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86 モトローラのCORE+技術

モトローラが、世界初の可変な組み込みシステム技術を開発した。

CORE+技術と言い、CPUチップの中に機能が可変なFPGAを、組み込んだ物である。

パソコンの世界では、必要な機能はだいたい決まっており、それをCPU又は、周辺チップセットに組み込めばよかった。しかし機器組み込みの世界では、アプリケーションが多様であり、CPUに内蔵されるべき機構はある程度汎用性のある物に限られていた。例えば、UART,Timer,DMA,interrupt-controller,wait-generator,CSgeneなど。機器組み込み市場用のCPUでは、一般的な周辺を組み込むとか、ROMRAMを組み込むとかにとどまっていた。

これ以上の事を実現しようとすると、周辺にDSPを付けたり、GateArrayなどカスタムICや、FieldProgramableなPLDなどを使うしかなかった。(昔は、74シリーズなどの基本論理ICを大量に使い、作っていた時代もある。)

このようなとき、CPUと繋ぐのに、データバスやら、アドレスやら、制御線やらをいろいろ繋ぎ、インタラプトを使ったりと、結構いろいろ接続しなくちゃならんので、大変だった。PLDやGateArrayなどで、カスタムチップを作るときも、これらCPUに繋ぐ線の数だけpinを確保するし、電源線アース線を大量に確保されてしまうので、結構勝手に使えるpinは減ってしまう物であった。高速に動かそうとするとこれら、CSデコードや、バスバッファなどで、時間をとられるし、バスの速度やターミネーション、プリント板の設計など、なかなか大変であった。

また、固定された機能をPLDなどで組み込む場合、当初、書込済みのPLDを実装していたが、面倒なので、最近ではIn-System-Programmingという、ボードに半田付けされた状態でPLDに書き込む技術が出てきている。このとき、書き込むための回路をある程度そのボードに用意していなくてはならなかった。
また、PLDの内部構造を決めるProgramメモリ部もUVerasableから、EEPROMになり、SRAMに記憶させるPLDもある。SRAMの場合、電源ON直後、外部から書き込んだり、EEPROMを専用に付け、自動的に読み込ませたりしていた。

これらを抜本的に改良するには、CPUチップ内部にこのような回路を組み込めばよいのだが、これまで、CPUメーカーは、やってくれなかった。集積密度に余裕があれば、CPUの性能を上げる方が重要だったからである。最近では、集積密度が上がり、余裕が出てきて、1チップに、数百万のトランジスタが組込めるようになってきたし、CPUも数10MIPS以上と、まあまあの速度が確保できるようになってきたので、DSPなども組み込もうとか、日立SHシリーズのようにグラフィックもいれたりするようになってきている。

このように、固定された機能をCPU組み込み、それで用が足りる場合はそれで良いが、機能が足りない場合や、速度が足りない場合、なかなか大変であった。

それが、今回の、CORE+技術でFPGAを内蔵すると言うことが出来るので、非常に楽になる。

今回この、CORE+技術を適用するのは、MCF5206というColdFire-Version2のCPUコアであるが、UART-2ch(RS232Cですね)、タイマーモジュール、I2C Bus、8ビットPIOポート、ColdFireデバッグモジュールなどの標準的なI/Oは、既に内蔵してある。また統合化されたキャッシュメモリー、2ch-DMA,内部の3レベルバス階層へのアクセスを含む多くの共通のシステム要素も内蔵する。FPGAとのインタフェースのために、コンフィギュラブル・2ポートSRAMを内蔵する。4kB命令キャッシュと8KB-SRAM内蔵。

25000ゲートレベルのFPGAをCPUのpinバッファーを通さずに直接CPU内部のバスから駆動できるので、高速化に向く。また、内部配線がされており、プログラマブルなので、pin数を消費しない。

FPGAはSRAMベースであり、CPUが書き込むので、書込ロジックなどは内蔵している。SRAMであるため、動作途中でも、これを書き換えられ、動作途中で内部の構成をダイナミックに変更していけるので、同時に作動しない複雑な複数の機能をFPGAの容量を越えて(同時に作動させるのは内蔵FPGAの容量で決まる)実装できることになり、多機能にできる。

このFPGAに機能を組み込む場合、 モトローラの業界標準IPウェアハウスへのアクセスが許され、開発が容易になる。これには、プロセッサやその他の高付加価値コアが入っている。また業界標準のプロセッサ開発ツールを使用できる。回路図入力、シミュレーション、論理合成、コンパイラ、コード・デバッギング、イン・サーキット・エミュレーションなどのツールによってサポートされ、FPGAは、Motorola Programmable Array Design System(MPADS)ソフトウェアによってサポートされる。


最初のCORE+製品
「MPACF250」は、3Q-1998の予定。

このCPUコアは、現在量産が開始されようとしている、ColdFire Version3CPUコアのMCF5307をコアに使った物が出てくれば、80MIPSなどになり、またversion4などへの発展もあり得るので、楽しみである。しかし、SH4は300MIPSを、もう達成しているようだから、Motorolaも早く同程度の物を出して欲しいものだ。なぜ出し惜しみするかなー、PPC750で使ってる技術や銅配線などプロセス技術を適用すれば、たやすいはずだと思うんですが、・・・・ど素人の考えですからねー。

ま、なにしろ、機器組み込み屋にとって、楽しみが増えました。

 

参考資料:

Motorola Develops the World's First Reconfigurable Embedded SystemTechnology

モトローラ、世界初のハード・プロセッサ・コア内蔵FPGAを開発


 


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