健康診断

(9月25日号)

「今日のために、1週間前から酒を抜いて、体調を整えてきたんだよ」。9月18日に行われた組合の健康診断で、60代のある組合員さんが話してくれた一言だ。20分ほどですべての検診を終え、さっぱりした顔で出て来たその人、「さあ、家でゆっくりビールを飲むぞ」と、足早に帰っていった。

年一回行われる組合の健康診断。年を追うごとに受診者が増え続け、今年は約500人が受けた。「私は、まだ」という方も、来年はぜひ。

病気になったときは、建設国保が強い味方だ。とはいえ、まずは病気を予防すること。そのためには、日ごろからの健康管理と、定期的に健康診断を受けることだろう。毎年、健康診断の時期が来ると、そう思うのだが、すぐに「まあいいや」で、あっと言う間に1年が経ったことに気がつく。我ながら情けない話だ。

最近、左党の人が喜びそうな発表が、厚生省から出された。「1日1合のお酒は体に良い」というものだ。しかし、1日1合でピタッと止められる意志の強固な人が、どれだけいるのだろう。つい、過ぎて飲んでしまい、「まあ明日は抜くから」と自らに言い訳し、翌日も同じ事を繰り返す人も多いのでは。

意志の弱い人でもできる健康法をご存知の方、ぜひ組合まで、ご一報のほどをお願いします。

 

 

バイアグラ

(9月15日号)

厚生省は、今年1月にスピード承認した「バイアグラ」の服用により、承認されてから心筋こうそく等で33人が病院に運ばれ、そのうち2人が死亡したと発表した。この数字以外にも表面に表れない患者もいると思われる。

驚いた事に33人のうち死亡した2人を含め、25人が個人輸入等の方法で「バイアグラ」を入手。意志の処方なしで服用した結果、副作用等によっての発病らしいが、因果関係は明らかになっていないようだ。

以前からこの薬は副作用が強く、特に心臓に病気のある人の服用は必ず医師の処方を、との注意が守られていない。しかし、服用した側にも本当に性的不能で、医師に相談する事が恥ずかしくてという人はともかく、大方の服用者は興味本位といっても過言ではないと思う。その証拠には「バイアグラ」の輸入代行の業者、アダルトショップ店、個人代行業者、暴力団等のいい商売になった事は事実だったろう。薬が承認されてからは一時期のような事が少なくなったようだが、それでも潜在的にまだまだ需要があるらしい。

興味や好奇心での服用で、一時的な快楽を味わってあの世行きでは、あまりにもおそまつだが、人間色気と食い気がなくなったらば終わりという。悲しい人間の性だ。

 

 

スポーツの夏

95日号)

処暑を過ぎると秋の気配を感じる。自然の摂理と暦はうまくしたものだ。この8月はスポーツイベントが多かった。夏の甲子園、全国高校野球大会は群馬代表の桐生第一が初優勝したが、プロ野球の法は、佳境にさしかかっている。我がジャイアンツはメイクミラクル、逆転優勝あるのみだ。

スペインのセビリアで開かれていた世界陸上が29日に閉幕した。テレビ観戦の時間もあまりなかったが、女子100メートル競走、金メダルのマリオン・ジョーンズのファンになってしまった。駆けっぷりもいいが、あの笑顔がすばらしい。何とも言えない愛らしさがある。200メートル競走でアクシデントを起こしてしまったが、再起を期待したい。

ボクシング界で一世を風靡した浪速のジョーこと辰吉丈一郎が、世界戦に敗れて引退した。「人間くさったらあかんで」と、浪速男のド根性で、こちらは第2の人生に向けて歩きだした。一方で9月12日から始まる大相撲は、新大関に昇進した出島が注目されている。番付を見て「大関の重みを感じる」といっていたが、その出足と押し相撲に期待したい。

我が組合も9月から組織拡大月間に入った。4000名回復に向け、一人が一人の拡大目刺し頑張ろう。拡大も、出足と押しの一手だ。

 

 

国旗・国歌法

825日号)

89日、「国旗・国歌法」が成立した。あまりにも性急・強引な採決。教育現場での強制はしないと言いつつ、管理強化のため、強権発動もありそうなあいまいな政府答弁。「天皇の軍隊」による侵略のシンボルとして「日の丸・君が代」を使用してきた過去の歴史への反省や、現在の民主国家・日本との整合性。多くの問題点が指摘されているのはご承知の通りだ。

ところで、過去いやおうなく日の丸・君が代と対峙しなければならなかった海外の国では、今回の法成立を、どう見ているのだろう。日本による植民地支配下にあった韓国では、ガイドライン法と連続した動きとして捉えているようで、「一連の戦後清算作業の象徴的事件」「日本の右傾化」として警戒感を強めている。また、侵略を受け1000万人の犠牲者を出した中国でも、右傾化を懸念する声が高まっているようだ。

9日夜のテレビニュースでは、ある識者が「戦後が終わったというよりも、戦前が始まったと見るべきですね。この後に続くのは、治安維持法か、憲法改正か…」と語っている。単なる杞憂に終わればいいが。どちらにしろ、「オリンピックで日の丸が掲揚され、君が代が演奏されて感動しました」といった情緒的な、のどかな視点とは分けて考えないと。

 

 

炎天下、お疲れさまでした

8月5・15日号)

「何なのだ、この高校生は」とビックリしたのが、ちょうど1年前のこと。何しろ、甲子園大会の決勝戦という晴れ舞台で、ノーヒットノーランを成し遂げてしまったのだから。その松坂投手、ライオンズに入団後の活躍はご存じの通りだ。

この号が出るころには、中盤に差しかかっているだろうが、今年の高校野球は、ずば抜けた本命がいない代わり、戦力が伯仲しているので、炎天の下、白熱したゲームが行われていることだろう。

炎天下といえば、品川区住宅まつりが7月25日、めぐろ区住宅フェアが7月23日〜25日、梅雨明けで気温がグーンと上がった真夏日の中、開かれた。25日は、学校が夏休みに入って最初の日曜日。外出する家庭が多いのでは、と心配していたが、品川区住宅まつりの会場である戸越公園は、開始の午前10時より前から、例年になくお客さんの姿が多かった。包丁とぎにも、多いときで50人以上の主婦の方たちの列が。

スタッフの組合員たちは朝8時からテントの設営。本番では、包丁を研いだり、木工教室、塗り絵など、まさに汗だくの一日だった。

高校野球と住宅まつり。場所と中身は違っても、みんなに楽しみにされているのは同じだ。スタッフの方々、お疲れさまでした。

 

 

癒し系

725日号)

スヌーピー、ミッキーマウス、ドナルドダック、キティちゃん、ドラえもん、ケンゾーくん…。おなじみ、人気キャラクターの面々である。が、今年はどうもコイツが一番人気になりそうだ。その名は「たれぱんだ」。パンダを上からグッと押して潰したようなと言うか、パンダが暑さでドロドロに溶けかかったようなと言うか、何とも言えず脱力感にあふれた容姿をしている。

「たれぱんだ」マニアの人の話によると、実際には、3、4年前からあったそうだが、今年に入ってハヤリだし、春から夏にかけて、専門のキャラクター店ができるわ、「たれぱんだ」の本がベストセラーになるわで、一躍、巷に広まった。

コイツが、他のキャラクターと違うのは、成人の男の人たちに非常に人気が高いという点だ。夕刻ともなると、専門店はサラリーマンが大勢やって来るという。「あのダラーッとした姿を見ていると、ささくれ立っている気持ちが癒されるような気がする」「自分もあんな風にのんびりしてみたい」と商品を買っていく人が多いのだとか。

まわりを見ると、「癒し」や「なごみ」という言葉がやたら目につく。社会全体に疲れやストレスが充満しているようだ。たまには「たれぱんだ」を見習ってダラーッと力を抜いてみようか。

 

 

土用丑の日

715日号)

今年の土用の丑の日は724日だが、何故土用の丑の日に鰻のカバ焼きを食べるのか。昔からの風習であろうが、なにも鰻でなくてもいいものをと思う。もっとも近頃は牛肉をはじめ肉類が若い人達には好まれているようだが。

土用に鰻のカバ焼きを食べるようになったのにはいろいろと説があるが、一般的に知られているのは江戸時代、客の入りが悪い鰻屋が知人であった平賀源内に窮状を訴え、店の立て直しを相談した日が丁度土用の丑の日で、源内は考えた末に「本日土用丑の日」と看板に大きく書き、店先に出したところ、源内の名前が知られていたせいか評判となり、店は客で一杯の繁盛で、やがて他の店でも真似をするようになって、土用の丑の日は鰻のカバ焼きを食べる風習になったといわれている。

鰻はビタミンAやEを多く含み、夏バテで体力を消耗している時期に、スタミナ源として食べるのはそれなりの効力があるようだ。鰻の栄養価は現在でも一般に高く評価され、一年中どこの店でも売られている。値段も高くなく手頃であり、需要はおとろえないようだ。

いずれにしてもなんの意味もないような一つのキャッチフレーズが、江戸時代から現代まで連綿として続いているのも他に類を見ない。

 

 

独りで悩まないで

75日号)

先月、建築業の人が不払い賃金の支払いを求めて談判に行き、刃物で脅したとして逮捕されるという事件が、沖縄であった。行為自体は許される事ではない。しかし、現実に多発している不払いの実態を考えれば、とても他人事と割り切れる話ではない。

もう一つ楽しくないニュースだ。警察庁の発表によると、昨年一年間の自殺者が3万人を超えて過去最悪を記録したという。しかも、40代・50代という働き盛りの男性の自殺が急増しているそうだ。原因別に見ると、経済・生活苦によるものが前年比7割増、勤務上の問題によるらしいものが同じく5割増だという。実際、同様の理由で自ら命を絶つ人が、私たちの仲間の間でも増えているとの報告がある。

もともと日本は世界でも、自殺率の高さはトップクラス。経済最優先に「行け行け」で突っ走り、精神面での人生の楽しみ方を軽視してきた日本の在り方と無関係ではないだろう。

いま建設業界がおかれている状況を考えると、犯罪をおかす人も自殺する人も、痛ましいとしか言いようがない。とくに家族にとって、これほどの悲劇はないだろう。

725日の日曜日、全建総連では全国一斉に不払いなどの110番を開く。お願いだから、独りで悩まないでほしい

 

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