岡田ジャパン

(625日号)

 

サッカーワールドカップの1次リーグも終盤になって、熱戦に夢中になっている方も多いでしょう。4年に一度、世界中の一流選手が見せる技を楽しむのはもちろん、国同士が誇りをかけて戦う緊張感もまた楽しいものです。

 

国を代表して集まったチームは、その国の国民性を表している場合が多く、この点を比べてみるのも楽しみの一つだったりします。規律と我慢強さのドイツ、個人主義のフランス(そのせいかチームに内紛がおきて自滅しました)…他にも様々な国とその国民性をみることができますが日本チームは、この点どうでしょう。

 

日本のチームカラーと国民性を表すなら「『岡田』ジャパン」と言えばいいでしょうか。実際に戦う選手ではなく監督の名前が前面に出てくるチームは日本くらい?

 

これは際立った個性と実力を兼ね備えたタレント=選手が見当たらない、ということなのでしょうか。いつの日かチーム名の前から監督の名前が取れた時、日本のサッカーが本当に世界を驚かすことができる…ことを夢見て。

 

 

おいしいお店

(615日号)

三軒茶屋の「味とめ」。戸越の「百番」。大井町の「ブルドック」と「牛八」。中延の「西海」…。

 

テレビのバラエティー番組の企画、きたないけどおいしい(おいしくない場合もある)店を探訪するコーナーで紹介された飲食店の数々だ。といってもすでにおなじみの店ばっかりだよね。

 

「きたない(雑然としている)」と「おいしい」が相反するものではないことなんて常識だし、そういった店は、皆さんもたくさん知っているだろう。わざわざテレビで教えてもらってもなあ。高いのに不味い店を紹介する企画はさすがに無理なんだろうけど。

 

それにしても日本の飲食店情報の量の過剰なことと言ったら。新聞・雑誌には、毎号おいしいお店が紹介され、本屋にはグルメ本が平積みだ。

 

まず雑誌やインターネットで味や評判を確認したうえで店を訪ね、記載どおりかチェックする。なんだか情報を漁っている段階でおなかがいっぱいになりそう。

 

と言いつつ明日の昼は、先日、雑誌に載っていたラーメン屋に行くとするか。

 

 

アイパッド

(65日号)

つい前号、525日号のこのコラム欄に書いた「善意の道を進もうとして地獄にたどり着いてしまった」首相が、とうとう辞任をした。

任期は260日あまり、1年前後しかもたない政権がこれで4回連続続いたことになる。これでは日本国内はもちろん、国際社会においても日本の政治が信用されないのも当たり前だろう。首相辞任に関して「書く気にもならない」というのもまた事実だったりする。

首相辞任以外で最近話題になっているのが「iPad(アイパッド)」という物。ノート大の液晶ディスプレイ状の形で、インターネットにつなげられたり写真を見れたり…。日本発売当日には、徹夜で行列する様子などがテレビで映し出されていた。アメリカでは発売2カ月ですでに200万台を売ったそうです。しかし、残念なことにこのiPad、分解してみると使われている部分に日本製品がほとんど使われていないらしい。

最後に…「iPad、とかけまして国際社会の政治、とときます」「その心は」「どちらも日本外しでしょう」

 

 

地獄に続く善意

(525日号)

「地獄への道は善意で敷き詰められている」

当の本人はその時、無知な善意から自分のやっていることは正義で社会に役に立つ、と思ってやっているが結果的にはその意図したものと反対、もしくは思いもよらなかった悪い結果を生む…。最近、泳いだ目と顔色の白い首相をテレビで見かけると、ついこの言葉を思い出す。

「友愛」を政治理念にしていると公言し、沖縄の米軍基地を移設して沖縄県民の負担を無くす、と「善意の人」の首相は、初めのうちは息まいていた。しかし現実はそう甘くなく、八方美人の発言もあっちへ行っては撤回、こっちへ戻ってはやっぱり繰り返し、今や八方ふさがり。

オウム真理教に入信した人なども入信の動機は純粋な使命感だったと思う。結局、お坊ちゃま育ちの首相は、その純粋さと周りに嫌われたくない一心で、今も地獄に続く善意の道を進んでいるように見える。

個人的には時にこういう人を見かけることがあるが、一国の首相がこれでは困る。地獄へと進むのは自分だけにしてもらいたい。

 

 

現代の坂本龍馬

(41525日号)

好きな歴史上(日本史)の人物ランキングの類にいつも名を連ねる常連といえば、織田信長や源義経、徳川家康…などいろいろ頭に浮かんでくるかと思いますが、今回の話のタネは今年の大河ドラマの主役「坂本龍馬」について。

「当時の常識に外れた事業を起こした(起こそうとした)」「行動的」「志半ばで亡くなる」どうもこれらのことが私たち日本人の「好み」に合うようで、この3つは織田信長、源義経なども同じですね。

織田信長、源義経が出たついでに考えてみると彼らの時代も坂本龍馬が生きた幕末と同じく、世の中が大いに動き変化しようとしていた時代でした。

近頃、政治の世界で「自称・坂本龍馬」を名乗る人が増えてきていますが、これも変化の激しい今のご時世でしょうか。

かなしいことですが、いずれの人物も旧世代を懐かしむ、もしくは旧世代の利害関係者に害されてしまいました。

玉石混交の「現代の坂本龍馬」が出てきていますが、「本物」が活躍してくれる世の中になってもらいたいものです。

 

 

高校無償化

(45日号)

日本のことしか知らないと、世界的標準との違いに「エッそうだったの!」とびっくりすることが時々ある。最近では「高校の無償化」もそのひとつだ。この4月から実施される高校無償化。「さすが日本は太っ腹だなあ」と思っていたのだが。実はOECD加盟国で無償じゃないのは、日本・韓国・イタリア・ポルトガルの4ヵ国だけなんだって。

 

そもそも「国際人権規約」の条項が根拠になっている「高校無償化」。日本はこの規約を1979年に批准したくせに、「高校無償化」の部分をずっと留保しつづけていたのだ。09年5月時点で、留保していたのが日本とマダガスカルだけというのだから、情けない。

 

さらに「朝鮮学校は除外」というのも、国連人種差別撤廃委員会からは「マイノリティー差別だ」と強く非難されているわけで、首相の「教育内容が確認できない」発言は姑息すぎるでしょ。

 

ちなみに、公立高校で3年間にかかる費用は約150万円、鳩山首相がママからもらっていたお小遣いは月額1500万円だそうな。

 

 

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