2月25日
 マイケル・ブラムライン「器官切除」(白水社)を読み終えました。短篇集です。かなりエグイと聞いていたので覚悟していましたが、タイトル作では気持ち悪くなってしまいました。(その一方で評価されてるというのはよくわかる)訳者あとがきから察するに、わたし自身は肉体への妄想はほとんど持っていないけど、その見方はかなり異なるのでつらい。恐ろしいほどの現代性を持っていて、視点が異なるつらさはあるにしても、やはり惹かれるものが存在します。個人的には休暇で訪れた地で主人公が得たものを描いた「暖かさの約束」と医者と看護婦の間の静かな愛を描いた「そのもの」が気に入っています。

 本日発売のSFマガジン4月号には「SFファンのためのインターネット・ガイド」が掲載されていますが、タイミングとしてはちょっと遅かったという感じを受けました。


2月24日
 地元の古本屋でH・G・ウェルズ「ウェルズSF傑作集1」(創元推理文庫)を購入。もう1冊購入しましたが、これはDASACONのオークション用なので内緒。探している人がいると聞いている本なんですけど、なんか縁のある本です。目当てのゲーテには相変わらず出会えません。ついでに「もののけ姫」のシングルをレンタルで借りてきました。これは先日、カラオケに行った際に今度歌ってくれとのリクエストをもらったからです。(男性が歌った方がインパクトあると思いますが)譜面が付いていると、曲を覚えやすいです。


2月23日
 渋谷のタワーレコードまで行ってベルクの歌劇「ヴォツェック」のLDを購入。20日に迷って先送りにしたのですが、今週末は時間が取れそうなので購入しました。97年に日本公演も行われたパトリス・シェロー演出による舞台ですが、ラストシーンにおける印象の散漫さが気になっていました。舞台評では舞台機構に問題があったからという指摘もあり、それを確認する意味でも現地での上演を見ることにしました。あと先週、パトリス・シェロー演出の「ワルキューレ」のLDを見ていて、「ヴォツェック」をもう一度見たくなったというのもあります。
 今月は予想外にクラシックのCDを購入してしまったので、一度聞いてみたいと思っていたLANA LANEの新譜を買う資金がなくなってしまった。来月は買うべきLDが2枚あるので、無理かもしれない。

 今日、気がつかなかったという書き込みが多かったので(笑)、ここに書いておきます。掲示板を設けました。感想や疑問、質問などご自由にお使いください。


2月22日
 ゲーテの本を探しに寄った古本屋でジョン・ヴァーリィ「スチール・ビーチ(上下)」(ハヤカワ文庫SF)を購入。本ってこの作家が読みたいと思うと、品切れだろうが目の前にでてくるものなんですかね。


2月21日
 赤木かん子「かん子のミニミニマンガ入門」(リブリオ出版)を読み終えました。この本、前に一度図書館でざっと読んで、もう一度ゆっくり読み返したいと思ったもののなかなか棚に戻ってこない。今日、やっと見つけました。
 漫画は全部悪いと思われているけど、いいものだってあるんだよ!という視点で作品を紹介している本です。実際、わたしも小学生の頃、漫画禁止でした。さすがに借りて読むということはしていましたが(そういえば「ベルサイユのばら」の2巻は確か友達からもらった。ルイ15世が天然痘になるシーンが嫌いだとかいって)、小学校高学年になると隠れて買うようになりました。中学生になって漫画を持っていることが親にばれて、すごく怒られました。でも、読むのはやめなかったけど。
 この本でわたしが面白いと思ったのは戦後の日本社会の価値観、その中で生み出された児童文学、そして、児童文学では果たせなかったものが漫画の中にあると言っている部分です。前に図書館でざっと読んだときに、まるで自分のことを言われているようだと思った文章を引用します。
 いままで本が大好きだった子が中学に入ったら急に漫画を読み出して……とボヤく親御さんが時々いらっしゃいますが、逆なの。
 その子は本が読める子だからマンガに走ったのよ……。
 だって活字には、そのレベルがないに等しいのだもの。
 そりゃあT古典Uはあるけどさ、いつもいつもT古典Uばっか読んでらんないでしょ、いまの本だって読みたいし。
となるとマンガ読むしかないのよね。
 親からは「いつまでたっても漫画読んで」って顔されています。別にいいんだけどさ(笑)
 こんな本を読むとまんが喫茶にいって、昔読んだ漫画を読み返したくなります。最近は手っ取り早い方法として、古本屋で立ち読みしていますが。

 昨日買ってきたワルトラウト・マイヤーの歌曲集の対訳を読んでいたら、ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」が急に読みたくなってしまった。古本屋で探さないとダメなんろうなあ。


2月20日
 ジョン・ヴァーリィ「へびつかい座ホットライン」(ハヤカワ文庫SF)を読み終えました。原書は1977年の刊行で、邦訳は1986年なんですが、なぜか今までわたしが触れてきた日本のSF作品と重ねつつ読んでいました。主人公がクローン技術で何度も再生させられる部分は萩尾望都「銀の三角」を思いだし、太陽系のさまざまな惑星や衛星が出てくるあたりでは「カウボーイビバップ」を思いだし、という具合。  裏表紙に書かれているあらすじまで物語がなかなかたどり着かないこともあって、ちょっと前半はつらいのですが、ジョン・ヴァーリィの小説は今とは違った価値観を持つ未来世界に触れているだけで楽しめる部分があります。(って、これはもしかしたらウィリアム・ギブスンと共通しているかも)これを読んで一番感じたことは、70年代のSFが一番好きなんじゃないかということでした。

 久しぶりに渋谷、早稲田、秋葉原とまわったものの、早稲田の古本屋でこれ!という本にはぶちあたらず、結局CDを3枚(ワルトラウト・マイヤーの歌曲集2枚とブーレーズの「ワルキューレ」全曲)購入して終わりました。ストレスがたまっているみたいで、こんなにCDを買ったのは久しぶりです。


2月19日
 山尾悠子復活ということで「季刊 幻想文学54号」を購入。(地元で購入できなければ、明日都内で探すつもりだった)もしかしなくても、新刊で買うのは初めてだったりします。山尾悠子はちょうどわたしがこの手の作品を読み始めた時期に消えてしまった作家なので、ごく最近まで名前だけを知っている作家でした。の作家として触れることができるのがなによりも嬉しい。
 ダン・シモンズ「エンディミオン」(早川書房)も手に取ったけど、買う買わない以前に財布の中には幻想文学を1冊買えるだけしかなかったのでした。あとがきを見ると「ああ、読みたい」って気持ちになるんですが。

 これを書きながら聴いているのは、ちょっと思い出して奥から引っぱり出した15年くらい前にエアチェックした歌劇「ローエングリン」第2幕のテープ。オペラの全曲盤なんてとても買えなかったので、もっぱらFMで聞いていました。(中学生のこずかいではテープを買うのも大変でした)このテープに関しては演奏が好きだったという記憶しか残っていないんだけど、カセットに挟まっているメモを見ると1983年にエジンバラ音楽祭で収録されたもので、指揮はクラウディオ・アバド。ちょっと驚きました。


2月16日
 タニス・リー「死霊の都」(ハヤカワ文庫FT)を読み終えました。タイトルからホラー色の強い話かと思ったら、そういう話ではなく民話的な世界を舞台にしたファンタジーでした。少し肩透かしを食った感じ。こういう隠れた秘密が暴かれる物語は、知る前と知った後の価値観の変化が面白い。あと憑かれた者と呼ばれる人々の正体がちょっと意外な感じがしました。アダルトファンタジーのタニス・リーを期待しなければ、気楽な気分で読める本です。やっぱり最近は一冊で完結する物語がいいや。  次は昨日書いたとおり「へびつかい座ホットライン」を読みます。やっぱり理想は読みたいと思ったときに買えるという状態だな。でも、現実は絶版、品切れが多いので見つけたときに購入ということになり、読む時間が取れず部屋に積み上がり、読みたいときには出てこないという悪循環になってしまうのでした。


2月15日
 地元の古本屋でジョン・ヴァーリィ「へびつかい座ホットライン」を購入。ずいぶん前からタイトルを知っていて気になったものの、割と最近まで著者がわからなかったという曰く付きの本。今読んでいる本の次にこれを読もうかと思っています。


2月12日
 タニス・リー「冬物語」(ハヤカワ文庫FT)を読み終えました。タニス・リーは読んでいない本がある作家で(ファンになったのは学生の頃で、新刊以外の本はなかなか買えなかった)、これもその読んでいない本の1冊。「冬物語」と「アヴィリスの妖杯」の2編が収録されています。「冬物語」は盗まれた聖骨を追っていくものの、その骨に秘められた時間のゲームにはまっていくという物語。主人公たちがタイムパラドックスについて詳細に検討している場面を見て、なんかファンタジーというよりSFを読んでいるような気持ちになってしまったのが残念。(2ヶ月くらい前にタイムパラドックスを使った作品に夢中だったもんなあ−)やはり、ファンタジーとSFは表裏一体ということを実感してしまいました。「アヴィリスの妖杯」はアヴィリスの城から呪われた杯を盗み出した三人の男の物語。こちらは荒れ果てた冬の北の大地と杯がもたらす夢幻の世界が対照的で印象に残りました。魔法の使い方もさりげないのがいい。
  個人的にはジュヴナイルとして書かれていながらダークな色彩に満ちている「アヴィリスの妖杯」が好みです。


2月9日
 水谷影良「プリマ・ドンナの歴史 II ベル・カントの黄昏」(東京書籍)を読み終えました。時代的にはモーツァルトの後期の作品から始まり、ベッリーニ、ドニゼッティで幕を閉じます。このくらいの時代になると現在、レパートリーとして残っている作品が多く、初演歌手として名前を聞いたことある歌手が多かったこともあって、すごく面白かったです。ヨーロッパにとってフランス革命がもたらしたものの大きさを再認識しました。(しかし、カストラートの没落について定説はないようですな)
 個人的にはイタリアを中心とした劇場のシステムの変遷が興味深く、今までとは違う面からオペラを眺めることができたというのが最大の収穫。まあ、わたし自身、普段聴いているのは19世紀以降のオペラ中心ということもあって、まず歌手ありきだった時代の雰囲気を知らなかっただけとも言えますが。あと、時代と共に役に求められる質が変わってきたことなど、歌手の側から描かなければ見えないことも多いと感じました。


2月8日
 「デス ハイ・コスト・オブ・リヴィング」(インターブックス)を購入。サンドマンの外伝で、人気のあったデスが主人公となった物語。デスは人間の生と死を理解するために1世紀に1度死すべきものとなる。この話はデスが死すべきものとなって人間の中で過ごす時を描いたもの。自殺願望を持った青年はデスと出会い、彼女と1日過ごす。彼女がデス(死)であると言っても人間は信じない。よくまとまった短篇だと思います。  思えば、トーリ・エイモスの序文が読みたくて、原書を買ったコミックなのでした。日本語で読める日が来るとは夢にも思いませんでした。次回はサンドマンの5巻目、ドリームカントリーでです。(わたしが最初に読んだサンドマンだ)

 昨晩、ふと思い立って、SFオンライン賞に投票したんだけど、昨年はその年出た本というのをあまり読んでいないことを実感。こと小説に関しては、ノミネート作品を眺めていると、SFもファンタジーも「これ!」という作品がなかったという思いを強くしました。正直、小説以外のジャンルの方が投票しやすかったです。


2月6日
 本日発売のミステリーボニータには前回お休みだった「クリスタル・ドラゴン」が掲載されていました。水晶宮なんて言葉を久しぶりに見かけた上に、ローマを出て再び旅することになったこともあって、ちょっと昔の雰囲気を思い出してしまいました。話は一気に本筋へ戻って進みつつあると感じました。

 ダヴィンチ3月号を見ると、冬コミケにサークル参加したレポートが4ページに渡って掲載されています。いわゆる大手サークルの話ではないので、面白いです。サークル参加の実体を知るにはいいと思います。そううえば昨年の夏コミ時、わたしのサークルで売り子を手伝ってくれた人は、地方から夜行バスで上京したコミケ初参加の友達でした。あとで感想を売る側はとても面白かったそうです。わたしも長いこと買う側でした。今は作りたい本があるときだけサークル参加していますが、やっぱりミニコミを売るというのは面白いです。
 この記事を見て、夏コミの申し込みは来週だということを思い出しました。最近、あまりにも仕事が忙しいので、すっかり忘れていました。明日はおとなしくサークルカットを描かなければ。(このために新しいプリンターを買ったというのに)


2月5日
 ロバート・ブロック「夢魔」(青弓社)を読み終えました。短篇集です。あとがきを読むとホラーに属する作家のようですが、物語はよくできているんだけど何か足らない。書き方なのか、それともオチの作り方なのか、時代的なものなのか、読みながらその原因を考えていました。この中でお気に入りはホラーというよりは幻想小説の流れを汲んでいると思われる「夢魔」です。

 地元の漫画専門店に行くとブギーポップの新刊「歪曲王」がもう出ていました。そこで高校生らしい男の子が「もう出ている」と友達に言いながら、レジに持っていく光景を見かけました。本来の読者層というのはこの辺なのだろうと思いながらその姿を見ていました。ネット上の批評は楽しみだけど、わたしは読まないだろうなあ。十二国記の時もそうなんだけど、ヤングアダルトを読むのは結構大変なんです。


2月3日
 水谷影良「プリマ・ドンナの歴史 I 黎明期のディーヴァたち」(東京書籍)を読み終えました。オペラの歴史というと通常は作曲家から語られるのですが、この本はオペラの誕生から19世紀半ばまでの期間、名歌手として名の残る女性歌手からの検証を試みています。1巻目はオペラの誕生からグルック、モーツァルトの時代までです。とは言うものの、歴史的な歌手について語るのは非常に難しいです。録音の残っている今世紀初めと今ですら発声のスタイルは相当変わっていますので、400年ほど前となるとどうなるのかは想像できると思います。しかし、この本では同時代人の残した証言や報酬を元にどういった歌手だったのかということを検証しているので、今まで読んだ本よりは不満を感じる場面は少なかったように感じました。かなりうまくまとめた本ではないでしょうか。2巻目は週末に図書館へ借りに行かなければ。
こういう本を読んでいると、その時代の音楽が聴きたくなるのですが、わたしの手元にバロック・オペラのディスクはありません。(クラシックでわたしがよく聴くのはロマン派から近代まで)仕方ないので、18世紀に活躍したペルゴレージ「スターバト・マーテル」(これは宗教曲です)を聴いています。この頃のイタリアの節回しを味わえる作品で、すごく好きな曲です。

 最近、仕事がめちゃめちゃ忙しくて、メールの返事がほとんど書けない状態です。2月半ばまでこんな状態が続くと思います。ごめんなさい。


活字の海を渡ろうに戻る

ホームページに戻る