困難なときこそ組合が必要

 

615日号)

組合の第45回定期大会が、無事終了した。運動方針や予算も承認され、就任2年目となる金木組合長を先頭に、新年度のスタートである。

大会の後半、議長の高橋政治さん(馬込)によるスローガンの確認は、緊張感の中にも、未来へ向けての真摯な気持ちの伝わってくる素晴らしいものだった。このスローガンというもの、組合運動のこれからの道筋を簡潔なことばで表現している。議案書本文のほうは、事細かにいろいろと書かれていて、読むのが面倒だと感じた方もいると思う。ぜひ、スローガンだけでも目を通してほしい。

この時期、他の組合でも、定期大会を開催しているところが多い。各組合の機関紙を見てみると、やはり、どこも不況の影響は深刻なようだ。「仕事確保」によって、「不況打開」を、勝ち取ろうという運動方針が目につく。また、きな臭い動きのある「ガイドライン法」などへの反対も大きく取り上げられているのが、今年の特徴である。

不況によって、組合を離れざるを得ない仲間がいることは悲しい。しかし、組合の存在意義は、困難な時にこそ、問われるものだろう。順調な時期に助けを必要とする人は少ない。苦しい時だから、組合という頼りになる砦を求める人はたくさんいるはずだ。

 

 

ヒナ騒動

65日号)

なぜ、こんなに大騒ぎするのか。鳥の卵が孵化しただけの話ではないか。テレビでニュースを見れば、「ヒナが動いた」だの「エサを食べた」だのと、何回にもわたって放送している。新聞も同様だ。マスコミの扱いを見ていると、報道していると言うより、はしゃいでいるように見えてしまう。

確かに100年ほど昔、日本国内の各地にトキという野生の鳥がいっぱいいた。しかし、「ニッポニア・ニッポン」という学名を持つこの鳥を、乱獲し、農薬の影響もあり、私たち日本人が、あっという間に絶滅させてしまったのも事実だ。

中国からもらったトキが卵をかえしたからといって、一度絶滅した動物が甦りはしない。そして、重要なのは、今の日本の環境では、保護センターの檻の中で、人間の厳重な管理の下にトキを育てることはできても、野生のトキが空を飛んでいる姿を再び見れる可能性はまったくないということだろう。日本では、いま現在も、種が絶滅の危機に瀕している動植物の数は増える一方だ。ヒヨコを追い回している場合だろうか。

ことは生物に限らない。長年にわたって人間が培ってきた技術も、それを実際に生かす環境を守り、伝達していかなければ死に絶えてしまう。その技術を持った人たちが職人だ。

 

 

建設国保のありがたさ

525日号)

33日より42日まで31日間、右尿管腫瘍で入院し、右腎臓全摘出の手術を受けた。

昨年の9月頃より異が痛む程度の自覚症状しかなく、内科で超音波検査を行い、右の腎臓の腫れが確認され、泌尿器科にまわされて造影剤注入によるレントゲン検査2回、CT検査2回、MRI検査1回と今年の2月まで検査が続き、結論として腎臓より膀胱に尿を流す管の途中に腫瘍が3cm位あり、尿管が詰まっているので手術の必要ありとの事になり、310日手術を受ける。

ある程度は覚悟していたものの何が原因なのか、本当に管が詰まっているのだろうか、そうだとしても腎臓の摘出をどうしてしなければならないのかとの思いが一杯で、つくづく人間としての弱さを思い知らされる。

手術も無事終わり術後の回復も順調で退院を迎えたわけだが、今回つくづく組合に入っていて良かったなあと実感している。検査から入院、手術等の現在までの費用が170万以上で、神奈川国保は9割給付のため17万位の支払いの他、ベッド差額等自費の分13万位と、一般国保との差の大きさに驚く。

自宅療養の現在、未加入の仲間に呼びかけるいい実例として、今後機会のある度にアピールし、組織拡大が出来たらばと願っている。

 

 

支部総会たけなわ

55日号)

「もう一人ふやす心で四千人」今年の支部総会統一テーマだ。この不況の中で転職や廃業をよぎなくされて、組合をやめる人が増えている。淋しい限りだ。

416日、組織拡大月間の総括会議では、活発な討議が行われた。拡大行動の反省を含めて、改めて、「組合の魅力を再確認し、また新しい魅力をつくろう」。そして「役員が先頭に立って拡大行動を起こす」ことを確認し合った。

ある支部の総会で、議案書の方針案で「各分会1名以上の拡大を目指しがんばる」との提案に、支部長自ら「いや、2名以上の拡大を目指す」との決意で、議案書の提案を、1名から2名に書き直すことになった。強い決意の表われに感銘した。

今年も各支部で独自のテーマやキャッチコピーが支部総会の議案書を飾っている。「遠い親戚より身近な組合」「全力で挑もう、組織拡大、仕事回復」「杵臼之交」(身分の違いをこえた身分にこだわらない交際)。それぞれの地域で、それぞれの支部で新しい年度に向けた方針を決め団結が図られている。

薫風の5月、支部総会はつづく。そして、527日は組合の第45回定期大会。厳しい状況を打破し、新しい展望を築く場だ。

大空の下 手を組み合って 団結ここに 幾年月ぞ

 

 

七光り

415日号)

宇多田ヒカルという歌手をご存じだろうか。昨年末、デビューしたアメリカ育ちの10代の少女だが、黒人音楽風ノリの曲が大ヒットし、いきなりトップシンガーとして音楽シーンに躍り出た。

彼女のお母さんは、あの往年の人気歌手、藤圭子。「親の七光り」という言葉が頭に浮かびそうなところだが、そのことはまったく宣伝材料にはしていないそうだ。芸能界は二世というだけで存在するタレントが多いが、実力で勝負ということなのだろう。良いことである。

ところで、この「親の七光り」という言葉。本来は、「親の威光や高名が、子にあらゆる面で恩恵を与える」という意味なのだそうだ。しかし、今では、「自分自身には実力もないくせに、親の威光をカサにかけて立ち回る行動・状態・ひと」を指すのによく使われる。まあ、平たく言えば自立してないくせに、勘違いして一人前の態度を取っている人のことだろう。

今、ワイドショーで話題の人物、野村沙知代は「夫の七光り」の人物だが、最近、またまた新しいタイプが出現した。今度のは、「弟の七光り」。しかも、故人である弟の取り巻き連中まで引き連れての行状だ。いい大人のすることではないだろうに。こんな人物に何か任せて本当に大丈夫なのかしら?

 

 

エイプリールフール

45日号)

41日といえば、エイプリールフール。一年で一回だけ嘘をついてもいい日である。毎年、この日になると英国の新聞では、各紙がユーモアたっぷりの大ボラ記事を大々的に掲載し、国民もその嘘を楽しんでいる。

日本では、何年か前、ある遊園地が41日の新聞紙上一面全部を使い、自分の遊園地をこき下ろした広告を載せていて、「なかなかやるな」と思ったものだ。そして、今年。あの硬いイメージの朝日新聞が、41日の朝刊で、しかも8段を使った大きな扱いでウソの記事を載せるという粋なところを見せてくれた。

その記事、「首相、閣僚に外国人登用」という見出しのもので、政界の人材難に悩む小渕首相が、閣僚に外国人政治家を起用できるようにする「大臣ビッグバン法案」を今国会に提出するという内容のもの。

名前のあがっている外国人政治家は、ゴルバチョフ、サッチャー、カンターなど。ゴルバチョフを北海道開発庁長官に推す案が浮上している、といった解説記事も入っている。こういうユーモアは大いに買いたいものだ。

ところで、もうすぐ都知事選。候補者はおいしい話しかしないが、この場合につく嘘は、絶対に買えません。嘘を見破るだけの目は持つようにしなければ。

 

 

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