ヘルメット

625日号)

最近、自転車屋さんの店先でこんな場面をみかけることがある。ハンドルのあたりに幼児用の座席が設置されたママチャリ。座席にすわっている2、3歳ぐらいの幼児はとても不愉快そうな顔だ。それも当然で、自転車屋のおじさんが、無理やりヘルメットをかぶせようとしてくるのだ。しかもお母さんまで、「どう、重くないわよね?」などとおじさんの味方をしている。

ヘルメット着用を義務づけた法案の提出などもあり、カラフルなヘルメットをかぶらされている幼児を乗せたママチャリが増えている。

ある統計では、自転車に子どもを乗せていた親の37%が、転倒などで子どもにケガをさせたことがあり、そのうち頭部のケガが3分の1を占めるという。だからヘルメットなのだろう。でもね。

夜間の無灯火走行。ケータイでしゃべりながらの運転。よく見る風景だ。いくら子どもにヘルメットをかぶせていたって、こんな運転をしていれば、いつ事故や転倒が起きてもおかしくないだろう。そうなれば、地面に体をうちつけた子どもは、骨ぐらい折るかもしれないな。頭だってガーンと衝撃がくるに違いない。

自転車の最前列に座らされ、ヘルメットで身を守る子どもたち。その顔は、やっぱりちょっとおびえてみえる。

 

 

見せたくない・見せたい

525日号)

「ロンドンハーツ」が2年連続でみごと1位に。「クレヨンしんちゃん」も3位と、相変わらず強い。そう、おなじみ日本PTA全国協議会が選ぶ「子どもに見せたくない番組」の調査結果だ。ドリフやコント55号の時代も、PTAが「ワースト番組」を選んでいた記憶がある。ってことは、もう30年もこんな調査を続けているの?

結果を見てみよう。ワースト10は、バラエティー7つ、ギャグアニメ2つ、サスペンス番組1。ベスト101位は「プロジェクトX」で、以下、「どうぶつ奇想天外!」だの「世界・ふしぎ発見!」だの、「楽しみつつ、お勉強にもなります」的な番組のオンパレードだ。親が子どもに読んでほしいマンガのトップは「日本の歴史」などの学習マンガらしいが、なんか似ていますな。

「見せたくない番組・見せたい番組」は、さらに@親自身は見たい・見ているが、子どもには見てほしくない、A親自身も見たくないし、子どもにも見てほしくない、B親自身は見たくないが、子どもには見てほしい、C親自身も見ており、子どもにも見てほしい、に区分できそうだ。

そこでPTAの方に提案します。来年の調査では、上記4つの項目で集計してみては? 面白い結果が出ると思うよ。 

 

 

中国の対日批判行動

415日号)

中国で起きている対日批判行動。きっかけは、321日に国連のアナン事務総長が、「常任理事国が増えるなら一つは日本」と発言し、中国国内で「歴史を反省しない日本にその資格はない」と反対の署名活動が始まったことだった。

その後、日本製品不買運動が広がり、各地で数万人規模のデモが繰り広げられ、一部では暴力沙汰も起きている。いっぽう日本では、怒りの火に油をそそぐような教科書検定結果が発表になっているのだが。

今回の騒動について、各国のマスコミはどのように見ているのか。朝日新聞412日号の記事の中から、各国のコメントをピックアップしてみると…。

ドイツ「中国の怒りが爆発したのは、首相の靖国神社参拝など日本が長年、侵略された隣人の感情を傷つけているから」。米国「日本の教科書が誠実に事実を伝えていない」「日本が過去を清算しない限り、近隣諸国との『未来志向の友好』の望みはない」。韓国「日本がまずすべきことは真の反省と過去清算」。

日本側には「過去の行為をいつまでも言うなよ」という感覚があるのかもしれない。が、各国マスコミが日本に対して指摘するのはこうだ。「“過去の行為を清算する”という“現在の行為”が、日本には足りないのだ」。さて、どう思います?

 

 

TOP    BACK