犬の糞

(925日号)

「江戸名物、伊勢屋、稲荷に犬の糞」と言葉があります。江戸の都には、伊勢地方に縁のある商家、京都の伏見稲荷から分社されたお稲荷さん、野良犬のフン、が多くあったことから言われはじめた言葉です。

時代は過ぎ…現在は伊勢屋とお稲荷さんは減りましたが、犬の数はどうでしょう。ペットフード協会調べによると、日本で飼われている犬の数は1232万頭を超え、15歳以下の子供の人口より多いそうです。

ここまで多いと、犬の散歩をしている人をよく見かけるのもうなずける話です。これは日本に限らず海外でも同じらしく、アメリカでは犬のフンを利用して公園などの街頭に明かりを灯そうと実験がおこなわれています。犬のフンを処理機に入れて分解、発生したメタンガスを燃料としてガス灯に火をともす、という仕組みです。

他にも下水処理をする際に発生するバイオガスを使って市バスを走らせるなど実験されています。様々に『臭いものにはふたをせず』有効利用すれば、エネルギー不足問題も一気に解決するかも。

 

 

いのちの食べかた

(85日号)

宮崎県で4月の発生以来、約29万頭もの牛や豚が殺処分された口蹄疫被害が、727日に家畜の移動と搬出の制限が解除されたことで、ようやく終息へ向かいそうです。

 

このニュースに、私たちが毎日食べる肉や野菜がどのように作られているか、すべてを隠すことなく紹介したドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』を思い出しました。

 

自動車工場のような加工場で半自動的に食肉へ加工されていく様子は、2年前に見た映像を今でも思い浮かべることができるほどショッキングなものでした。公開当時も様々な物議をかもした映画でした。

 

しかし、これはありのままを映したドキュメンタリーで、今まで心のどこかで目をつぶっていた現実です。是非はともかく映画ではその肉が、まさに私たちの「血と肉」になっていることで納得する部分もありました。

 

それと比べて、宮崎県での約29万頭の牛や豚たちはいうなれば「死に損」と言えるのではないでしょうか。この事実をしっかり受け止めて二度とこのようなことがないように願うだけです。

 

 

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