請負的就労者の労賃を 法的に保護するための署名にご協力を
現在、組合では「請負的就労者の労賃を法的に保護するための署名」に取り組んでいます。「よく意味がわからない」「俺には関係ない」と思っている方もいらっしゃるでしょう。署名の背景・意義を知って、ぜひご協力をお願いします。
企業破綻時の債権には優先順位がある
ここ数年、大手・中堅ゼネコンや住販メーカーなどの倒産が相次いでおり、今後も続くのではないかと懸念されています。 企業が破綻した場合、債権者は債権を回収していくわけですが、これには次のような優先順位があります。
このうち、労働者の賃金である「労働債権」は、Aの「先取り特権」になり、
労働債権はなぜ保護される必要があるのか
では、労働債権はなぜ一般債権より手厚く保護されているのでしょう。それには以下のような理由があります。
また国際的な条約や国会決議などによっても、「労働者の債権は高い順位の優先権を与えるべき」とされています。
「一般債権」に区分されている「手間請け賃金」
破綻した企業の現場で、私たちの仲間もおおぜい働いていました。しかし、その就労形態が「手間請け就労」(請負的労働)であるため、「労働債権」ではなく、「一般債権」にあたるとして後回しにされ、回収できない例が多く報告されています。 しかし形態はどうであれ、実質的には正規雇用労働者とおなじように働いています。さらに「労働債権が保護されている理由」は、ほとんど請負的労働者にも当てはまるものばかりです。 なぜ「手間請け」は、労働者として認められないのか。ここに問題があるのです。
「労働者」の概念は法律によって決まる
ひとくちに「労働者」といいますが、労働基準法や労働組合法の「労働者」、民法の「雇人」、商法の「会社使用人」など、法律によってその概念・範囲はそれぞれ異なります。ちなみに労働者の「賃金先取り特権」を規定しているのは、このうち民法・商法によるもの。 これらの法律での「労働者等」の概念・範囲を、現実の労働実態にあったものにすることこそ、必要なことでしょう。
いま法制審議会で話されていること
法務省に、「法制審議会」という諮問機関があります。ここは、国の基本的な法律(六法)を改正する作業をするという重要な機関。審議会でできあがった改正案は国会へ提出されます。 この法制審議会で現在、検討されているのが、「労働者の範囲」「民法と商法の保護範囲の相違」「労働債権と抵当権などとの優先度の調整」など、まさに「手間請け労働者の労働債権救済」に関わることなのです。
署名をいっぱい集めよう
全建総連では、いま「請負的就労者の労賃を法律上で保護することを求める要請書」を、法制審議会に提出するため、署名活動をおこなっています。同審議会へ向けての署名は、他の団体でも過去に例がなく、新鮮な気持ちで受けとめられることが期待されます。また全建総連顧問弁護士の古川景一氏によれば、今回の法改正検討は「何十年に一度のチャンス」とのこと。 法制審議会では 3月中頃には中間報告、5月には最終答申が出されるという日程。待ったなしです。ぜひご家族を含めて多くの方のご協力をお願いします。お問い合わせは組合まで |