| HOME |
WELLCOME!

★裏解説CD「ANGEL'SWING」

LAST MODIFIED  2012.12.26



「ANGEL'SWING」裏解説
CDの購入フォームはこちら



CD紹介文:
ちゅんさんの愛称でおなじみの首都圏ライブハウスで活躍する人気ジャズピアニス中島薫が、近年もっとも頻繁に演奏している気心知れたミュージシャンと、いつものライブでの雰囲気をそのままに演奏、録音した初リーダーアルバム。
弾けんばかりのオリジナル曲で始まり、M2のワルツも柔らかで優しいメロディを聴かせてくれる。冒頭からM6まで自身の楽曲で、ピアニストとしてだけでなく、作曲の面でも様々な雰囲気を作りだしている。またM7からのお馴染みのスタンダードもまさに"気心知れたミュージシャン"との共演だけあり、非常に完成度が高く、聴く人をこのアルバムへ引き込んでいく。ラストの"Body and Soul"はピアノソロであり、こちらも必聴!!
聴き応え満点、おすすめの1枚です。
               



以下無断転載禁止

曲解説:
1.Blues for the Bird/Kaoru Nakajima
学生時代に作った曲です。学生最後のコンサートで演奏した記憶があります。その時の曲名はちがう曲名でした。ちゅんさん曲名にはこだわらないタイプでコロコロ変わるの。ビバップ、バドパウエル、チャーリーパーカーみたいなイメージで作った曲です。パーカーのブルースフォアリスと同じチェンジかも。

2.Angel waltz/Kaoru Nakajima
曲を作る時、なんとなく好きなピアニストを思い浮かべて作ることが多い。この曲はチックコリア。チックの曲って聞いていると素直に楽しく美しいのに、演奏しようとすると難しかったりする。凡人は曲作ろうとするとすぐに決まった循環のコード進行になっちゃったり、良いメロディーが出来たと思ってコード付けたらアイルクロースマイアイズと同じチェンジだったりとか(笑)ありがち。そういう既成概念を排除してもっともっと純粋に正直に内面を見つめて、心の音に耳を傾ければおのずと自然で美しい曲になるのだ。この教訓を元に、この曲は純粋な気持ちで、既成概念の呪縛から逃れ、頭の中に流れる真に美しいメロディに耳を傾け作曲してみました。
この曲も、作曲したのはずっと昔なのですが、曲名が3,4回変わってます。 最初の曲名は「ガラスの靴」ロマンチックなワルツを作りたかったんですね。その次に「SmallTalk」にしました。そのころ夢中だったオブジェクト指向型のプログラミング言語の名前です。でも、このころライブが終わるたびにお客様から、「あの曲よかったです。なんだったっけSmallWaltz」と何度も言われるので、面倒くさいので曲名の方を「Small Waltz」に変えました(笑)。でやっぱし「Angel Waltz」にしました。

3.Relaxin'/Kaoru Nakajima
ジャズってシリアスに考えられがちだけど、トミフラとか、かわいらしい、ほほえましい、ウキウキするフレーズが次々に飛び出す感じなんだよね。そういう感じで楽しめる曲を作りたかった。2009年2月15日作曲。

4.Little peace in Dreams/Kaoru Nakajima
この曲はミシェルペトルチアーニに影響されて書きました。ペトルチアーニはニューヨークに行ったときブルーノートで観て深く感銘を受けたアーティスト。その後ブルーノート東京で見たときも感動的だった。そのときのライブ盤が発売されてうれしかった。ライブの感動を反芻出来る気がしたし。ライブの時に通り過ぎて行ってしまって疑問だった点をゆっくり何度も聞けた。ペトルチアーニも構成からしてユニークな曲が多いの。でこの曲は、ある日、小さな薄暗いジャズクラブでペトルチアーニのライブをすごく至近距離から見ている夢を見たの。そのとき演奏されていたのがこの曲だった。聴いたこと無いから新曲だなと思った。至近距離で手がよく見えた。曲の始まりで左手がAmのAとEの音を押さえ、右手がDの音に振り下ろされたときに空間に広がったなんとも幻想的な波動の印象が忘れられない。起きた時、作曲したというかトランスクリプトした。うるおぼえなところは想像で補ったが、曲の冒頭は間違い無くこれだった。これって盗作じゃないよね(笑)。2000年9月2日作曲。

5.Monk's monky/Kaoru Nakajimak
セロニアス・モンクっぽい曲を一曲書きたいなと思って出来た曲。2001年7月6日作曲

6.Little kids/Kaoru Nakajima
バップの曲ってシリアスなものが多いように思われがちだけど、ひょうきんな曲も多いよ。バッドパウエルだったら、ソーソーリープリーズとかフルーツとか、バリーハリスだったらプレイキャロルプレイとか。そんな感じの曲が書きたかった。
親戚の子供が集まる楽しいリビング。ソファーでキャッキャキャッキャとトランポリンごっこしてハシャグ3,4歳のガキドモ。モー腹がよじれるほど笑い転げて。
そんな時、大人は「しずかにしなさい」とかいうけど、そんな言葉気にしないで元気に遊べよって気持ちで書いた曲。Aのところは元気に遊んでるの、ブリッジの最初の4小節は大人が注意しているところ、ブリッジの後半4小節は「そんなこといわれたって遊びたいモーン」ってところ。で後のAでまたソファーでトランポリンなのだ。(笑)

7.Monalisa/Rey Evans
キースジャレットがスタンダーズでまだ演奏していない曲で、演奏しそうな曲を考えていたとき「モナリサ」やってねーな、と思ったことがあった。後々天使が「モナリサ」やってるよって教えてくれた。でもあれテーマはベースで弾いてるから、キースがテーマを奏でるモナリサはまだ無いんじゃないの。「モナリサ」はカラオケで歌われるジャズの曲ベスト10に入っているらしい。こういう曲入れといたらいいじゃない。

8.There will never be another you/Harry Warren 
ジャズ初心者が最初のころ覚える曲でなんとなく「アナザユー」と「グレーターラブ」がペアでいつも思い出される。僕は「グレーターラブ」ちょっと苦手。どっちかというと「アナザユー」派。こういう曲入れといたらいいじゃない。

9.Blame it on my youth/Oscar Levant 
ベーシストが入れたいというのでやりました。よくやる曲です。エンディングのカデンツァはキース様の演奏に教えてもらいました。子供のころクラシック習ってた。カデンツァのところも譜面が書いてあって、先生が「ココは本当は演奏家が自由に弾く部分なのですよ。」って教えてくれた。その時は、子供心にそんなことできるわけねーだろって思ってた。こういう素晴らしいカデンツァ、天使に導かれるままに自由に弾けるようになりたいよね。

10.And so I love you/ Barry Harris
学生のころにバリーハリス聞いてハマりました。バリーの演奏って僕に「おまえは、バッドパウエルのこういうところが好きなんだろ?」って弾いてくれてる感じ。バリーさんの曲も、とってもプリティな曲が多いの。この曲も大好き。昔レコードで聞いたんだけど今CDになっているのかな。最近ちゅんのセッションに来たピアニストがポロっとこの曲弾いてた。やっぱバリーフリークは密かに皆この曲好きなんだなって確信持ったよ。このあいだVTRのDVD化計画を実施して、カビが生えてたちゅんの大昔の結婚披露宴のVTRもDVD化したので。魔が差して録画を見たら、披露宴でちゅんが演奏してた曲がこの曲だった(笑)。びっくりしたね。やっぱ俺、当時からソートー好きだったんだね。

11.Brazilian like/ Michel Petrucciani
すごく好きな曲でよく演奏します。幻想的で力強い。この曲を演奏し始めると、いつもなにかに引き込まれるように、セツナくも確信に満ちた熱い気持ちが沸いてきます。あぁ、ペトルチアーニ大好きだ。

12.That's all/Haymes-Brandt
この曲も好きでよく演奏します。たいていライブステージの終わりの方で演奏することが多いです。で、いつもエンディングが後先考えないくらいにゲロゲロに盛り上がるので、そこらへんが記録できたらいいなあと思いました。
こんな速い曲、弓でソロ取る本間さんが好き(笑)。いいのいいの、出来る出来ないじゃないの。ヤッチマうエネルギーが好き。俺がジャズを聴いていて心動かされる瞬間の多くは、思いが優先するあまりテクニックを越えて、ヤッチマッテル演奏なんだ。
今回のスタジオは個別のブースが無い一部屋での一発取りなんで、パート別に録り直しとか差し替えとかありません。弓の持ち替えもその場ででした。持ち替えで弓がどっかにブツカル音聞こえるかも(笑)。何度もやり直してミス無く小奇麗にまとめる事よりも、ウソの無い臨場感を大切にしました。

13.Yellow blues/Kaoru Nakajima
キャッチーな曲書きたいなと思ってて作った曲です。ステージのエンディングテーマに一時期使ってましたが、最近はあまり使わなくなりました。1998年5月19日作曲。

14.Body and soul/Johnny Green
ピアノソロも1曲入れてみました。ボディアンドソウルの演奏のイントロはいつもこんな風なフリーな感じに始めています。




メンバー解説:

本間範男(b):
本間さんと演奏するようになった時のことは覚えています。なんかのライブで一緒になったときに車で送ってもらって途中のラーメン屋でラーメン食べたときに、一緒にやんないか?みたいな話になり、それからマッカーサなどで毎月トリオの演奏するようになりました。ライブスケジュールによると2000年くらいの話だと思います。彼はベース演奏は勿論ですが、プロデューサ的な才能にも長けてて、彼にそそのかされてちゅんは浅草ジャズコンテストに出ることができました。その様子は2003年2月19日、 当日の様子は3月15日の日記を見てください。そんなわけで、ちゅんのトリオが出演しているライブ、マッカーサとかジャズバードとか、実は本間さんプロデュースのものが多いんですよ。今回のCD制作でも「どーしょーかなー」的ちゅんの背中を押して、全面的に協力してくれました。盟友です。

中屋啓之(ds):
マッカーサの本間さんとのトリオはドラマーがいろいろ変わって行きましたが、中屋さんが参加するようになったのは2008年ごろからでしょうか。それ以前2003年ごろからライブで一緒になったりしていましたが、その時の印象はあまり無かった。でも2008年にご一緒したときは、その演奏のすばらしさを再認識させられました。オレよりオレの演奏を知っているというか、何でわかっちゃうのと思うくらい気持ちよく奇跡的にカラんで来る包容力。彼が加わったこのトリオになってから、毎月繰り広げられる演奏体験をCDに残したいなと考えるようになりました。今回CDを聴いて、共演中には気がつかない別の角度からも、いろいろな場面を作っている彼の演奏を知りました。今回の録音、中屋マジックに満ち溢れてます。



レヴュー:
メディアで見つけた「ANGEL'SWING」についての批評です。

1.JAZZ LIFE 2012,12月号(月刊誌)
首都圏のライブハウスを中心に精力的に活動するピアニスト、中島薫の初リーダー作。前半に並ぶオリジナル曲はどれも彼のジャズ観に大きな影響を与えたジャズの巨人たちへのオマージュになっていて、中島薫というミュージシャンを構成しているジャズの要素が端的に表現されているところが興味深い。後半はスタンダードを並べ、こちらは逆に中島がどれだけの独自性をもっているかを披露する場を意識しながら、セッション・ピアニストとして培ってきた楽器配置に関するバランス感覚やメロディへのアプローチなどといった、派手ではないが芯のある表現力を発揮して、聴き応えのある仕上がりにしている。
(富澤えいち)

2.JazzPage(Net)
http://www.jazzpage.net/rireki/cd/nakajima_kaoru_angel_swing.html
首都圏のライブハウスで活動している新人ピアニスト、中島薫の1stアルバム。日頃活動を共にしている気心知れた仲間とライブ感覚でのリラックスした演奏を行っている。ジャズ・ピアノは独学だそうだがバド・パウエルの影響を感じさせるハードバップ・スタイルでスインギーなプレイに終始している。自身のオリジナルが6曲と半分を占めるが、”Monks monky”はセロニアス・モンクのイメージを出した曲で面白い。ミディアム・テンポの演奏が多い中、”That's all”はアップテンポでドライブしてみせる。全般的に軽く流している感じで、アルバムの構成としてもう少し変化があるとよかった。ベースの本間範男の”Angel waltz”や”Little kids”などでのメロディックなソロが印象的。

3.AMAZONのカスタマーレヴュー
「オーディオプレーヤーで電車の中で聴いています。
乗っている時間が短く感じられます。 」

「購入後、音楽系の雑誌に講評が載っているのを知りました。
かなりの高評価であり、何だか得した気がしました。 」


4.JazzWorld 2012,12月発行(新聞)
都内で活躍中のピアニスト、ニックネーム’ちゅん’こと中島薫(なかじま・かおる)の1stCDである。全14曲中、半分の7曲がオリジナルで、どのオリジナルも完成度が高い。ジャズ・スタンダードだと紹介しても誰も疑わない出来映えだ。高い作曲能力はもちろんだが、いかにジャズを敬愛し、研究、研鑽しているかがよく伝わってくる。たとえば3.Relaxin'や、6.Little Kidsは、たとえば、バリー・ハリスやトミフラの隠れた名曲だよ、と紹介されても多分疑わないだろう。4.「Little Peace In Dreams」は、なんと夢でペトルチアーニが演奏していた曲、なのだそうだ。7Mona Lisaなどは、キース・ジャレット調だったり、正調バリー・ハリスの10.And So I Love Youなど、なにより本人たちが楽しんでいるのがイイ。本間範男(b)中屋啓之(ds)のサポートも光っている。
(Angel Music Factoryより発売中)(高井 健)

5.JazzJAPAN No.29 2013,1月号 P038(月刊誌)
8年前に歌手の伴奏者を務めたライブで中島を観ていたのだが、この初リーダー作には驚かされた。前半6曲を自作で固め、後半をスタンダード集とした構成は定石外。だかこれが奏功した。バド・パウエルを想起させる楽想の@で好感度を上げると、愛らしいA、文字通りの寛いだB、叙情的なCと、どれもが聴かせるのだ。敬愛するキース・ジャレットへのオマージュとも取れるHも美しい。独学のジャズ・ピアニストによる秀作。(杉田宏樹)

6.ジャズ批評 2013,1月号 P238(雑誌)
都内で活躍中のピアニスト、ニックネーム’ちゅん’こと中島薫(なかじま・かおる)の1stCDである。全14曲中、半分の7曲がオリジナルという意欲作だ。どのオリジナルも完成度が高く、ジャズスタンダードだと紹介しても誰も疑わないだろう、たとえば@はパーカーの曲、A「Angel Waltz」C「Little Peace In Dreams」だったら、これはペトルチアーニのあのアルバムの何曲目・・・という風だ。高い作曲能力はもちろんだが、いかにジャズを敬愛し、研究、研鑽しているかがよく伝わってくる。たとえばB「Relaxin'」、E「Little Kids」だ、こういう曲はなかなか書けるものじゃない。白眉はやはりC「Little Peace In Dreams」だ。作曲の裏話を聞くと、ある日の夢でペトルチアーニの演奏を聞いた際に演奏されていたのだという。ポール・マッカートニーは、夢で「Yesterday」のメロディーを聴いて、起きてからこの曲を知らないか?と聞きまわったそうだが、中島はどうしたのだろう。後半スタンダードの演奏もすばらしく、本間範男(b)中屋啓之(ds)のサポートも光っている。(高井 健)

>中島はどうしたのだろう。
☆忘れてしまったらヤバイと思い、パジャマ姿のまま、眠い目をこすりながら、ピアノの前に座りました。
正直、自分で弾いた時、あの夢の中で受けたほどの衝撃的感動は、どんなに頑張って弾いても作り出せませんでした。弾いてる人がちがうからかな(笑)。自分が感じた感動を人にも味わってもらいたいというのは、演奏欲求の基本のような気がします。どこまで出来ているかは疑問で、僕の不徳といたすところです。精進しなくちゃですね。(中島 薫)



その他:
ANGEL'S RING
CDジャケットの右手についている天使の羽根の指輪のこと、
ライブ後とかによく聞かれるの。
特注品ではありません。
天使フェチのちゅん。ある日ネットで偶然見つけました。
サイズが11号でピッタリで残り「あと1つ」って書いてあったのね。
「あと1つ」ってホントか?
ちょっと高かったからその時は思いとどまった。
でも気になっちゃって、3ヶ月後くらいに見に行ったら、まだあった。
その時も「あと1つ」だったの。で、ポチッってしちゃった。
その後、何処にも出てこないから、本当にあと一つだったのかな。
今となっては、すっかりお守りのようなANGEL's RING です。

(完)

CDの購入フォームはこちら