耐震偽装問題

1225日号)

地震は、いつ・どこで・どんな規模で起こるか、誰も分からない。この新聞が皆さんに届くころ、ひょっとしたら日本国内のどこかで大地震が起きているかもしれない。震度5でも壊れて倒れてしまうような強度しかないマンションに住む恐ろしさは、だれでもちょっと想像すれば、わかるだろう。

今回の耐震偽装問題に関連して、ある人がこんなことを言っていた。「マンションを建設中に、実際に工事現場にいて働いている人たちは、まったく分からないなんてことあるのかなあ。強度不足に気づいていたのに、そのまま建てていたのなら、倫理観に欠けていると言われてもしょうがないのでは」。

またある組合員さんはこう話してくれた。「現場で働いている人は、耐震強度が半分なんて代物なら、気がつかないわけないよね。ただ『これは危ない建物だな』と思っていても、上にはなかなか言いにくいと思うよ」。

もうひとり、こんなことを話してくれた人もいた。「確認審査が民間になったことが問題だという意見もあるけど、法的にいちいち他人に点検されなくたって、まともなモノをつくるのがプロでしょ。ほかの業種では考えられないよ」。

実際どうなのだろう? ぜひ皆さんの意見を聞かせてください。

 

 

皇室をめぐる話題

115日号)

最近の新聞やテレビをみていると、皇室や天皇制を話題にしているものがかなり増えている。

靖国問題。女性の天皇を認めるかどうかという論議も含めた後継ぎ問題。天皇家の長女の結婚一時金・約1億5000万円が多いのか、少ないのか。さらに改憲論議が盛んになる中で、新聞の投書欄では「そもそも主権在民の世の中で天皇制は不要なのでは」「いや、天皇制は国民の精神的な支柱だ」など、天皇制の存在自体をめぐってのやりとりも始まっており、紙面で盛り上がっている。

年配の方にとっては常識だが、昭和22年までは刑法の中に、「皇室の尊厳を害する不敬の行為」に対する「不敬罪」という罪があった。その「行為」は、@方法や場所を問わない、A公然かどうかも関係ない、というもので、なかには日記に書いただけで有罪になった例もあったとか。

そんな「不敬罪」の記憶のせいなのか右翼が怖いのか、つい近頃まで、皇室関係については、マスコミも市民も「触らぬ神に…」っぽく振る舞うのが一般的だった気がする。

冒頭にも書いたように、現在は少しずつ風向きが変わりつつあるようだ。どんなことでも自由に意見を交わしあえる世の中。これこそが一番望ましいはずだし、皇室・天皇制についても同様ですよね。

 

 

長いものには巻かれろ

1015日号)

今回の衆議院選挙のきっかけとなった郵政民営化関連法案が1014日、国会で可決成立した。衆院選で当選した前自民党の「反対組」13人のうち、引き続き「反対」に1票を投じたのはたった1人。参議院では、離党組2人をのぞいて、「反対組」20人のうち、19人が賛成にまわった。

たいへんカッコ悪いわけだが、言い訳を見てみると「民意を謙虚に受け止めた」「前回とは状況が変わった」など、要するに「長いものには巻かれろ」を実践しているらしい。

国会が民主主義(デモクラシー)に則って運営されているのは、皆さんご存じの通り。さて、その民主主義とはなにか。この機会に復習してみよう。

百科事典によれば、「個人の人権(自由・平等・参政権など)を重んじながら、多数で物事を決める原則」としており、その後にこんな記述がある。「単純な多数決と混同されることが多いが、多数決が単に多数であることに正当性の根拠を求めるのに対し、民主主義は最終的には多数決によるとしても、その意思決定の前提として多様な意見を持つ者同士の互譲をも含む理性的対話が求められる点でこれと区別される」

あれれ、だとすると国会って、民主主義ならぬ「単純な多数決」で運営されてるってことすか? 

 

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