「購入」したつもりが

(25日号)

片手に収まる端末に1000冊ほどのデータを持ち歩くことができる電子書籍サービス。日本でも4社によるサービスが始まっていますが「本を買ったつもりが買っていなかった」という事態が…。

 

 

「買ったのに買ってない」なぞなぞのようなこの話、4社のうちの一つ「アマゾン」の電子書籍サービスを利用していた人が、ある日突然「会員規約に反した行為があったのでサービスを停止します」と連絡を受けました。どうやら冤罪だったようで、すぐに元通りになったようですが、一時期自分が買った本を読めない事態が起きました。

 

利用規約をよく読んでみると(電子書籍の)ユーザーは本を読む権利が与えられているだけで本を所有しているわけではない、ということなのです。

 

つまり電子書籍サービスで本を手に入れる場合、端末の画面上で「購入」ボタンをクリックするわけですが、これは実際の話「購入」ではなくて「読む権利を貸してもらう」なのです。

 

こう考えると、手に持つ本の重みがこれまで以上にずっしりと…

 

 

問題の多い建設アスベスト裁判判決

(15日号)

126日、「建設現場労働者の石綿被害、国の責任初認定」といった大きな見出しが一斉に新聞各紙の紙面をかざった。

 

前日の首都圏建設アスベスト裁判の判決結果を受けての報道だ。初めて国の責任を認めた点では画期的な判決といってもいいだろう。しかし、建材メーカーの注意義務違反は認めつつ賠償責任を認めないなど問題点も多い。

 

なかでも問題なのは「労働安全衛生法が対象としているのは、労働者であり、一人親方や零細事業主は労働者ではない。したがって労働者の賠償責任は認めるが、一人親方・事業主は対象外」として約半数の原告が却下された点だ。「佐藤裁判」と同様、現場作業従事者を杓子定規に、機械的に区別しているだけで、現状にまったく合っていない。

 

「一人親方・零細事業主にも労働者性がある」という考え方で進むべきなのか、「契約上の立場はともかく、現場で同じ作業をしていて、同じような被害にあった人は同様に補償・救済すべき」と考えるべきか。これって、けっこう大事なことでは?

 

 

 

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