少子化対策

(925日号)

麻生内閣がスタートして(この原稿を書いている時点926日)、2日目。メンバーをみてみると、目立つのが小渕優子議員の少子化対策担当の特命大臣。戦後最年少ということもあるが、私と1歳しか違わないという点で個人的にも非常に興味を持った。かくいう私は、小渕大臣が「少子化対策」しないといけない独身。

1年ほど前に同窓会をおこない、15人ほど集まった仲間に誰か結婚している人は?と聞いたら、たった2人しか手をあげなかったのに、当事者ながら驚いた。自分のことは棚にあげて理由を聞いてみると、だいたい「なんとなく結婚したいと思わなくて」という答えが多かった。経済的な理由というよりも、社会全体に対する漠然とした不安が「自分のことで精一杯」という気持ちにさせるのだろうか。

前任者と、そのまた前任者が「や〜めた」と責任を投げ出した結果、誕生した麻生内閣。また投げ出したりしないようにしてください…私たち未婚・少子化世代の「漠然とした不安」をこれ以上大きくしないように。

 

 

赤塚不二夫追悼記念

(915日号)

新聞の1面にバカボンのパパやイヤミが登場しているので、驚いた方もいるのではないだろうか。8月はじめ、ギャグ漫画家の第一人者、赤塚不二夫氏の死亡が報じられたときのことだ。

赤塚氏の作品は『おそ松くん』『もーれつア太郎』『天才バカボン』など、テレビアニメでも放映されていたので、皆さんもよくご存じだろう。またギャグの表現力を大きく広げたという意味でも、ギャグ漫画界に与えた影響ははかりしれない。

そこで赤塚不二夫追悼記念企画として「みなさんにお薦めのギャグ漫画家ベスト5」を選んでみた。ラインナップは以下のとおりだ。

1位・赤塚不二夫。2位・谷岡ヤスジ。3位・山上たつひこ。4位・永井豪。5位・小林よしのり。

「○○が抜けてるぞ」「△△は絶対入ってないとおかしい」など、異論もあるだろう。皆さんも、自分版のベスト5を選んでみてください。

なお、赤塚氏自身が自らの作品の中で「一番好きな漫画」という『レッツラゴン』は、現在、古本で探すしかない。すぐに復刊するベラマッチャ!

 

 

変化を恐れず伝統を守る

(95日号)

世界でもっとも長く続いている企業は日本にあります。飛鳥時代から、寺社仏閣の建設を請け負ってきた「金剛組」という建設会社で、創業はなんと1400年以上です。

日本以外では、せいぜい600年程度。100年を超える老舗企業の数が10万社以上ある日本は「老舗企業大国」です。

これら、多くの老舗企業に共通している経営哲学の1つが「時代の変化に対応して、事業内容を変化させること」。

古くからロウソクを扱ってきたある老舗企業は、コピー機のトナーにロウを利用するという新しい技術を開発し、時代の最先端に乗ることができました。

昨年2月に1500号発刊を迎えたこの「東京建設新聞」も、今号から文字のサイズを大きくするし、より読みやすい紙面に変更しました。第1号から52年の歴史の中で、これは革新といってもいい変化です。

変化を恐れずに進むから伝統を守り続けることができるということは、伝統にしがみついて変化を恐れてはいけないということ。「新しい建設新聞」も変わり続けます。

  

 

岡崎さんが話してくれたこと

(81525日号)

8月はじめ、大崎中央支部の岡崎浄水さんがご病気のためお亡くなりになった。

7月中旬、お見舞いに病院を訪ねたとき、思ったより元気そうな岡崎さんは、ベッドの上でこんなことを話してくれた。

「戦争中、私たちの年代以上の人間は、『お国のために死んでこい』と言われ、兵隊に行かされた。その後、戦争が終わって平和にはなったが、街はすっかり破壊されていてね。そこから必死になって今のような国に立て直してきたのは戦争に行った私たち世代なんだ」

「でも、今年から高齢者だけ別にする医療制度ができて、私も建設国保からそっちに移らされた。この制度は、言ってみれば『年寄りは早く死ね』という制度だよ。60年前には、『国のために死ね』と言われ、今度は『国の邪魔だから早く死ね』と言われる。本当にひどいもんだ」と、以前より少し、か細くなった声で話してくれた。そして「一生に2回も国から『死ね』と言われるなんて」と声を震わせ、口惜しさが込み上げてきたのか、目には少し涙がにじんでいた。

岡崎さんと同じように、国から2度にわたって「死ね」と言われている方は、少なくないはずだ。

岡崎さんが亡くなったのは8月2日。ちょうど、79歳の誕生日を迎えた当日のことだった。改めて合掌。

 

 

値上げの理由

(725日号)

お店でお金を払おうとしたら「足りません」と言われた経験、最近してませんか? 最近、よく行く喫茶店でコーヒーを頼んだら10円の値上げがされて驚きました。ついこの前、20円ほど値上げしたばかりだと思っていたのに…

値上げの理由は、ずばり「原油価格の上昇」による原材料の上昇。コーヒー豆に関わらず小麦など、食料品ができるまでは、たくさんの原油が使われています。農業用機械や化学肥料、できた食料品を運ぶ船やトラックなど、あらゆる場面で使われている原油価格の上昇が、今の物価上昇につながっているわけです。

ニュースで毎日のように「原油価格が1バレル○○ドルを超えました」と報道されていますが、この価格を決めるのが「原油先物市場」と呼ばれる投資商品の市場です。原油や小麦、金などの「商品の未来の価格をやりとりする」投資商品に今、世界中のお金が急激に集まっているのが物価上昇の大きな理由です。

現在130140ドルの原油価格のうち、2040ドルが投資商品の影響だと言われています。バブル状態と言ってもおかしくないこの状況、日本からの投資も増え続けているらしいです。目先の欲求のために、自分の手足を食べているタコにならなければいいのですが…

 

 

わかりづらい言葉

(715日号)

インフォームドコンセント、予後、ステロイド、治験、寛解、血栓、浸潤、ターミナルケア…。

国立国語研究所がリストアップした「よく使われるのに患者がわかりづらい医療用語」100語の一部だ。これは同研究所がおこなったアンケートで、「医療・福祉分野の言葉がわかりづらい」との意見が多かったことから調べ上げたもので、今後は、言い換えなど、わかりやすく伝えるための指針をまとめるという。

ところで、わかりづらい言葉を使うといえば、労働組合も引けをとらない。そう、いわゆる「組合用語」というヤツだ。以前、知り合いとの会話で「教宣」という言葉を使ったところ、「あ、それ組合用語でしょ。今でもそんなコトバ使ってるんだ」とビックリされたことがある。

ちょっとここで、一般ではまず使われないであろう組合用語をいくつかリストアップしてみると。

「動員」「書記」「シュプレヒコール」「阻止」「総決起」「粉砕」「打倒」「団結」「闘争」「オルグ活動」…。なんか語源が軍事用語っぽい好戦的な響きの言葉が多いなあ。一般市民が聞くと、やっぱり退いちゃうだろうね。こんなこと書くと、「日和ってる」と言われるかもしれないが。

ちなみに「日和る」も、もちろん組合業界の言葉ね。

 

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