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洋式増加で床の間が

 最近気になることがある。建築様式も昔と違って和式から洋式に変わってきている。戦後アメリカ式が導入され、畳から板の間にかわり、正座から腰掛けの生活になってから、建築も和室が減り、洋室が増えた。これに伴って、床の間がおかしくなってきているような気がするのは私だけでしょうか。と言うのも、逆床が多くなっているような気がするのである。

 それそうとうな人が設計しているので、職人があれこれ言うことではないのでしょうが、本来の床の間の位置が、ないがしろにされているのではないでしょうか。

 1415年前のこと、二流建設会社の設計部長が6畳の和室に織部床を造ると言うのに、床柱を立てると言うのである。床柱を立て、落掛をつけたら織部床ではなく立派な床の間である。その旨部長に話すと、織部床でなくても良いと言うのです。

 この頃よくこのような事を耳にする。

 織部床は織部板だけでよいのである。

1999年)

 

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