WHO'SWOH02.JPG - 28,357BYTESNo,02[ムナック]

フェイヨン地方に生息する不死族。フェイヨン地方の文字を当てはめると”僵尸”と書く。
「僵」とは「硬直した/硬直した」、「尸」には「死体」という意味があるという。
すなわちムナックとは「硬直した死体」という意味だのだ。

他の不死族とはちがい、ムナックに、それを特徴付ける肉体の腐敗傾向は見られない。
とはいえ、フェイヨン地方で埋葬時に着用される鮮やかな赤い衣をまとっているため、その判別は容易い。
同時に、その名の由来ともなったぎくしゃくとした動きで判別できるだろう。
フェイヨン地方に伝わる説話では、高いところに上ると、硬直した死体であるムナックは上ってくこれないため、安全とされる。しかし、私が試したところ、すさまじいジャンプで上ってきた。時として説話は真実を述べていない。

人とほとんどかわらぬ外見とはいえ、その怪力はすさまじく、同じ不死族であるスケルトン系を上回る。防御力に関しては決して高くなく、加えて不死族共通の聖/火属性にも弱い。その他、もし出会ってしまった場合、弱点を突く強力な攻撃で、反撃を許さずに倒してしまうのがベストとされる。

人の死体が変化したムナックだが、かつてはフェイヨン村の中にまであわられ、災いを呼んだとされる。ある時、高名な僧がその霊力の限りを尽くしてフェイヨン付近の洞窟に封印したという。その伝説が、現在のフェイヨンダンジョンの謂れなのかは不明だが、現在ではフェイヨンダンジョンにのみ、ムナックは生息する。最近、同系不死族が出現したとの情報もあるが、未確認である。

私が、フェイヨンを旅行していた集めた説話中で、ムナックはほぼ全て人に災いをなす存在として描かれている。時に旱魃を呼び、村ごと壊滅させられた逸話も聞かれた。
だが、私が興味を引かれた説話の中では、そのムナックは人を助けている。

フェイヨン地方洪州に一人の漁夫がいた。まだ暗いうちから魚を売りに出るが、撃つも通る道の側の林の中に明かりが見えた。それを見に行ったところ、美女が糸を紡いでいるようだが、人と変わらないようにも見えるが、どうも妖鬼(※ソヒーのことか?)のようだった。しかし、彼は彼女に恋をしてしまい、妖鬼であることも恐れなかったという。だが、その妖鬼は太陽の光にあたると死んでしまうのだった。そのため、漁夫は村の老人から教えてもらった仙術をもちいて、自分の家の日の当たらない部屋に妖鬼を匿まり、夫婦同然の生活を送ったという。やがて、彼らに子が生まれ、孫が生まれた。しかし、妻はある日、誤って日の下に出てしまったため、死んでしまった。夫は嘆き悲しみ、棺を買って妻を埋葬した。それからというもの、その一族から災いが遠のいたという。夫は、死んだ妻が僵尸となり、私たちを助けてくれているのだと言った。

ムナックと分かり合える方法はある。それは決して、特殊な魔法でもなければ、伝説の力でもない。ただ、人が生まれながらにして持っている思いやりの心であると、その説話は訴えているようにも思える。