会議

325日号)

 

組合員の皆さんはご存じないかもしれないが、実は、組合というところはけっこう会議が多い。組合の運動方針を具体化する「幹事会」(毎月一回開催)をはじめ、毎日とはいわないが、2、3日に一回は開いているのではないかしら。もちろん、何かを実行する上で、話し合って、意見をまとめるのは必要なことだ。しかし「会議が多すぎる」との意見もいただく。はてさてどうしたものか。

と思っていたら、週刊誌「ヨミウリウイークリー」が、「会議術」を特集していた。同誌によると、会議には「目的をもった会議」「定例(顔見せ)会議」「吊るし上げ(恐怖)会議」の3パターンがあり、「目的をもった会議」以外、ないほうがいいとのこと。

この特集の中で専門家が指摘する「典型的な悪い会議の例」を列記してみると――。@内容がないのにダラダラと長時間になるA定刻に始まらないB会議のテーマが不明瞭で、結論が出ないC報告ばかり。資料の棒読みD会議に出席していながら何も考えてきていないEひとの意見を要約して繰り返す、おうむ返し的発言F1人が延々としゃべっているG何も発言しないH「どうせ上のひと言で決まる」といった、あきらめ会議。

なかなか鋭いご指摘。さて組合の会議はどうだろう。

 

教育基本法改正

315日号)

「お国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す。お国のために命をささげた人があって、今ここに祖国があるということを子どもたちに教える。これに尽きる」「お国のために命を投げ出すことをいとわない機構、つまり国民の軍隊が明確に意識されなければならない。この中で国民教育が復活していく」

これ、戦前の発言ではない。時は、今年225日。場所は、都内のホテル。自民党・民主党を中心とした超党派の国会議員による組織「教育基本法改正促進委員会」の設立総会であいさつの際、発せられたことばだ。発言したのは、民主党の西村真悟衆議院議員(例の「刀剣友の会」事件などで有名な人)。なのだが、「教育基本法改正促進委員会」なる団体にはいったい何人の国会議員が名をつらねているのだろう。報道によると、名簿では235人とかなりの数の議員が加盟しているという。ちなみに最高顧問は森・前首相だって。

教育基本法を改正したい人たちが、いちばん強調しているのは「愛国心」を明文化することだという。が、彼らが考える「愛国心」とは要するに、「お国のために命を投げ出すことをいとわない」心だけを指すのだろうな。

この人たち、次は「徴兵制」って言い出すよ、きっと。

 

鳥インフルエンザ

225日号)

嫌な予感がしていたのだが、やっぱり現実に起こってしまった。

場所は三重県津市の神社。そこでは約80羽のチャボやウコッケイが放し飼いにされていた。ところが、山口県に続き、大分県で鳥インフルエンザにかかったチャボが見つかった後、参拝客から苦情が出され、鳥インルフエンザに感染していないにもかかわらず、すべてを「処分」(窒息死)してしまったのだ。また、大分での鳥インフルエンザ感染チャボ発見後、全国各地で、学校や幼稚園などから「飼っているチャボや鶏を“処分”したいのだが」という問い合わせが、獣医師会に相次いでいるという。

こうした反応がおきるのにはいくつかの理由が考えられる。鳥インフルエンザという病気やその感染のしかたに対する知識不足も大きいだろう。が、病気でもない鳥をいきなり「殺せばいい」という発想はどこから出てくるのか。みんなが自覚しているかどうかはさておき、日本では「排除の論理」や「排他性」が根っこにありそうな出来事・事件が結構多い。今回のできごとと結びつけるのって、少し考えすぎかしらね。

それにしてもペットを簡単に「処分」しようという感覚。将来、仮に「チワワインフルエンザ」なんて病気が表面化したら、どうする?

 

 

高齢者の税金

 

215日号)

「年寄りは、ダラダラ生きていないでさっさと死ねってことなのかしら」。世間話をしていたときに、70代の女性が発したことばだ。彼女は数年前に夫と死別し、年金とわずかな不動産所得が収入のすべて。「来年から老年者控除はなくなるし、年金の所得控除も引き下げになるし。所得税がだいぶ上がりますよね」と話しかけると、「それだけじゃないのよ」とこう説明してくれた。

「老年者控除廃止と年金への課税分だけで、まず所得税がグーンと上がるでしょ。さらに住民税や健康保険料も所得税と連動してアップするしかけになっているから」。彼女が語る「負担の増加」はさらに続く。書きだしてみると?。@所得税の定率減税の廃止、A介護保険料の引き上げ、B年金に対する、新しい物価スライド調整の導入、C消費税の増税、などなど。

高齢者へ課税強化する理由について、政府の説明はこうだ。@年金は控除額が大きい。経済力と関係なく一律の優遇で不公平。A老年者控除は、実質的に年齢のみを基準に高齢者を優遇している。B高齢者が現役世代より優遇されているのは問題だ。優遇措置は減らし、高齢者ももっと負担すべき。

彼女は反論する。「優遇? 今だって贅沢とは無縁のくらしなのに。どう節約すりゃいいのよ」

 

大量破壊兵器

25日号)

この1月、イラクでの大量破壊兵器調査団長を務めていたデビッド・ケイ氏が、調査結果として「もともと存在しなかった」とのコメントを発表した。当初、イラク攻撃の理由として米国・ブッシュ大統領が言った「フセイン政権は大量破壊兵器を持っている」は言いがかりだったわけだ。

過去、「言いがかり」を「大義」として戦争に突入しておびただしい数の人を殺し、町を破壊した例は多い。日本軍も今までに何回も使っている方法だ。今回のイラク戦争も、またまた同じやり口で始まった殺戮行為だったのが明らかになったことになる。

昨年3月、小泉首相は「イラクは大量破壊兵器をもっている」と断言して、イラク攻撃を即座に支持。今回のケイ発言があった後も、「持っていないとは断言できない」と言っている。

日本は「大量破壊兵器を持っていない」ことになっているが、技術的にも材料の面でも所有する力があることは明白だ。どこかの国から「日本が大量破壊兵器を所持しているのは間違いない」と言われ、国中を探し回っても何も出てこない場合、その後は具体的にどうすれば「ないこと」を証明できるのか。小泉氏自身も「日本が絶対に大量破壊兵器を持っていない」ことなど証明できないと思うけど。

 

 

クマノミ

125日号)

お正月に大ヒットした映画『ファインディング・ニモ』。人間に生け捕りにされた息子のニモを助けるため、冒険を繰り広げる熱帯魚(カクレクマノミ)の父親が主人公だ。ラストでは、間一髪でニモを救出。故郷の海へ帰ることができて、めでたしめでたしとなる。

が、本物のカクレクマノミにとってはとんだ災難が待っていた。この映画の大ヒットがきっかけで、熱帯魚店ではカクレクマノミが次々に売り切れ状態になり、さらには乱獲・密漁も横行。沖縄では、県内各地でクマノミが減少しているとの報告が相次いでいるのだ。

ふつう、この作品を見たら、「野生の動物をペットにすることの身勝手さ・自然の大切さ」などへ発想が行きそうなものだ。が、現実は映画のはるか上を行く。映画そのままに数多くのニモたちを生け捕りし、水槽で飼う人が急増しているのだから。

「日本人は自然を愛でる国民だ」なんて、ありゃ大嘘だね。

自衛隊のイラク派兵に関する世論調査では、じょじょに「賛成」が増えてきた。水槽の中の熱帯魚を見るようにテレビの中の戦争を見ている私たち。「日本人は平和を愛する国民だ」というまことしやかな言葉もよく聞くが、これって本当に事実なのか。あなたはどう思います?

 

 

平和を選択する岐路の年

15日号)

「テロに屈せず、イラクの復興支援に積極的に取り組むという国の基本方針が揺らぐことはない。今は亡くなられた方々のご遺志を受け継ぐことが、最大の供養であり、責務」。昨年1129日イラクで襲撃され亡くなった奥参事官、井ノ上三等書記官への川口外務大臣の追悼メッセージだ。

旧ろう9日には小泉首相がイラク復興支援・国際貢献の名の下に自衛隊派遣を決めた。「非戦闘地域への派遣。武力行使はしない」という。現在のイラクに安全地帯などあるのか。テロや襲撃にあったらどうするのか。国際協調は自衛隊の派遣でなければいけないのか。疑問はつきない。

昨年青年部の旅行で沖縄へ行った一人の部員は「ひめゆりの塔や旧海軍司令部壕などを見て、平和について考えさせられた。戦争の話はとてもショックを受けた。今のイラク情勢と重なって複雑な気持ちになった」と感想文を寄せている。戦争の悲惨さを目の当たりにして、平和の尊さを実感しただろう。自衛隊のイラク派兵は戦後58年を経て、平和国家「日本」の行く末を懸念せざるを得ない。

今年813日には”平和の祭典”アテネオリンピックが開催される。日本にとって、国際社会にとって2004年は本当の平和を選択する岐路の年となりそうだ。(S)  

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