ショートショート2・悲しみの役割



 かなわぬ恋と知ってて、想い続けてる。

 二人に見送られたはずの高校生活最後の春。
 二人を迎え入れたはずの大学生活二年目の春。
 目の前に居たのは、確かに二人だった。
 でも、私の心には、一人の顔しか思い浮かばない。
 いや、浮かべない、私は。

 私は、彼を愛してる。
 彼は、彼女を愛してる。
 恋人ある人を、愛している、私は。
 つらいとかじゃなくて、馬鹿だと思う。
 出会いを間違えただけ。
 でも、その間違いを否定できずに。
 もっともっと出会いを大切にすべきだと思う。
 人は、そんな簡単に出会わないのだから。
 だから、そんな自分もまとめて、思う、馬鹿だと。

 二人で居る彼の横顔を慰めにして、今日も終わりゆく。
 私はただ見つめるだけで、なんにもいえない。

 伝わらぬ恋、かなわぬ恋。
 かなわぬ恋、悲しき想い。


 あの日。
 私の涙が、彼の位置を変えた。
 彼女の位置も、彼の位置を変えた。
 崩れるように不安定になった自分たちの中で。
 私はただ、宙に浮いたような感覚の中、目を閉じて。
 彼に身を委ねた。


 かなわぬ恋と知ってて、想い続けてる。

 不安定な彼の優しさの中で、想いを紡ぐ。
 姿を見せなくなった彼女の強き想いを理解しながら。
 彼の戸惑いを理解しながら。
 とぎれる会話。
 二人の想い、宙に浮いたまま。
 たとえ同じ言葉を使っても、今はまだ通じぬ二人の世界。

 だけど。
 たとえ、自分の想いが、いつかかなう時が来ても。
 それは悲しみの役割が、そう、彼女に変わる時。

 結局は、本当の意味で、私に幸せは来ない。
 私の位置も、彼の位置も、彼女の位置も、今は幸せに向いていない。

 ごめんね…。


 クリスマスの日、私は彼を受け入れられなかった。
 彼の中に彼女を感じた。
 偽善ともいえる哀れみを彼女に感じながら、私は彼を彼女の元へ送り出した。
 ため息をついて、彼の部屋を出た。


 かなわぬ恋と知ってて、想い続けてる。

 年が明け、寒さが頬を突く。
 去年は居なかった彼が隣にいる。
 彼の隣には、彼女が居たまま。
 そんな彼を、突き放すことができない。

 自分の行為を受け入れられぬまま、時は過ぎゆく。
 彼の行為を、見せぬ涙とともに受け入れていく毎日。
 我が儘に愛に溺れる私なのか。
 否定したいけど、素直になれずに。

 お互い。
 愛せば愛すほど。
 幸せの意味さえも、見えなくなっていく…。
 

こういう文章描くのは疲れますね…(苦笑)。だいたい、ボクは…コメディ系というか…そういうのと、少女漫画系というか…そういう文章を…まあ、描いてみたりしてたんですけど…なんですかね…こういう大人の…っていうか、シビアなのは…ね(苦笑)WAをSS化するのは初めてだったわけですが…ね。メソ2ね…。誰って言わないのがテーマでしたからアレですけど…。ネガティブだと不幸になっちゃいますからね、なんだかみんな不幸になりそうなキャラたちではありますね。人間だれしもつらいことは大小あれ抱えているわけだから、もうちっと前向きに行った方がいいと想うんですけど、まあ、ゲームでああいうコトやっちゃうってのは、ある意味すごいと想ってます
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