第2回

筋違も燧も入れず――エコ住宅

前回に引き続き、このエコ住宅について付け加えたいことがありますので、ここで触れてみたいと思います。

前回、金物を使わず漆喰塗りの壁、通し貫には楔を打ち込む等々を紹介しました。

この住宅は、それに加えて、柱と土台、梁と柱などは込み栓でしっかりと結ばれています。また各部材は渋柿が塗られており、防腐剤はいっさい使われておりません。

最も目を引くのは、筋違や燧を入れていないことです。

地震など自然災害で、筋違や燧を入れなければ壊れるような住宅は造らないということです。

100年はもつというキャッチフレーズで建てており、宣伝はしていないのに仕事は次から次に来るそうです。

京都のあるある工務店の棟梁が、昭和23年の福井の大地震で倒れた家屋を見て、筋違など入れても倒れるような家を建てては何もならぬと、それ以来、筋違を入れない家造りを続けているという話を聞いたのを思い出しました。

これから、ますます昔に戻った家造りが盛んになることを念じる次第です。

2000年) 

 

TOP    BACK