大澤 武司 (Dr. OSAWA Takeshi)
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研 究 日 記 (2004年11月)
□2004年11月20日
「火中に栗を拾った」のか、「災い転じて福となした」のか。原潜問題の結果、中国は表面上は日中首脳会談に「臨まざるを得ない」状況に追い込まれた。靖国問題をめぐり国内世論は依然として「反日・反小泉」色が強いが、今次、米中会談に続き、日中会談が開催されることの歴史的意義は大きい。本問題について北京大学の著名な教授と簡単なディスカッションをする機会に恵まれたが、あくまで中国側の評価は「偶発的な事件」というものだった。中国の目指す「積極外交」の行方から目が離せない。
□2004年11月14日
坂野良吉教授(上智大学)との共同執筆論文「中共党史の展開と胡喬木――『中国共産党的三十年』から『中国共産党的七十年』へ」(『上智史学』第49号、2004年)69-130頁が刊行されました。
□2004年11月13日
潜水艦問題を機に日中資源摩擦をあおる論者が多い。個人的には、あくまで日本政府の真意を探る為の中国側の「ブラフ」だと考えている。軍事的な挑発に対する日本政府の対応。特に実務レベルにおける処理姿勢を確認することで、ブッシュ再選後しばらく継続するとみられる小泉政権の対中「真意」を見極めようとするものだろう。今後4年間は中国にとって重要な時機である。その「真意」が資源獲得という短絡的なところにあるとは思われない。冷静で、長期的かつ戦略的な対応が求められるだろう。当該地域の地下資源共同開発を軸に、より協力的な関係が構築できないものか(むろん、その「所属」についてはつっこんだ議論が避けられないだろうが)。
□2004年11月9日
先週から国会図書館の憲政資料室に通っている。対日理事会議事録やGHQ/SCAPのG3セクションのロシア関係ファイルを検索している。1946年12月19日に成立した日本人送還に関する米ソ協定の交渉過程を確認することが目的である。第一次史料をはじめ、関係者の回想録や旧ソ連公開文書を利用した研究業績などを利用することでなんとか再構成ができそうだ。
忙しいのを理由に語学の学習をさぼってきたが、後々ボデイーブローのように効いてくるだろう。ちゃんとやっておこう。
□2004年11月1日
男30歳。考えさせられることの多い仙台行だった。気持ち新たに自分の研究に集中しよう。
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