ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

625日号)

中高年を中心に、「社交ダンスがブーム」と言われたのは、もう随分前のこと。組合員や家族の人たちの中でも、「私もダンス教室に通ってるのよ」という話は、よく耳にする。数年前には、映画「シャル・ウィ・ダンス」がヒットし、すっかり定着したようだ。

社交ダンスにもいろいろな種類があるが、マンボ・ルンバ・チャチャチャが、みんなキューバで生まれたリズムだというのはご存じだろうか。陽気なラテンのリズムには、南国の暑さがよく似合う。

そんなことも影響してか、中高年のお客さんが大勢見に来て、半年間という、単館ロードショーとしては異例のロングランを続けている映画がある。「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」がそれで、「米国人のロック・ギタリスト、ライ・クーダーがキューバに渡り、昔、キューバ音楽界の花形として活躍した人たちと共演する」という内容のドキュメンタリー映画だ。が、キューバ音楽といっても、社交ダンスの音楽を想像していると、ちょっと違う。洗練されており、それでいてどこか懐かしくなる素朴さも兼ね備えた演奏と歌。

日本の現在のヒット曲には、それなりの良さがあるのだろう。しかし、若者には表現できない、味わいのある音楽も悪くない。

 

 

後継者は大切

615日号)

4月から5月にかけて行われた支部総会が、無事、すべて終了したことは、前号でお知らせした通りだ。なかなか明るい話題が見つからない中、戸越支部の「支部青年部が復活」、田園都市支部の「全支部で唯一の前年比プラス」の報告は、大ヒットだったのではないだろうか。

「うちの支部では、毎月、3日と13日の2回、支部会議を開いているんですよ。当初は、月に2回のやったって、話すことなんてあるのかなあ、と思っていました。でも、とんでもない。組織拡大のことや支部活動のこと。議題はいくらでも出てきます。最近では、終わりが夜10時をまわることもしばしば。拡大できたのも、そんな支部員の努力と無縁ではないのでは」。田園都市支部の役員の方が、こう感想を話してくれた。

戸越支部の吉報に続けとばかりに、「後継者の育成」「新しい活動家の発掘」「若者が参加できる態勢づくり」「青年部の組織強化」など、青年対策・後継者対策を、運動方針の重要課題として取り上げている支部も多く見られる。

「遊んでばかりいる」等、何かと青年部への風当たりが強いらしい。が、後継者対策の観点から捉え直すことで、「組合全体が克服すべき課題」として議論を一歩進めていく時期ではないのかなあ。

 

 

政治家の本音

525日号)

石原知事もそうだが、森首相の一連の発言も、根底に差別的な人権感覚があるように見受けられる。「大阪たんつぼ」発言、「農村エイズ」発言、「沖縄」発言。そして、今回の「日本は天皇を中心とした神の国」発言。もともと首相になった時から、側近はこの人の「失言」がいつ出るかとビクビクものだったらしい。さすがに周りの人は、人となりをよくご存知でいらっしゃる。国民は決して、「誤解」などしていない。正しく理解しているからこそ、問題にしているのだ。

マスコミでは、どれも「失言」という表現が使われているが、本当にそうだろうか。辞書によれば、「失言」とは「言ってはならないことを、うっかり言ってしまうこと。また、そのことば」とある。が、森首相の発言は、どれも本人の価値観、主観を如実に反映したものばかりで、「本音をありのまま」に言っているだけだ。「うっかり発言」とは別物だろう。

政治家が自分の価値観にしたがって意見を口にするのは、当たり前のこと。本音だからこそ、その中身と責任が問われてくる。自民党内では、本音を言ったのがまずかったという意見もあるらしい。とんでもないことだ。政治家には、「紙頼み発言」などしないで、ぜひ、本音でしゃべってくれることを望みたい。

 

 

ウソがばれた

425日号)

神奈川県警、新潟県警、上尾警察、青木官房長官等々。他にもまだ沢山ありそうだが、いちいち挙げてゆくと、それだけでこの欄が埋まってしまう。この辺でやめておこう。心当たりのある方々にに一言、申し上げたい。「すぐばれるようなウソはつくな!」。

神奈川県警が先鞭をつけたときは、「他でもやっているんじゃないか」と考える人も多かったのでは。それにしても出るわ出るわ。過去、どれぐらいだまされていたのか考えてみると、空恐ろしくなってくる。

今回、彼らの発言に共通しているのは、最初から「この人の言っていること、ウソっぽいなあ」と、みんなに感じさせてしまうような、疑問だらけの内容だ。そして、早ければ数日後、案の定、ウソがばれる。それに対して、また虚偽で真実を隠そうとし、またまたウソがばれて…。

あまりにも「その場しのぎ」な行動。官僚機構の発達とともに、「お上」意識が強くなり、外部の誰からも批判などされないだろうとタカをくくっている面もあるだろう。閉鎖性や秘密性も問題がありそうだ。しかし、実際は、とっさの事にうまく対応できずにオロオロした結果が、あのお粗末な行動だったのではないか。

どうやらこの状況、スギ花粉と同様に、日本全国に蔓延しているようだ。

 

 

ファイト!橋本

415日号)

「やめないでくれ」というファンの絶叫が会場に響いたという。といっても、「お兄ちゃん」の事ではない。プロレスの話題である。47日、東京ドームで橋本真也と小川直也のシングルマッチが行われた。過去4試合、橋本と小川は因縁試合を続けて来ている。橋本は長髪を丸刈りにし、「負けたら引退する」との決意でこの日に臨んだ。

実は、橋本選手、東京建設青年部にとっては、少なからぬ縁がある。もう6、7年前のこと。組織拡大のための一大イベントとして、青年部が六本木で300人パーティーを開いた事がある。この時、特別ゲストとして参加してくれたのが、橋本真也だ。パーティーの最後には、青年部へのエールとして、自ら「123、ダーッ」と決めてくれた。また、橋本夫人とお子さん達も、青年部主催のイベントには、たびたび顔を出してくださっている。

試合の方は、2人の師匠、アントニオ猪木も「100点以上」という充実した内容だったが、残念ながら、小川にKO負けを喫した。橋本選手にお願いしたい。男の意地もあるだろう。しかし、体力も気力もまだまだ一流だ。「引退」などともったいない事は言わずに、ぜひとも、再びリングに立ち、そのファイトで、青年部を励ましてはくれないだろうか。

 

 

生命保険と労災保険

45日号)

 和歌山で、長崎で、埼玉で。ここ数年、保険金殺人の話題がやたら、目に付く。生命保険自体は、「後に残された家族のために」などと言われて、入る人も多いのかもしれない。それにしても、一人の人間に10億円もの保険金が出るような生命保険のシステム自体、そもそも異常ではないだろうか。

 先日、じん肺を数多く診察しているお医者さんが語っていたという、こんな話を聞いた。じん肺という病気は、建設業の人が多い。診察に訪れる彼らと話をしていると、「自分が労災保険に入っているかどうか、分からない」患者さんがものすごく多いのだそうだ。他の産業と比べても、あまりに多いので、「一体、どうなっているのか」と、そのお医者さんは、ビックリしたとか。

労災保険は、労働者のための保険だが、一人親方や事業主も入れる特別加入制度もある。今月の7日から、新規受け付けも始まるので、まだ入っていない方はぜひ。奥様方も、ご主人がちゃんと、労災保険に加入しているかどうか、一度、尋ねてみてはどうだろう。

「知らないうちに高額の生命保険に加入させられていた」というのも危ないが、「労災保険に加入していると思っていたら、実は入ってなかった」のも、同じく危険なことには変わりないのだ。

 

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