活字の海を渡ろう1998年3月 3月30日
 新聞に目を通していたら、『草の上の月』という映画が、作家ロバート・E・ハワードを主人公とする映画だとか。映画館に行けるかどうかわからないけれど(『ミスター・ビーン』とか『女優マルキーズ』など見たい映画がある)、要チェック。「ニーベルンゲンの歌」は上巻の半ば、ブリュンヒルトが出てきたあたりから面白くなってきました。北欧の英雄伝説がキリスト教や中世の世界を織り込んだ物になっているのが興味深い。最初はかなり違和感があったのですが、途中の注を読んでワーグナーのオペラで言うと「神々の黄昏」に相当する部分だということに気がつきました。


3月28日
 結局、一度は断念したインディカー(本当はこう呼んではいけないのだけど)のレースを見に、ツインリンクもてぎまで行ってしまいました。先週、魔が差したように95年以来久しぶりに今年の開幕戦を見てしまったのが原因。NIFTYのオートレーシング・フォームを読んでいたら、やっぱり見たくなりました。モータースポーツを見に行くのは初めてで不安も大きかったのですが、なんとかなるものです。北ゲートからコースまでとにかく遠い。9:00〜9:45のフリー走行も見たかったのですが、コースが見えるところまでたどり着いた頃には終わっていました(涙) さて、レースの方ですが、席はそれほどコースに近いところではなかったのですが、最初に目の前を通過していった時には怖いと思いました。オーバルの利点はコース全体が見えることで、レース初心者でもすごく楽しかったです。レース結果は昨年不振だったアル・アンサーJrの復活が嬉しい。第3戦は放映日の関係でわたしが見られるのは5月の連休。

 ツインリンクもてぎにせっかく行ったのだからと、レース前に併設されている「ホンダコレクションホール」を見てきました。ホンダのものが多いのは当然だけど、レプリカも含めて歴史的な古いバイクや1960年代のF1マシンとその映像などを見ることができたのが嬉しい。車にはほとんど興味がないけど(だいたい免許を持っていない)、それでもすごく楽しめました。

 片道4時間半だったのに、眠くてほとんど本が読めなかったのが残念。

 そういえば最近来ていないなあと感じていたLocusが27、28日に2号連続で届きました。一挙に届いても読めません。だいたい、その前に届いたIceland Reviewもまだ読めていない状態なんです。特にLocus 2月号は1987年のレビューなので、早いところ目を通したいものです。


3月25日
 ここ数日に購入した本。中島敦「山月記・李陵」(岩波文庫)、高校の国語の教科書で読んた「山月記」が好きで、他の作品も読んでみたいなと思っていました。アレクサンドル・グリーン「黄金の鎖」(ハヤカワ文庫FT)、FTの2桁のうち、未読の作品を読んでみようと思っています。これもそんな1冊。クリストファー・ファウラー「ルーフワールド」(ハヤカワ文庫FT)、あるページを見ていて面白そうだったので購入。地元にハヤカワ文庫の品揃えがいい店があって、FTだと100番以降だと品切れの作品もだいたいあるので、未読の作品で面白そうな作品はいつもここで購入しています。地元の本屋で幻想文学の最新刊を見かけました。(非常に珍しい。いつも新宿に出たときに見ています)この雑誌の特集も猫だ。

 ここしばらく寝る前に「ニーベルンゲンの歌」(岩波文庫)を読んでいるのですが、すごく文章が易しいので拍子抜け。手をつけたもののちっとも進まない、ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハ「パルチヴァール」(郁文堂)とは大違い。叙事詩ということで中学時代から先送りしていたのですが、当時、読んでおけばよかった。ただし、「ヴォルズンガ・サガ」を知っていると違和感がかなりあります。やはり中学時代に興味がありながら手を出していない、ヘロドトス「歴史」(岩波文庫)も読もうかなと思っています。

 22日にBSで見てしまったのがきっかけで(しばらく離れていた)、その後数日間、今週末もてぎにレースを行こうかと調べていました。しかし、あまりに急すぎて断念。レースを見に行くのはまるで初めてだし、1週間を切ってから考えるなんて無茶だって。来年は絶対に行こうっと。しかし、放映は日本テレビというのが、不安だ。


3月22日
 深夜、ネットサーフィンをしていたら「サンドマン」の邦訳の発売日がわかりました。4月上旬だそうです。翻訳をやった方のページなので間違いないでしょう。この1週間、他にも目当てがあるとはいえ、毎日本屋をチェックしていたのに。


3月21日
 久しぶりに古本屋巡り。まず大岡山の古書日月堂に行き、ヴァンスの魔王子シリーズの3巻と創元から出ているシルヴァーバーグを2冊購入。その後、やっと場所の判明した新大久保のブックオフを覗く。規模は大きいけど、漫画を含めて特に収穫なし。今後、新宿古書センターに行くときにはチェックするつもり。その後、中野に出て、今日の一番のメインだったまんだらけに行く。渋谷の店には時間がある限り行っているけど、中野の店に来るのはこれが初めて。中野の方はすごいと話に聞いていたけど、わたしの印象は渋谷とあまり変わらないというところ。WINGSのバックナンバーと15年間探し続けているものはなかったし。ブロードウェーに来たのが初めてなので、地図を片手に全フロアをチェック。4階の古書ワタナベでムアコックの「墜ちた天使」(集英社)を購入。この本はここ10年ほど探していましただけに、見つけたときには呆然でした。今まで一度も見かけたことすらなくて、もう半ばあきらめていました。地元の図書館にあるので読んだことはあるのですが、やっぱり欲しい本でした。ここと2階の歩書房はSFがかなりありましたけど、特にサンリオとソノラマの値段はとんでもなかった。その他ではアメコミを置いている店をチェックしたけど、今のところ渋谷の「まんがの森」以上の店はないなあ。(雑誌の広告で知った早稲田にある店はまだ行ったことがない。近いうちに早稲田の古本屋をチェックする予定なのでその時に行ってみるつもり)ブロードウェーの中古CD屋でRhinoから出たELP/Brain Salad Surgeryを購入。リマスタで、Kahn Evil #9の第一印象のPart1とPart2がきちんとつながっているので買おうと思っていたCD。最近は昔ほどプログレは聴かないけど、高校時代に好きだったアルバムは唐突に聴きたくなることがあり、いい音で聴きたいという気持ちもあるので、リマスタが出ると買っています。ELPがらみでは最近、未CD化の「幻魔大戦」のLPを探しています。
 古本屋を回った感想ですが、ここ1年ほどの間に収穫だと思った本(ピークの「ゴーメンガースト」三部作やムアコックの「暗黒の回廊」)はほとんど地元の本屋で手に入れていることを考えると、ハヤカワと創元に関しては思ったよりなかったという感じ。また、ハヤカワFTはだいぶ値が付くようになってしまったのに驚きました。

 そのあと、Pat Metheny Groupのコンサートに行きました。いつものことなのですが、ライブで聴くととても気持ちのいい音楽です。ダイナミクスの表現はCD以上で、その辺を聴きたくて毎回コンサートに来ているような気もします。新譜からthe roots of coincidenceをやったのには驚きました。


3月19日 フローベール「聖アントワヌの誘惑」(岩波文庫)
 フローベールというと「ボヴァリー夫人」がよく知られていて、わたしもその印象が強く、幻想的な作品と作者が結びつきませんでした。荒俣宏氏の著作でこの本を知り、長年探しただけの価値のある傑作でした。ただし、ラストに不満があるのですが、このことは解説を読んで惜しいと思いました。また、解説でゲーテの「ファウスト」と対をなす作品であるという部分に納得。というのも、わたしは本を開けてこの作品が予想外にも戯曲という形式だったことに非常に驚きました。内容からしてとても舞台での上演を考えて書かれたとは思えないので、「読む戯曲」として書かれたゲーテの「ファウスト」を思い出しました。ただし、「ファウスト」第1部は数年前、舞台で上演されたものをテレビで見たことがあります。都合がつかず、舞台を見に行くのは断念したのですが後悔しました。装置は非常にモダンでしたが、すごく面白かったのです。
 やっぱりもう少し初期キリスト教についての本を読もうかなあ。


3月16日
 コンサート前に新宿の紀伊国屋に立ち寄り、荷物にならない範囲でということでオフェイロン「アイルランド」のみ購入。ハヤカワ文庫のコーナーでは1998.1の目録で落ちた本を探す高校生を見かけ、店頭在庫もないようだったので心の中で「その本は品切れになったんだよ」とつぶやいていました。

 急遽、行くことになったローリング・ストーンズのコンサートはとても良かったです。東京ドームのコンサートに行く度に、音響の悪さから「ドームは今回が最後」と思っています。しかし、今回は昔に比べたらずいぶんよい音響になったと感心しました。席はサブステージの横で、間近でチャーリー・ワッツが見ることができて嬉しかった。


3月15日 ロバート・シルヴァーバーグ「夜の翼」(ハヤカワ文庫SF)
 物語の中で派手な外的事件はほとんど起こらず、希望のない時代に贖罪と未来への希望を求めて旅をしていくという地味な作品です。幻想的な物語で読後、黄昏時に翔人が空を翔ぶ光景が真っ先に思い浮かびます。個人的な問題が世界全体と同調していくという構成のすばらしさもありますが、深く心に残る作品だと思いました。シルヴァーバーグは長年、名前は知っていたもののどういう傾向の作品を書くのかというところまでは知りませんでした。他の作品も読みたいと思いましたが、また絶版ばかりという壁にぶち当たるのでした。近年、今まで知らなかった作家を読むといつもこのパターンに陥ります。未訳だったらあきらめもつくのに。

 明日からいよいよ「聖アントワヌの誘惑」を読む予定。


3月14日
 書物の帝国の溝口さんからフローベール「聖アントワヌの誘惑」(岩波文庫)が重版されていることを教えていただき、地元の本屋を数件チェックして無事入手しました。かなり前から古本屋で探していた本だけに本当に嬉しい。岩波文庫は品切れの中に欲しい本があるので、春と秋の復刊フェアは念入りにチェックしているのですが、その枠ではないところで重版されたので気がつきませんでした。店頭に置いてある目録を、もう少しまめにチェックする必要があると感じました。この本と一緒にNHKラジオ英会話入門のテキストを購入。二年目になるだけに感慨深いものがあります。就職してから英語の勉強をしようと思ったことは何度かありますが、だいたい三ヶ月くらいで内容についていけなくなって挫折。今回も途中何度かたまった分を聞くのをあきらめたりしましたけど、一話完結形式だったのとレベルがちょうどよかったので一年間続いたのかなと思っています。英文を読むとき、相変わらず会話が苦手なので、会話中心のこの講座はいい勉強になります。

 話は変わって「装甲騎兵ボトムズ」を全話見終えました。半年くらいで見るといっていたのにね(笑) 今のわたしにはすごく面白い作品でしたが、放映当時のわたし(中学生でした)が見てもピンとこない作品だったと思います。最終回のラスト近くを見ているとき、再び内戦が勃発しそうな今のユーゴ情勢が頭に思い浮かびました。


3月12日 ジャック・ダン&ガードナー・ドゾワ編「魔法の猫」(扶桑社ミステリー文庫)
 もともとあまり短篇を読まない人なので、知っている話は皆無。やはりアンソロジーは選りすぐっているいるだけにはずれがない。個人的に楽しみだったのはエヴァンゲリオンとの関連で注目を浴びたコードウェイナー・スミス。(でも昨年の夏以降、古本屋でよく見かけた)《人類補完機構》シリーズはわたしが考えていたほど難しくないのかもしれません。他の作品も読んでみたくなりました。
 一番印象に残ったのはマンリー・ウェイド・ウェルマン「魔女と猫」。発表年代が古いこともあって古風な物語ですが、モダンな作品が多い中、逆に印象に残りました。ところでジョン・クロウリーはヴィクトリア朝って気に入っているのかな。前に読んだ短篇にもその時代を舞台にした作品があったので、ちょっと引っかかりました。

 昨日本屋で見た「本の雑誌」によると、今月中旬にはインターブックスから「サンドマン」の邦訳が出るようです。しかし、コミックリストには載っていないので、漫画売場で無事に入手できるのだろうか。今回出るのはすでに英語で読んだ巻と思うけど、とりあえず買う予定。


3月9日 ホープ・マーリーズ「霧の都」(ハヤカワ文庫FT)
 とても地味な作品ですが、名作。2年くらい前からハヤカワ文庫FTの2桁の未読作品をチェックしてみるようになって、やっと読んだ本です。今まで全然手に取ろうとしなかった本なのが悔しい。バランタインのアダルト・ファンタジー・シリーズで表に出たと言える作品のようです。分類するとすればハイ・ファンタジーに属すると思われる作品が1926年に発表されたとはちょっと信じがたい。著者についてあまり知られていないようですが、もう少しこの作品を書いたバックグラウンドを知ることができればいいのにと思いました。


3月8日 J・G・バラード「結晶世界」(創元SF文庫)
 バラードのSF作品を読むのはなんとこれが最初。でも、近年の主流寄りの作品と物語の語り口はあまり大差ないというのが正直な感想です。それにわたしはこの作品をどうもSFとして読まなかったようです。読後、訳者あとがきを読み、もう一度作品を振り返ってみましたが、わたしの考えているSFとは少し違うようです。読んだ作品数はそれほどでもないのですが、英国の同時代のSF作家ではオールディスの方が好みかもしれない。と書きつつも「沈んだ世界」(創元SF文庫)も近いうちに読みたいと思っています。

 猫には興味がないけれど(でも、近所の猫と遊んだりはする)、書き手の面子に惹かれるものがあったので「魔法の猫」(扶桑社ミステリー文庫)を購入。ここ数年間の経験から、アンソロジーは面白い!という読みも働いています。


3月7日
 幻想文学通信を更新しました。説明を書きたくてもフランス文学はほとんど読まないので知らないのです。他に読んだのはアベ・プレヴォ「マノン・レスコー」(岩波文庫)くらいなものです。しかもこれを読んだ理由はオペラの原作だったからです。フランス文学ではフローベール「聖アントワヌの誘惑」(岩波文庫)を読んでみたいと思って数年。未だに本が見つからないので(値段もありますが)、読めていません。

 話は変わりますが、1週間ほど前から見始めた「装甲騎兵ボトムズ」に、はまっちゃいました。現在、あと残り20話という状態です。話が面白ければ、時間を作ってでも見るということがよ〜くわかりました。


3月6日
 3/2に発見できなかったロバート・シルヴァーバーグ「夜の翼」を見かけたので購入。ついでにロバート・ジョーダン「竜王伝説5」の帯を見ると、続きは7月から刊行予定とのこと。これで残りがシリーズ物ばかりだとしたら、今年はハヤカワFTでは面白い物は期待できないなあ。ファンタジーでは「夢の文学館」で刊行予定となっているジョン・クロウリー「エヂプト」が出るのを期待するのみ。なんか寂しい。


3月5日
 東京は再び雪。最近はあまり収穫がないと思いつつ、仕事帰りに古本屋に立ち寄った。ハヤカワ文庫NVの白い背表紙を丹念にチェックしていくと、ホープ・マーリーズの「霧の都」を発見。久しぶりに異世界ファンタジーが読めるかと思うとついワクワクします。
 わたしが最初に買ったハヤカワ文庫FTは、ナンシー・スプリンガーの「闇の月」。時期は1985年4月で、この時期に現役だったものはだいたい知っています。しかし、どうしてもシリーズ物に目がいってしまって、単独作品は読んでいない物が多かったりします。どういうわけか面白い作品を読んでいなかったりするんですね。

 3月までの文庫の新刊の中に読みたい物がないので、4月以降に期待します。やはり昨年は面白い本が多かったことを実感しています。


3月2日
 朝、電車の車内吊り広告をなんとなくながめていると、ジャンプの広告が目に入った。なんと富樫義博が新連載を開始するというので驚き。ジャンプを見ると、タイトルは「HUNTER X HUNTER」。絵が「幽遊白書」の頃に戻った感じで、内容も「レベルE」に比べるとずっと少年誌掲載作品になっていました。実は少し前に同人誌で作品を見ているんだけど、内容は大人向けでこういう路線に行くのかなと思っていただけにとても意外。とりあえず、次回以後もチェックするつもり。

 ロバート・シルヴァーバーグ「夜の翼」が重版されたと聞いたので、地元の本屋をあたってみたもののやはりない。やはり都内に出たときに探すしかないのだろうなあ。途中で1998.1のハヤカワの目録をやっと見かけました。ざっと見た感じでは、SFは悲しいほど目録落ちしています。ついでに岩波の目録で今月取り上げる予定の本が載っているかチェック。マイナーな本なので目録落ちしていました。(さて、なんでしょう?)あまり品切れした本を取り上げたくないんだけど、文庫のペーパーバック化が予想以上に進行しているので仕方ないのかなあ。


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