イラクこの1

1225日号)

今年イラクで起こった、世界史に残る一大事件を振り返ってみることにしよう。

3月、米・英の連合軍は、国連の決議を無視して、イラクの首都バグダッドを空爆するとともに国内への侵略を開始。軍事力の圧倒的な差もあり、わずか1カ月足らずでフセイン政権を倒し、占領軍主導の暫定統治機関が誕生した。

「攻撃=侵略」の理由については、当初「イラクが大量破壊兵器を保持しているため」としていたが、大量破壊兵器は見つからず、その後理由は二転三転。現在の占領政策をみると、「石油利権を手に入れるのが目的」という説も真実味をおびてきた。

フセイン政権はなくなったが、イラク国内では今もイラク人と米軍等との殺し合いが頻発している。つまり戦争状態だ。ひとつには元イラク体制派によるもの。もうひとつが国民の生活をよくする方向には一向に進まない占領政策へのレジスタンスとみられる。

なお、12月には米軍がイラクの大統領フセインを拘束。CIAが取り調べを担当することになった。CIAは過去何回もフセインの暗殺に失敗しており、さらに「大量破壊兵器が存在する」とのいい加減なネタを流した、いわば「因縁の仲」。まさか取り調べ中に暗殺するわけにもいかないだろうけど。

 

 

年甲斐もなく

125日号)

テレビ番組の一コーナーに「友達親娘選手権」というのがある。その影響だろうか。最近、本当に「友達親娘」(を明らかに意識した親子連れ)が増えているような気がする。

ちょっと説明が必要だろう。「友達親娘選手権」とは、街中を歩く女性同士の2人連れの中から、「見た目は友だち同士だが実は親子」つまり「母親が異様に若く見える」人たちを探し出してきて、その「若さ」を競うというものだ。

この場合、若さとは具体的には「若い人向けのファッション」をして、「若い人なみの体型」を維持していること、を指すらしい。番組を見ている同じ世代の女性は、半分うらやましいと思いつつ、「年甲斐もなく」と揶揄的に見ている部分もあるのではないだろうか。確かに若づくりが「やりすぎ」だし、ファッション面に限定していてイマイチなのも事実だ。

でも「年甲斐もなく」ってそんなに変なことなのかしら。年齢のせいにして自らの行動を自主規制してしまうよりはよっぽど良いと思うのだが。

親子でチョモランマに登った三浦雄一郎・豪太両氏のような登山界の「友達親子」という例もある。ファッションだけに限らず、あらゆる分野で「年甲斐もない」大人がもっともっと増えてくると面白いんだけどなあ。

 

 

点検が必要

1115日号)

「一九四三年、ナチス政府は世界に先駆けてアスベストに起因する中皮腫と肺ガンを労災と認定して補償対象にした」。ナチス政府がおこなっていた健康政策についての本『健康帝国ナチス』にある記述だ。某番組ではないが、「へえー」である。ちなみに日本が同様の措置をとったのは1978年のこと。

ナチスと聞いてまず連想するのは、極端な優生思想とその果てのユダヤ人大量虐殺だろう。私たちは、その思想や所業を「異常」とも「狂気」とも感じる。でも当時のドイツ国民の多くがナチスの政策に賛成していたからこそ可能だったのも事実である。そのことは忘れちゃまずいだろう。

10月、石原都知事が「韓国併合は彼ら(朝鮮人)の総意だ」と発言し、韓国政府や在日韓国人・朝鮮人団体などからモーレツな非難を浴びている。氏がこれまでも「三国人」発言、「中国人犯罪者の民族的DNA」発言など中国人や朝鮮人への民族的な差別意識をむき出しにした言動を繰り返しているのはご存じのとおり。

が、そんな石原都知事の人気はバツグンだ。彼が暴言を繰り返す背景には「市民だって、心のどこかでそう思ってるはず」との認識があるのではないかな。私たち自身にそうした差別意識はないのか。これ、点検が必要ですよ。

 

 

小選挙区制

115日号)

あちこちに衆院選候補のポスターを張った看板が立っている。9人以上張るスペースがあるが、3枚ぐらいしか張っていないところも多い。アレを見ていてつくづく思う。「小選挙区制度ってつまらないなあ」

この制度、「死に票が多い」との問題点が指摘されているが、さらに「選挙区」で落選しても、「比例」で当選するという、ゾンビのような仕組みも腑に落ちない。「二大政党制」による安定した政治運営をめざすため導入したらしいが、「二大政党制の方がいい」なんて、国民はいつ言ったのだろう。逆に世論が誘導されているような気もするのだが。

などというゴタクはともかく、なんたって選択肢がなさすぎる。数人が立候補していても、当選の可能性があるのは、「AかBのどちらか」というのが現実だろう。したがって一票を「死に票」にするのが嫌なら、「AかB」に入れざるを得ない。この時点で、「C・D・E」各候補は「政策」や「選挙公約」に賛成できる部分があったとしても、見捨てられる。結局、AとBの選挙公約(だかマニフェストだか)やら顔つきやらを見比べて、ささいな違いから、よりましな方を選ばなければならない。

小選挙区、ひょっとして投票率を下げるために導入したのか?

 

 

アンケート結果

1025日号)

9月に開かれた全分会活動者会議で、参加者にアンケートをとった。結果は、本紙105日号に掲載したのでご覧になった方も多いだろう。今回とったアンケート調査の最大の特徴は、ズバリ「答えてくれた人があまりに少ないこと」。出席者144人全員に配布して回収できたのは41枚。回答率にして約285%という数字である。

選挙などでも投票率が3割を切ると、かなりの低さといえる。だが今回のアンケートはわざわざ投票所まで出向いてもらうわけではなく、その場で書いてもらったものだ。しかも、「結果は新聞で発表するなど、組合員全員に伝えて役立てるようにするので必ず提出して」とお願いしたのだが。当日の会議のテーマが「活動家の役割」だったのは、皮肉というかなんというか…。

当然、幹事会では回答数の少なさに話が及ぶかと思ったが、発言は皆無だった。幹事の人たちの回答率を聞いてみたいような気もするが、答えを知るのがコワイ気も。

参加された皆さん。来年こそご協力を、切にお願いします。

などと人のことばかりは言ってられないのだ。アンケートでは、組合の新聞についてもいろいろな要望・意見が寄せられた。せっかくいただいた意見を無駄にしないためにも、できることから実現していかねば。

TOP    BACK