洋史概論Tは洋務運動まで。洋務運動再評価と革命中心史観/実事求是史観など。改革開放と重ね合わせて講ずることで、学生の興味を喚起する。本年度も大教室講義は静か。ほとんど目立った私語はなく、ようやく「教育効果」などに思いを致すことができる。

 学会のニューズレター編集を終える。学会事務センターに一斉配信を頼む。

コメントトップ



□2011年5月21日(土) アジア政経学会東日本大会

 「廖承志集団」研究会のプロジェクトリーダー王雪萍先生(東京大学)がご報告されるアジア政経学会東日本大会に参加。獨協大学は初めて。東武線の地下鉄乗り入れが複雑なのをはじめて知る(もともと小田急線が千代田線になるのぐらいしか知らない)。

 今回のご報告は、現在、研究会が進めている体系的研究の序説ともいえる「廖承志集団」の全体像について。8年前に神田外語大で開かれたアジア政経学会東日本大会で初めて「三団体方式」に関する学会報告をした時のことを鮮明に思い出した。

 1950年代における「民間」とは。廖承志や対日政策機関のスタッフは対日政策の決定に関与し得たのか否か。結局のところ「積み上げ」とは何だったのか。「友好」なのか「浸透」なのか。

 近年は中国外交档案の公開も進み、ようやく事例研究も少しずつ進展してきた。「最先端」とは言わないが、「建国初期中国の対日外交」というテーマで仲間たちとワイワイできるのは、何よりも楽しい。「形」にすることを目標に据えて、熊本に帰ったらもう一度少し違った角度から档案をひっくり返さなければ...。

コメントトップ



□2011年5月19日(木) 恒例の...


撮影会@学園大

 早くも3度目の学科パンフ担当。プロのカメラマンに表紙撮影をお願いした昨年度はすこぶる好評だったので、今年も踏襲。晴天に恵まれ、学内の緑もちょうど濃くなり、最高の撮影日和。一応、私もカメラ好きなので、事前に学内の撮影スポットを選定してみたのだが、やはりプロはプロ。素人の私がまったく想像もできなかった角度から最高のシーンを切り出してくださった。

 ちょっとしたサプライズも予定しているので、出来上がりを乞うご期待。

コメントトップ



□2011年5月16日(月) ひさしぶりに

 講義と演習。特に演習は4年目ということもあり随分と形になってきた。

 夜は「のぶやす」にて「勉強会」。互いにカラオケ好きということが判明し、二次会は「オジサン」二人でなぜか「保田窪」で異様に盛り上がる。懐かしの曲も多く、高校時代に戻ったかのよう。

コメントトップ



□2011年5月14日(土) 匍匐前進

 新年度となりすでに1か月がすぎようとしているが、なかなか落ち着いて仕事に向かい合うことができない。インフルエンザで出端を挫かれたのが大きかったが、その後も諸々の「憂い」があった。その証拠に、熊本日記の更新も珍しくほったらかしに。

 「書評」は苦戦。しかたがないので「泣きを入れ」少し時間をいただくことに。多少ゆとりができたので、とにかく今日は学会のニューズレター編集を一気に片づける。少し気分的に楽になった感じ。もっとも、来週からは5週連続の週末東京出張...。

コメントトップ



□2011年5月10日(火) 気分転換


五月雨の杖立温泉

 ひと通り仕事を終え、なぜか土砂降りのなか愛車を駆って杖立温泉へ。あるサイトから無料宿泊券を頂いていたので、連休明けに一人で執行(父親失格) 。残念ながら名物の「鯉のぼり」はすでに片づけられていたが、杖立川を挟んでビッチリと並ぶ温泉宿は、いかにも由緒正しき「温泉街」といった風情。

 今回は「やまがや」さんにお邪魔させていただいた。とにかく書評の締め切りが迫っているので、あわよくば少しは集中して筆がすすめばという思惑も。平日なので「入湯さん」以外のお客さんもなく、川のせせらぎを聞きながら、「無料」が申し訳ないぐらい良いお湯を堪能させていただいた。

 某サイトでもお料理が美味しいことで有名なお宿だが、まさに口コミに違わぬものであった。料理はもちろん部屋出し。御年81歳になられる、お肌つやつやのおばあちゃんがアツアツのお料理を次から次へと運んでくれる。恐縮することしきりだが、何ともゆったりとした時間が流れる。

 <五月の御献立>

食前酒 自家製梅酒
先 附 葉山葵お浸し、蕨豆腐、たらの芽白和え
吸 物 若竹豆腐清まし
造 り 海鮮盛り
蒸 物 地卵茶碗蒸し とろろ餡かけ
蓋 物 甘鯛若竹蒸し
お 鍋 小国黒豚塩とんこつ
焼 物 鰤西京焼き
お召し ご飯 馬じゃが
口納め ごぼうプリン

 香りの良い梅酒を舐めつつ、初夏の「山の香」を味わう先附を堪能。「豆腐」と名づけられたタケノコやワラビの「ふわふわ」は繊細な味わい。アツアツの茶碗蒸しと甘鯛の「炊いたん」。タケノコの香りがたまらない。塩とんこつは「黒コショウ」が決め手。インパクトがありながらも、深い味わい。そして、最後の最後にご飯と香の物と一緒に出てきた馬肉の肉じゃが。じっくりと味のしみた「おばんざい」に完全にノックダウン。

 結局、お酒が進んでしまい、書評は3分の1まで(こうして追いつめられていく)。デザートは有名な「杖立プリン」だが、「ごぼう」と「イチゴ」の組み合わせはまさにエリカさん言うところの「神」である。

 雨の音を聞きながら、深い眠りに落ちる。

コメントトップ



□2011年5月9日(月) 仕事に対する姿勢

 大学人としていかにあるべきか。いろいろと考えさせられる連休だった。

コメントトップ


Copyright(C)1995- OSAWA Takeshi. All Rights Reserved.
(ポップアップ・メールのアドレスは@が#に変更してあります)