衆議院選の結果

(95日号)

「まるでオセロゲームみたい」――今回の衆議院選の結果について、こんな感想をもらす人が多い。小選挙区の議席数割合が自民73%・民主17%から一気に民主74%・自民21%だもの。いやあ、小選挙区制ってホント怖いね。

得票数でみると、民主と自民に議席数ほどの差はない。比例区の全国分集計では、民主党が全体の42%で自民党が27%、小選挙区での両党の得票数集計では、民主党と自民の割合は108だ。

今回ハッキリしたのは、そのときの勝ち馬に乗る性質の強い日本で小選挙区の選挙をおこなうと、二大政党どころか1党の圧倒的な一人勝ちになる可能性が高いということだ。比例区があるから、小さな政党(ひいては多様な意見)の生き残る余地が辛うじてあるけども。

政権を取った民主党はマニフェストで、「行政改革のため衆院比例区の定数を80人減らす」と言っている。節約したいなら、国会議員の給料を15%ぐらいカットすれば済む。よりによって比例区を減らすとは。

あのう、民意がますます反映しなくなるんですけど。

 

 

監視カメラ

(85日号)

繁華街や主要道路沿いなどに設置されている監視カメラが年々増えています。犯罪の抑止や、不審車両の発見などに一定の効果をあげているそうです。

なかでもイギリスは世界でも屈指の「監視カメラ大国」で、ロンドンともなると一説には50万台以上の監視カメラがあり、1人が1300回ほど撮影される計算になります。そんなイギリスで最近、さらに物議を呼びそうな試みがおこなわれています。

それは「2万世帯の家庭に、24時間の監視カメラを設置する」計画です。非行や反社会的問題がある、とされた家庭に監視カメラを設置して、必要があれば人員を派遣して指導する場合もあるそうです。これは冗談でも何でもなく、すでに2000世帯の家庭で実験的におこなわれているそうです。

「テレスクリーン」という一種の監視カメラを使った未来の監視社会と、全体主義の恐怖を描いた小説「1984年」を書いたジョージ・オーウェルは奇しくもイギリス人で、1950年にその生涯を閉じたのはロンドンでした。

 

 

男子・女子

(725日号)

ここ数年、2030代の女性の間で自分たちのことを「女子」と呼ぶ人が増えているのだという。一般的には「女子」といえるのは中学・高校生ぐらいまでかなという気もするし、実際「いいオトナが自分を“女子”だなんて、年齢を受け入れていないイメージ」との批判的な声も結構あるのだが。

この現象、どうやら「女子」ということばの意味合いが変わってきているかららしい。自称「女子」たちは「年齢にかかわらず、女性らしい可愛らしさを持った女性」というニュアンスで「女子」を使っているというのだ。皆さんはどう思います?

いっぽう「○○男子」というフレーズも最近よく目にする。○○に入るのは「草食」「弁当」「水筒」「スイーツ」など。こちらは従来の「男らしさ」の逆をいくようなイメージが特徴だ。「女子」と違うのは、「男子」を自称する男性が見当たらない点かな。

えっ、男性の自称はなにが良いかって? もちろんアレしかないでしょう。なんたって「おやじ日本」というNPOまであるくらいだもん。

 

 

白虎隊

(715日号)

「白虎隊」の名を聞くと多くの人が、明治維新の時に官軍と戦って最後は自刃した勇敢な少年たちの話、とおぼえていることでしょう。しかし事実はちょっと違うようです。

白虎隊は多くの分隊からなる組織で、総数は340人前後。飯盛山で自刃した「士中二番隊」と呼ばれた上級藩士の子弟・少年たちは19人。6%にも満たない一部の事件が白虎隊を代表する話となっています。しかも、飯盛山から見えた市中の火事を城が燃えている、と勘違いしたのがきっかけと言われています。

死んだ少年たちにはかわいそうですが、上級藩士の子弟で構成された「良いとこの坊っちゃん」が、育ちの良さからくる「こらえ性のなさ」「あきらめの早さ」から起こした悲劇とも考えられます。

それから141年の時が流れた今年の夏…自民党の都議選惨敗をうけて、なかばやけ気味に解散をした麻生総理も、吉田茂・元総理を祖父に持つ「良いとこの坊っちゃん」。自分一人で自刃するのは勝手ですが、日本全体まで巻きこむのはもうやめてください。

 

 

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