LADD権利カタログ
《 二の1 利 用 : 実 例》  

 

 車いすを使うAさんは、いま話題の映画を見たくて映画館に行きました。

 窓口の人は「うちは階段がいっぱいあるので入れません(@)職員で担ぎましょうか(A)」と言われ、断ると、「系列館に入れるところがあるのでそちらへ行って下さい」と言って、電車で二駅行った別の映画館を紹介してくれました(B)。  電車に乗ってそこへ行くと「どうぞこちらへ」と係員に裏口に案内され、倉庫のようなところを通って館内に入りましたが(C)、そこは最前列。

 「ここでは見にくいので後ろに行かせて下さい」と言っても、「ここが車いす専用席になっています(D)」と取り合ってくれませんでした。

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 全盲のBさんは英会話を習いたくて駅の近くの英会話学校に行くことにして、授業料を前払いで納めました。その時、全盲であることを告げると、窓口の人は「配慮します」と言ってくれました。  しかしもらった教材は全て墨字で役に立ちませんし、ビデオ教材による授業が多くて、ついていけません(E)。せめて点字の教材が欲しいと言ったのですが、「うちはそこまではできません」と言われ(F)、思ったような勉強ができないのでやめたいと申し出ました。すると解約手数料などをいろいろ取られて、わずかな金額しか戻ってきませんでした。

 Bさんはこのような扱いを受けるのはおかしいと思うのですが、どこに文句を言えばいいのか分かりません(G)  

@建築物そのものが利用を拒んでいる
 → 《建築物》を参照

@そしてそれを理由にして利用を拒否されている
 → 障害を理由にして利用を拒否することは禁止されなければならない

A好まない介助を受けなければならない状況に追い込まれている
 → 利用者は必要な介助を求め、好まない介助を断ることができる

B他の客とは明らかに異なる不利な扱いを受けている
 
→ このような扱いの禁止

C他の客とは明らかに異なる利用方法を強制されている
 → 他の客とは異なる利用方法を強制することの禁止

Dどんな利用の仕方をするかが選べなければならない
  → 選択肢が提供されなければならない

E提供されるプログラムの利用が障害を理由にして制限されている
 → このような制限の禁止

Fニーズに応じたサービスが提供されていない
  → 障害による特有のニーズがあることを理解してもらうと共に、そのニーズに対応したサービスや支援が受けられなければならない

G障害があるために起こる社会的不利を自力で打ち破る困難さ
 → 支援してくれる人や仕組みが必要


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《 U−1  利 用 》

 

〈基本事項〉

 ハードがいくら整備されても、拒否や排除をされてはそこを整備する意味がない。
 特定、不特定を問わず接客、教育、販売、医療など何らかのサービスやプログラムを提供したり事業を行う者は、障害を理由にした拒否や排除をしてはならず、このことは社会全体として担保されなければならない。

 

@前提条件

1:国は、特定、不特定を問わず何らかのサービスやプログラムを提供したり事業を行う者に対して、障害を理由にした拒否や排除を許容しないという明確な意思表明を行い、その実現に必要な施策をおこなわなければならない

2:特定、不特定を問わず何らかのサービスやプログラムを提供したり事業を行う者は、たとえその事業主体が私企業であっても、正当なく利用者を恣意的に選別したり、拒否したり、障害を理由にした異なる扱いをしたりしてはならない

3:上記の正当な理由とは科学的な調査に基づいて国が定めるもので、国はこのために必要な調査、研究を行わなければならない

A利用の権利

1:特定、不特定を問わず何らかのサービスやプログラムを利用しようとする者は平等な利用手段を得る権利を有すると共に、個別ニーズに応じた適切な配慮を受ける権利を有する。上記の適切な配慮とは、一般に提供される利用手段では技術的、実際的にニーズの充足が不可能な場合に限って考慮される。

2:ここでいう平等とは以下のものを指す

 ・障害があることを理由にして、利用を拒否されないこと
 ・障害があることを理由にして、特別な利用手段を提供されないこと
 ・障害があることを理由にして、他の大多数の者に比べてそのサービスやプログラムや環境を経験する機会を著しく制限されたり、他者とは異なる経験しか提供されないという状況に置かれないこと

 ・障害があることを理由にして、他の大多数の者に比べて利用手段、入手方法、価格などの選択肢を制限されないこと

 ・サービスやプログラムや環境を利用するために個人の能力を超える動作を要求される場合は、状況に応じた適切な援助を受けられること

 ・利用者の主体性を無視した援助を受けなければ利用できないような状況に置かれないこと

B利用権確立のための配慮義務

1:特定、不特定を問わず何らかのサービスやプログラムを提供したり事業を行う者がそのサービスやプログラムや事業を行う場所は、物理的なアクセス環境が整備されていなければならない

2:上記の物理的なアクセス環境の整備が不可能な場合は、特定、不特定を問わず何らかのサービスやプログラムを提供したり事業を行う者は、その利用者が利用できる場所へ移動させなければならない

3:上記代替措置は、提供者と障害をもつ利用者の協議を経なければ、その詳細を定めることができない

4:上記の協議に当たっては、障害をもつ利用者が指定する第三者の同席、助言を求めることができ、提供者はそれを拒否することはできない

5:障害をもつ人は、提供者との交渉や契約やサービス等を受けるに当たって障害をもとにした不当な扱いを受けたと感じたときは、自らその是正を求める訴訟を起こすか、あるいは提供者に直接、または国が定める独立した存在の非営利公益の第三者機関に異議や是正の申し立てをすることができる 6:上記第三者機関は上記の申し立てに関して、提供者に対して、交渉や契約やサービス等の内容に関する調査の権限を持つ

7:上記第三者機関は上記調査の結果、提供者が不当な扱いを行ったと思われる場合は、申し立て者を代理して提供者に対して是正の申し入れや訴訟などを行うことができる。

8:1、2で述べた第三者機関の職員の過半数は障害をもつ人でなければならない

9:国は上記のような是正の申し入れや訴訟などを行うことができる手続きの保障をしなければならない

C権利救済

1:国は、上記の平等な利用手段を得る権利やそれを保障する環境を求める権利が侵害された場合に、侵害された者やその委任を受けたものが是正の申し入れや訴訟などを行うことができる手続きの保障と、援助機関が関与できる保障をしなければならない

2:国は上記の、環境を整備する義務を怠った者に対して、全ての国民が是正の申し入れや訴訟などを行うことができる手続きの保障と援助機関が関与できる保障をしなければならない

3:上記機関は国からの干渉を受けない独立した存在の、非営利公益の第三者機関でなければならない

4:サービス等の提供者は現存する環境が持つ問題点について学習を行い、改善の方策を追求する継続的な努力を行わなければならない

5:国は上記の努力を実現するための教育プログラムを提供しなければならない

6:上記教育プログラムの実行機関は、国からの干渉を受けず、利用者の立場に立って行動する独立した存在の、非営利公益の第三者機関でなければならない

7:上記第三者機関の職員の過半数は障害をもつ人でなければならない

 

 


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