日韓関係 ( 3月25日号)1 年ぐらい前からだろうか。大手レンタルビデオ屋の入り口近くに、5000円札で買えるDVDプレーヤーが山積みになっているのを目にするようになった。後日、その事情を聞いて、納得した。お店側は、一体だれが、何のために買うと目論んでいたのか?皆さん、ご存じですよね。そう、レンタルしたDVDの「冬ソナ」を見る中高年の女性たちをターゲットにしていたのだ。その後、韓流ブームとやらが到来し、韓国製のドラマや映画が次々にヒット。韓国人俳優がマスコミをにぎわせるようになり、さらに日本女性たちが韓国各地に出没するようになった。 バーゲン会場でまわりのお客を押しのけるが如く、両国間の過去を吹き飛ばしていくこのストレートな「愛ある」行動は、見習うべきなのかも。 島根県の「竹島の日」条例制定を機に、日韓関係が悪化している。3月 23日にはノ・ムヒョン大統領が、@再軍備論議の活発化、A小泉首相の靖国神社参拝、B歴史教科書問題などで日本を批判する談話を発表した。が一方で談話は「日本国民全体と敵対してはならない」として、「政府と国民は別」ということを強調している。せっかく女性たちが築いた隣国との交流だ。男たちも黙ってないで、ほら何とか。
確定申告とライブドア ( 3月5日号)つい先ごろ終わったばかりの組合の申告相談会。「今回から配偶者控除と配偶者特別控除をダブルで引ける制度がなくなっちゃったんですよ」と説明すると、「そうなんですよねえ」と、すでに先刻ご承知で、あきらめ顔の組合員さんが多い。なかには「あれ?老年者控除はまだ今年はだいじょうぶなんですか」とか「来年は定率減税も縮小になるらしいし」と皆さんよく知っている。 相談会を始める前は、「組合員さんはどのぐらいご存じなのだろう」と心配していたのだが、さすがに暮らしにダイレクトに響く「増税」への関心はきわめて高いようだ。 税金相談会とほぼ時期を同じくして、毎日の新聞やテレビを賑わせていたのがあの「ライブドア」だ。「世代間の対立」。株式の「日本的なあなあVSビジネスライク」。「出る杭は打たれる」的な反応。騒動の観戦ポイントもいろいろあり、面白い。 それにしてもだ。「 1円でも節税するために病院や薬局のレシートをしっかり集めて大切にとっておく」確定申告と「数百億円の株を売買したり放送局を買収したり」する世界が、すぐ近所で同時に起こっているのだからねえ。この両者が日本経済の中でどう関係しているのか、ぜひ知りたいもの。どなたか、教えてください。
漢字力 ( 2月5日号)小学生を対象に「学校で学ぶ漢字がどれだけ身についてるか」を全国調査した結果が、新聞の 1面に大きく載っていた。記事の書き出しは「落書きを『楽書き』、人に仕えるを『使える』――」と、珍回答の紹介。まるで、大人たちに「ったく、いまどきの子供はしょうがねえなあ」と突っ込んでくださいと言わんばかりだ。しかし、記事を読みすすむと、「 80年にも同様の調査を行っている。80年調査と正答率を比較すると、読みは1ポイント増、書きは5ポイント増」という記述。つまり、いまの小学生のほうが、読み書きとも成績はいいのだ。いまのオトナたちに聞くと、「日頃、パソコンばかり使っているもんで、ぜんぜん漢字が書けなくなっちゃったよ」という人が多い。しかし。実は、「読み」だって、そうとういい加減なものなのである、オトナは。小さい頃から、ある漢字の読みを「○○」と思い込んでいて、大人になってから、他人にその読みが「△△」だと指摘されたこと、ありません? 大人を対象に漢字の全国調査をやってみたらどうなるか。新聞には珍回答の数々が羅列され、子供たちに「ったく、偉そうなこと言ってるけど、オトナのほうがダメじゃん」と突っ込まれる確率はかなり高いと思う。
大声で歌へ君が代 ( 1月25日号)「入学式・卒業式のとき、『君が代』だけ声が小さいぞ。ほかの歌と同じくらい声量を大きくして『君が代』を歌うように、生徒たちに指導しなさい」――昨年 12月、町田市教育委員会が、市内の小中学校長に出した通知文の概要だ。同教育委員会では、さらに1月から3月の事前指導の計画書提出なども求めているという。じつは昨年の春、福岡県久留米市の教育委員会も似たようななできごとを起こしている。久留米では小中学校の卒業式・入学式で歌われた君が代の声の大きさを調べて、大・中・小の 3段階に分類。「小」に分類された学校には「ちゃんと歌わせるように」と指導していたのだ。ちなみに音量を測る尺度は「個人の主観」だったそうだ。あまりにもトホホな調査すぎて、言葉もない。久留米市教育委員会に対する意見をいくつか見てみると――。「君が代は大きな声で歌うような歌ではないし、大きな声で歌うほうがいいなんて、音楽的にも意味がない」「声の大きさによって国家への忠誠度を測るような発想はおかしいのでは」などなど。 さて。町田市教育委員会の皆さんは、昨年の久留米でのできごとをもちろん知っているはずだ。その上で、今回のこの通知文。いったい何をしたいのやら。
組合創立 50周年( 1月5日号)今年は、日本という国にとっても、組合にとっても「節目」というか、ま、切りのいい年だ。日本にとっては、1945年8月 15日、太平洋戦争・日中戦争に負け、焼け跡から新たなスタートを切ってちょうど60年。組合にとっては、1955年(昭和30年)4月24日に品川区立荏原児童会館で「東京都建設労働組合」という名称で組合を結成してから50周年にあたる年なのだ。50 周年とか60周年とか、切りのいい年は、お祝いや記念行事がおこなわれることも多い。セレモニーも悪くない。でも本当は、「当時と現在を比較して、何がどう変化したのか、それはなぜなのかを検証し、将来のために生かす」のにこそ適した年でもあるのだ。東京建設新聞の創刊当時の名前は「都建労ニュース」。ガリ版刷り、わら半紙の 4ページもので、組合が結成される4日前の1955年4月20日に発行された。組合よりも少しだけ先輩にあたるわけだ。その東京建設新聞が当時よりも、組合員にとって役に立ち、みんなの声を反映する機関紙になっているか。ぜひ組合員の皆さんの意見を聞いて点検していかなければ。それではあらためて。明けましておめでとうございます。本年も東京建設新聞をご愛読のほど、よろしくお願いいたします。
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