もっとアピールを

925日号)

近頃、週刊誌で「住宅リフォーム業者にご用心」といった記事が目につく。913日号の「週刊朝日」では「住宅リフォームぼったくりに気をつけろ」、919日号の「週刊文春」では「悪徳リフォーム会社があなたの大事な家を狙っている」と題し、それぞれ3〜4ページの特集記事を組んでいる。

内容はいずれも、同様だ。訪問販売・飛び込み営業でやってきたリフォーム業者のずさんな工事で被害に遭った実例を列挙(中には町場の業者によるものとおぼしき被害例もある)。リフォームによるトラブルが全国で急増していることを説明し、続いて「だまされないためにはどうしたら良いか」として、信用できる業者の見分け方、依頼する時の基礎知識とすすむ。

以前の「欠陥住宅」報道につづいて今回のこの報道。いくら、組合の仲間が「俺たちはそんな業者とは違う」と思っていても、一般消費者には「違いがわからない」のが実情だろう。

10月から11月にかけて、組合の各支部・地域で秋の住宅デーが開かれる。こうした悪徳業者と私たち町場の業者との違いを消費者に訴え、アピールすること。今年の「住宅デー」でやるべきことなのはコレではないかしら。イベントの工夫も大切だけど、本来の目的を見失わないようにしないとね。

 

 

あれから1年・この1

915日号)

911日。テレビ局は「待ってました」とばかりに、あの映像を何回も何回も画面に登場させた。たぶん来年も、さ来年も、911日が来るたびに「旅客機が激突し、崩れ落ちていく高層ビル」を目にすることになるのだろう、私たちは。

では、あのテロ事件をきっかけにこの1年に何があったのか。

米国ではこんな具合だ。「アルカイダの犯行によるもの」と公言したブッシュ大統領は、本拠地と目されるアフガニスタンへ遠征して戦争を開始。国土を破壊し多くの民衆を殺害し、現在も8000人に及ぶ米軍が「アルカイダやタリバーンを壊滅するため」と称して、長期駐留を続けている。それだけではない。自国を攻撃されて逆ギレしたのか、手前勝手に「悪の国」をご指名。イラク攻撃は時間の問題となっている。

小泉政権も、米国への協力を惜しまないのはご承知の通りだ。米国がアフガンへの攻撃を開始するにあたり、すぐに賛意を表明し、お手伝いのための「テロ特措法」を立法化。有事法制化もその流れによるものだ。また、米国によるイラク攻撃に備えてテロ特措法改正に進む可能性もあるという。

どうやらこの1年で世界は確実に悪い方へ加速しているようだ。テロによる犠牲者たちはこんな未来を望んでいたのかしら?

 

 

都会の野生動物

95日号)

動物園や水族館で見る。ペットとして飼う。都会に住んでいると、ネズミや野良猫を除けば生きた動物とじかに接する機会なんて限られたものだ。野生動物、しかも哺乳類をナマで見るチャンスなんてめったにないもんなあ。「野生動物とどう接したらいいのか」「どう接してはいけないのか」なんて知ったことではないのだろうな。

アゴヒゲアザラシは、北極海が本来の生息地だ。といっても14年前には大分で見つかって保護されているし、昨年は三河湾と木曽川で目撃されているから、中にはとんでもない遠くまで旅をする冒険好きな奴らがけっこういるのかもしれない。

しかし、今回、鶴見川・多摩川という「大都会の」「汚れた」川に入って来てしまったのは、ちょっとマズかったようだ。

ちょうど夏休みの最中ということもあってか、連日、大勢の見物客が押しかけ、大声で「タマちゃーん」と呼びかけたり、テレビ局はアザラシの「絵」欲しさに、夜間も川面をライトで照らしつづけていたという。見かねた日本動物愛護協会は、近所の住民とマスコミに向けて「見物に行かないでください」と、お願いの手紙を発表している。

アザラシのほうも、「こんな野蛮な動物がいるのか」と、さぞタマげたんじゃないかな。

 

 

異常なこと

825日号)

今年は異常気象に大変悩まされましたね。

7月に入って、本来ならば、9月にならなければ来ないはずの台風が次から次へと、上陸こそしなかったが、日本をかすめて、梅雨前線を刺激して、各地に大雨の被害をもたらした。

日本と韓国との、同時開催のワールドカップ。日本各地で、何万人も入場できる会場を作って、各国との交流を強めて、ある程度の経済効果は上がったかもしれないが、その後こんな辺鄙な所に、何人の人が集まってくれるのか。何億何十億の金を使って、これも大変異常だと思う。

日本の国技の大相撲名古屋場所でも、異常だったと思う。千代大海が2度目の優勝を飾り、朝清龍の活躍はいいとしても、幕内、十両力士が16名も欠場では、野球で巨人の松井、清原らが抜けた試合と同じ。横綱・貴乃花の7場所連続休場はどうなのだ。相撲人気の落ちるのは当たり前。

プロ野球でも、開幕当初は、異常とも言える阪神タイガースの、あの昨年までの、ダメ虎が、星野猛将の下で、昨日も勝ち、今日も勝ちの勢いも、67月になると、異常さがなくなってしまった。若武者井川、薮、ムーアで追いつけられるのか。巨人でも今年高卒出の真田がいる。桑田、清原らの年配者も。5球団頑張って。【H・T】

 

 

ふさわしい人物

815日号)

お札、つまり紙幣の顔を飾るのにふさわしい人物ってどんな人だろう。そんなことを考えてしまった。

先日、政府は平成16年から新しい紙幣に移行することを発表した。それによると、1万円札には福沢諭吉が留任。5000円札と1000円札には、それぞれ新渡戸稲造と夏目漱石に代わり、樋口一葉と野口英世が就任するという。

樋口一葉といえば、父親や長兄の死亡により、17歳にして一家の大黒柱となり、洗濯や針仕事、駄菓子屋などで苦しい家計をささえたが、24歳のとき肺結核で早すぎる生涯をとじた小説家。また野口英世は、東北の極貧の家庭に生まれ、左手のハンディキャップにもめげず医学の道をこころざし、世界的な業績をあげたがアフリカで非業の死をとげた人物だ。

早い話が両者とも、貧乏にはたいへん苦しんだ人間である。自分の顔がお札に使われることになると知ったら、さぞ戸惑うことだろう。この二人の業績をたたえるのに、「お札の顔に使う」という方法は、そぐわないんじゃないかな。

では、どんな人物がお札にふさわしいのか。「お金とは、つまり権力なのだ」ということを主張したいなら、間寛一や田中角栄というのはどうだろう。エコノミックアニマルの国にはぴったりだと思うのだが。

 

 

 

風物詩

725日号)

毎日、いちおう新聞は読んでいるのだが、国際欄は、ただめくるだけで見出しも見ないことがほとんどだ。たまには目を通してみるか。

一目みて気づくのが、戦争・紛争・内戦に関連する記事が圧倒的なスペースを占めていることだ。米国では、ブッシュ大統領がイラクへの先制攻撃に積極的な発言をしている。アフガニスタンでは今もなお米軍による爆撃が続いており、誤爆も多発している。イスラエルとパレスチナの間は、和平どころか殺しあいは激化する一方だ。ほかにもスーダン内戦、インド・パキスタン紛争などなど、地球上では、人と人との殺しあいが現在進行形で進んでいるのが伝わってくる。

若者たちの間で口コミで評判となり、渋谷のミニシアターでロングラン興行中の映画がある。ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国で起こったボスニア紛争を舞台にした作品、「ノー・マンズ・ランド」がそれだ。戦争映画といっても、戦闘シーンはほとんどない。が、見た後、世界中で起きている「戦争・紛争・内戦」についても考えを巡らさずにはいられないような内容だ。

自戒をこめて言うのだが、1年に一回、8月になるとまるで風物詩のように「平和特集」を組んでいる新聞や雑誌やテレビは、考えを改めた方がいいですね。

 

 

キャパシティー

715日号)

7月5日。日比谷野外音楽堂で開かれた中央総決起大会でのことだ。組合事務局の面々が参加者の座席を確保するために会場に到着したのが午前9時50分。開会3時間10分前のことである。東京建設には、指定席ともいえる座席位置があるのだが、この日はすでにその一帯を他の組合に確保された後だった。しかたなくいつもより前の方に席をとったという。

その後、東京建設によって席を追い出された形になった別の組合では、座る場所がなくなって地べたに座らざるを得なくなり、「書記の連中はなにをやってたんだ!」との声も飛んでいたとか。

全建総連では毎年7月と11月に、日比谷野音で決起大会を開いており、参加者は毎回6000人から7000人に上る。全建総連からの「組織の○パーセントの動員をお願いします」という通達によるものだ。かたや日比谷野外音楽堂の定員は、座席数が2664席。収容者数の倍以上の人に動員がかかるのだから、毎度毎度音楽堂の外まで人が溢れ返っているのも当たり前である。

11月にも決起大会がある。きっと、あのムナシくて得する人などだれもいない席取り合戦はますます激化していくのだろう。

素朴な疑問がある。なぜ会場のキャパにあった参加者数を設定しないのかしら。

  

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