第二話 『お父さんはお寿司屋さん』



..............夢を見ていた。

私は小学校4年生の女子です。
私は回転寿司のお寿司屋さんにいました。
目の前を、お皿にのった色々なお寿司が動いています。
私はお寿司が好きなのです。
どれにしようかな?
回るお寿司の向こう側には職人さんがいて、お寿司を握っていました。
私はその職人さんの顔を見て、びっくりしました。
そのお寿司屋さんは、お父さんだったのです。
随分楽しそうにお寿司を握っているなあ、と思いました。
『へい、らっしゃい!』
お父さんのお寿司屋さんの声が威勢よく飛びました。
きっと新しいお客さんが入って来たんだな、と私は思いました。

ぞろぞろとお客さんが入って来ました。
そのお客さんたちを見て、私はびっくりしました。
みんな違った髪型や格好をしているのですが、全員顔はお父さんなのです。
お父さんのお寿司屋さんは、『おいしいかい?』と私に聞きました。

でも、こまったな.....。

本当のこというと、そのお寿司はあまりおいしくなかったのです。
私は、どう答えようか、迷いました。
『まずい』なんて言ったら、悪いかもしれない....。
でも、迷ったけど、結局私は本当の事を言おうと決心しました。
私は勇気をだして言いました。
『...あんまりおいしくない...』
『そうか!うまくないか!そうだろう!
アハハハハハ!!』
お父さんのお寿司屋さんの反応はとっても意外でした。
まるでうれしいかのように大声でわらい続けました。
私は死ぬほど恐くなって、目が覚めました。