SSができるまで-その1-



 ついに念願の企画スタートっす。前から、この、「どうやってSSはできるのか」というモノを描いてみたくてウズウズムラムラってな感じで、明日始めよう、いや、明後日にしようかな…いや、こんなネタも何もあったモン勝負じゃなくて誰でもできる似非ドキュメントなんてモンはいっちょ昨日に始めてみようか!ってそれは無理ですお富みさん、アハハ、うっかりしてたなボクも歳だね、なんて思いながら一日一日を有意義かつ無気力に生きていたら、毎朝チャットに人がいなくなったころに投函される新聞に書かれた日付がなんとクォーター・オブ・ザ・イヤーも進んでしまっていて、おおぅ、二十歳超えると月日が経つのは速いもんだねもうそろそろ老後を見据えた積み立てでも始めなきゃねアハハハハでトホホホホってな状態が続き…だが…今、こうしてやっとこ重い腰を上げているわけデス。

 これはアホな日記と思って読んでくれると、あなたの思惑とヲレの思惑がピッタリジャストミートして、まるで今期逃しつつあるお見合いの男女みたいな心境になったりする可能性もないけどあるかもしれないんで、そんな感じでお願いします。


○発端 あたらしいSSを描こう○

 そのころ…7月始め…は、なんとなく今まで書いたSSが自分的にいい感じでこれといった不満もなく、なんというか処女作がこんなんで良いのかねと思いつつも、自分で書きたいモノを描いてウケてもらえればこれ以上ステキな事はないねマイガール、とほのかな快感を味わっていたりして。恐らく名古屋の、あのくそでかくておまえヲレの方向感覚を無くし「えーん、ママー、ボク迷子になっちゃったよぅ〜」とヲレに涙ながら叫ばせようとしているだろう!ってな地下街で、一人孤独にギターを弾いていたら、たった一人、そう、たった一人だけ自分の演奏をずっと聞いてくれる人がいて…って感覚に近いものを、ヲレは生まれて初めて味わっていたわけだ。え?よくわかんない?…。
 うれしい、ってことさ。

 そんなんで、とりあえず現時点でも終わりが見えない某SSのEDがヲレ的に頭の中で完結しやがったりして気が抜けて、あーもう次のこと考えないとなぁ、とうっすらと思いはじめていたわけで。調べてみると、こんな事を初めて考えたのは6月の終わりあたりらしい。なんとなく授業中に書いていたルーズリーフを見てみると、あかりの攻略チャートのメモの横に、原形と思しきプロットが書いてあり、どうやらこの時からすでに、KANの「けやき通りがいろづくころ」をモチーフにしようってなところが見受けられて面白い。
 もっと面白いことに、これをじっくり眺めていると、どうやら雅史と矢島の話になっていたり…ってか、それで話ができないかと試行錯誤している様が見受けられて、もしそのプロットのまま話を書いていたら「かわさきホモ説」を完璧に裏付ける材料になってた気がして、背筋が凍る想いである。まさか、「けやき」をベースにしようと思っている以上、矢島が思い余って雅史に襲い掛かるなんて話を書こうなんてことはあるはずもないが、ひょっとしてそういう願望がヲレの中に眠っているかもしれず、それを呼び覚ますきっかけになっちゃってたら…イヤソ…なんて。
 おそらくみんなは、「おめーそんなこと言ってるけどよ、矢島が、部活がおわり着替えている雅史がいるサッカー部室に忍び込み、嫌がる雅史を後ろから押え込んでイヤンイヤン〜」なお話を書こうと思ってたんだろ分かってるんだよお前は昔からそういう奴だったよなしんじられねーよ、ってなツッコミをここで入れているだろうが、ボケのないところにツッコミ入れちゃ芸人失格(だから何だってんだ)。大体、ヲレはそんなことは「当時」皆目考えていなかったのだ…当時は(謎)。

 さて、何でもって「けやき通りが色づくころ」に、ヲレがこれ以上ないってくらいこだわっているのかちと触れておかなければなるまい。
 いい歌だから。
 …だけじゃなくて、それ以上に想い出深い歌だから、が正解となろう。何というか、この歌は生まれてはじめて「ほろり」とした歌なのだ…。…そう…あのころは…ヲレも若かったさ…アホな毎日を送る中で…まるでそれは徳川家康が織田信長に会いに行ったらそこにいたのが実は変装した織田裕二でヤァヤァヤァ!振り向いたら織田ちゃんそこにいたのねぇーーー!!隠れてるなんてイエッチ(戦国武将の間での家康のホーリーネーム)びっくりぃんびっくりさせてごめんねでも驚いた君の顔もなかなかチャーミングさ…って感じとは正反対な出会いだったのである。
 冗談はさて置き、この歌は当時中学生だったヲレに、なんとも表現しがたい新しい世界を見せてくれたのである。聴いたとき、心が真っ白くなるのを感じた。嫉妬と羨望。自分には為し得ない何かを強く感じたのだ。言葉を紡ぐことの美しさ、を初めてその時感じたのかもしれない。いつか…いつの日か…こんな世界を「作ってみたい」、そう決心したのだ。
 んだもんだから、今こそそのチャンスじゃーん!ってんでヲレはこの歌をモチーフとしてお話を作る事にしたのである。一応、書きあがるであろう時期を計算しての事でもあった、一応…秋ってことで。


○7月中盤 プロット完成○

 んで、毎日とうはとの人物をいろいろ弄くってみるが、どうにもこうにもうまく行かない。歌を聴いてみると分かるが、主人公は「男」なのである。男…とうはとには、あまり男が出て来ない。あまり出て来たらイヤなんだけど(笑)。それに、出てくる男どもは、あまり「繋がりがない」感じで…、二進も三進も(にっちもさっちも、って漢字があったんだな…知らなかった…)どうにも〜ブルドッグ〜ハァッ!ってね。…。
 …色々考えて、雅史とあかりをくっつけてみようか、なんても考えたことは考えたが、どう頭を切り替えて見たところで雅史があかりに気があるとはおもえず、ましてやあかりが雅史に心奪われるような事はない気がして、自分でも考えられないことを自分が話にすることははっきり行って不可能であり、なんともトホホな状態に早速いらっしゃいこーゆーところ初めて?うふふ可愛いわねいえ始めてって訳でもないんですけど…ってなのであった。雅史はなんか浩之激LOVEじゃん?ね?(ね?じゃねーだろ、ヲレ)。

 あー、もうだめじゃーん、どしよどしよ〜、ともがく日々が続く。そんなヲレに一本のお電話がかかってきた。日韓経済協会のK氏からである。
 …な、なんなんだ?慌てるヲレ。な、なんかしたっけ?おびえながら電話に出る。
「…もしもし…」
 なんで慌てるか?…それは…深いワケがあるのだ…。そう、それは一年前の夏…ヲレは此処と経団連が主催する学生交流に、日本側代表として参加したのである。まぁ…参加したのはいいのだが…ヲレは、そこで数々の伝説を残して帰って来たのである…。いい意味での伝説ならばいいのだが…そこらへんやっぱり世の中ってうまく行かないなぁ、っな感じで…。いや、自分たち学生にとっては大変いい想い出だったのだが…引率の方々やスタッフの皆さんにしてみると…ス、スイマセーン!な…。なんせ…ヲレは、引率責任者の方に
…もう13回目になる交流だが…君のようなひとは始めてだよ…
 と言わせてしまったのである…。…どう始めてなのだろうか…。いい風に解釈したいものの…はぅ…。(まぁ、ホントの所を言うと、学生的には評判よかった=交流は今までで最高にうまく行った訳で、半々ぐらいの意味だったらしい)。
 そんな感じだったので、自分の所に電話がかかってくるなど…まさか、今更苦情か?としか思えなかったのである。
 おびえるヲレだったが、話を聞いてみると、今年も学生交流をやるらしく、今年の代表の前で、経験談を話してほしい、と言うことらしい。うむ…ヲレに頼むなんて…K氏…血迷ったか…?と思ったが、謝礼が出ると言うことで…さくっとOKしたのであった。おしゃべりして金もらえれば御の字である(笑)。
 喜んで電話を切るヲレ。だが…電話を切ってから気がついた、ヲレに頼んだことの意味を。それはおそらく…「この人以上の振る舞いをすれば、最悪の事態は避けられますよ」という意味ではないか…と。…もしそうだとしたら、K氏、かなりの策士である…。ヲレは再びブルーになり…あまりにトホホなんで秋葉原行って同人誌を買った(なんでやねん)。

 7/15、ヲレは失意を胸に日韓協会に向かった。なんでこんなことしなきゃいけねーんだヲウィ!って感じで自暴自棄になっていた。あまりにかったるくて、昼飯をくったらんぷ亭でおもわずビールをつけた。ああぁ…ヲレって一体…。SSはどうなってしまったのだろうか…。自分、もうそんなことは忘れていた、いぬに噛まれたのさ、ふっ…ってな感じですっかり過去にさようなら。
 日韓協会着。着いたよ…、一年ぶりだ…。入る。…えへへ、ヲレって酒臭い?酒臭いでしょ?だってアル中だもんアルだもんアルシオーネー!!!!…なーんんてことはなくて、ヲレはこれ以上ないってくらい猫をかぶり
「こんにちはっ!今日お招きに預かった者ですがっ!」
 と、さわやかに挨拶したのである、ヲイ。
 だが、敵もやるもので
「あー、吉川くん…おひさぁー」
 …ヲレの作戦は見事に打ち砕かれたのである。
 さっそく、部屋に導かれ、偉そうに上座の席をあたえられる。ずらりとそろった今年の代表たち。そして、ヲレの隣にいるのは、理事長を始めとするお偉いさんたち。学生たちの視線が、ヲレに集中する。ヲイヲイあれだれだよあんなやつがなんであそこすわってんだよえらそうだなこのやろうあとでおぼえてろよ3秒でイカせてやる、なんていう目をしておる。邪悪な目だ…、でもっ!ボク負けないもん!約束したんだもん!絶対に音を上げないって!だから…だから…ボク…ボク?なんなんだろう?(爆)
 まぁ、そんな感じでお偉いさんに混ざって座る。でも、やることがない。ヲレのスピーチは最後となっている。…2時間…。どーしよ、頭がフル回転。どうにかしやがれこの野郎おまえらのはなしつまんねーんだあほービールもってこい!…なんていえたらなぁ、すこし弱気なヲレ。あーもーつまんねーんだよ、大体なんで今年の代表にはかわいい女の子いねーんだ去年(つまりヲレの年)にはすげー美人なねーちゃんたくさんいたんだぞくそ人選あやまってんじゃねーのかちったぁ考えて来やがれ、なんて思ったりもえへへ。ヲレは一般的にロリ・ショタだと思われてるが、現実世界だとおねーさまが大好きだったりするのさ…ふふ…。
 なんてあほなこと考えていたヲレだったが、あまりにつまんねーんで…「そうだ!SSのネタをかんがえよう!」なんておもちゃった訳さ。早速配られた資料にプロットを殴り書き始めるヲレ。ほほほ〜、なんて感じで一人世界に没頭する。するとどうであろう、それまで男が主人公としか考えられなかったヲレが…ななななんと、女を主人公にしてみたらどうだろ?なんて思った訳だ!どうもこれはヲレが女のことについて珍しくも考えていたからにちがいない!ああ、女の子よありがとうお礼はベッドでするよ…あぁ…ステキだ…。
 うっとりしながら歌を反芻し、どのキャラに合うか模索する。……。!!!!!まるで頭につばを付けながら考えた末、あの妙に納得してしまうSEとともに考えが浮かんでしまう一休さんのように、ヲレの脳裏にある女の子が浮かんだ!盛り上がる心のBGM!思わず声が出た!
そうじゃ!志保じゃ!!!
 …専務理事の言葉を遮る一言。
 …場が静まった…。
 再びヲレに視線集中。
 …。
「…すいません…」
 ヨワッキーなヲレ…思わず謝ったのだった…。…ボク、悪くないのに…(そうか?)。

 だが、ヲレの心はるんるん。もうここまできちゃえばこっちのもんだどうだおまえもいいんだろわかってんだよ口にしなくていいぞなんせ別の口がものがたってるからな、ってな感じで、アイデアが浮かんでくる。進むプロット。うわーいうわーい。できた!アイデアが浮かべばこっちのモンだ。実際にヲレはそうで、ふっとしたきっかけからさくさく話ができる。どうにかひねり出した話ってのはたいがいろくなモンでないのは、経験上分かっている。
 わーい、できた〜。お話できた〜。にやけるヲレ。端から見ていたら気持ち悪いことこの上ないであろう。でも、うれしいんだもんえへへ。
 そんな時に、ヲレのスピーチの番が回ってきた。うむ、いいタイミングだ。
 だが…そこで話した内容は、
いやー、向こうビールやすいっすよ、ビール、もう飲み放題状態!
 とか
いやぁー、向こうウィスキー高いだよこれがやってらんないですな
 とか
おみやげはマイセンだ、これが一番喜ばれるんださぁもっていけ!
 とか、係りの人がヒヤヒヤするようなことばかり言っていたのであった…ハイだったんだもん…。ただ、おもしろいことに、お偉いさんたちにはなぜか面白がって聞いており、かなりウケが良かったのであった。なんというか、中間管理職の心の狭さを思い知らされた出来事であった…(ナニカチガウ)。いや、絶対苦笑とかじゃないんだって、おもしろがってたって、お偉いさん、ホント、マヂ!

 んで、スピーチが終わったヲレは、さくっと謝礼をもらい、街に繰り出し、そのお金でコミケカタログを買い、またもらんぷ亭に行って、特盛り定食をむさぼり食いながらビールを補給し(なぜからんぷ亭で飲むビールはうまいのだ)、コミケカタログを読んだりするのであった…、「SSプロット完成記念祝杯」と自分で決めながら…。あぁ…人間って…堕落するものなのね…。当時は浮かれてたけど、今考えるとヲレってトホホじゃな…。それに…ここらへんでこんなに酒ばかり飲んでいたから…いま…禁酒なんじゃーーー!!(T_T



その2へつづく〜



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