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 53:PPC750の放熱設計のお勉強ごっこ


0・定数
 PPC750の熱抵抗データ (IBMのPowerPC Hardware Specificationsのp7より)
1-junctionからピン側、リードまで、プリント板側への熱抵抗 3.8℃/W
2-junctionからケース表側、プリント板側への熱抵抗 0.03℃/W ほんとかなー?あまりに少なすぎる気がする。

参考資料:強制空冷時の、HS,FAN流量と熱抵抗の関係
 注:熱の放射による、熱伝導もあるが、他に比べて充分小さいと思われるので無視する。

1・強制空冷 FANとHeatSinkによる、放熱時の熱抵抗は、試料があった。後日提出する。
2・ペルチエ冷却
CPU自身の発熱以外に、室温であるプリント板側からの熱流入があり、これを検討しなければならない。
でも、まず、プリント板の熱抵抗がどれくらいかが解らないと、推測できない。
CPUのBGA側の熱抵抗が3.8℃/Wというのは、BGAはんだ付けまでであり、そこから先はガラスエポキシ基板自身の熱伝導と、配線の銅箔群の熱伝導、半田付け部周りからの空気への熱伝導である。

ガラスエポキシ基板はグラスファイバーにエポキシ樹脂含浸であるので、熱抵抗は非常に大きく問題にならない。ところが、高速ICを作動させる基板では多層基板が当然使用されるが、これが、電源関連のインピーダンスを下げるため、結構多くのピンがGNDとVDD(電源)に接続されている。この電源は5V、3.3V、0Vなどがプリント板全面積を一つの電源電圧で使用したりするし、0V(GND,Ground)など一層だけではなくなっているかも知れない。 すると、より多くのGNDなどの層がCPUのピンに半田付けされることになり、熱伝導が多くなる。しかし、こうやって熱が逃げやすいと、BGA半田付けがしにくくなるので、まあ、たぶん一層だけかも知れない。とりあえず、あまり気にしない。

で、どのくらいの熱抵抗があるか、概算でも解らないか、考えてみよう。 例えば、15Wのペン型半田ごてで、4層板などのアース(GND)に繋がってる抵抗などをとろうとしても、とれない。15Wのはんだごてではアースに熱が逃げて、温度が230℃とかに上がらないので半田が溶けないのである。プリント板の裏表から15Wを2個つければ溶けてくる。と言うことは、概略、250-25℃/30Wとして7.5℃/Wなどの熱抵抗であるだろう。もっと大きいかも知れない。

最初に書いたCPUチップのプリント板側への熱抵抗が3.8℃/Wだから。3.8+7.5=約11.3℃/W  程度かも知れない。

例えば、25℃の室温の時、プリント板も25℃と仮定し検討してみる。
ペルチエにより、-40℃に冷却する事を目標とした場合。
チップ、BGA部の半田付け、プリント板という熱流路は熱抵抗が11.3℃/Wとすると、室温25℃から-40℃までで、
  25+40=65゜  65/11.3=5.75W
で、約6Wの熱が-40℃に向かって、流入して来るというわけです。
よって、CPUの発熱=7Wとすると、  7+6=13Wの熱をペルチエで汲み上げるわけです。
2次キャッシュ2つの発熱が何Wか知らないんですが、これも足します。
例えば、MOtorolaの1M*4の4nsくらいのSRAMを適当に見繕って、3.3V0.4Aを2個だとすると、2.64Wです。
で足せば、15.4Wくらいですね。

よって、ペルチエ冷却装置は、15Wもの熱量を、ペルチエ経由で汲み上げなければならないことになる。ま、こんな雰囲気かも知れません。だいぶ、概算ですが。・・・・・

下図に、これまでの話に出てきた物の概要を書いておきます。

15Wあると言うことは、CPU表面からペルチエ表面までの熱抵抗が例えば1℃/Wあると、15℃の温度差が生じます。0.3℃/wなんて非常に少なかったとしても、4.5℃です。この分さらに冷やしとかないといけません。またはその分CPU側が温度が上がると言うことです。

以前書きましたが、ペルチエ素子の40mm四角のもので最大級熱量が68Wのもので、だいたい15W負荷があると、15V8.5A流したとき55℃の温度差が出来ます。ということは、-40+55=15℃  これから、上の4.5℃を引いて約10℃。ペルチエの発熱側表面を、10℃にすると、ほぼCPUチップが-40℃になるというわけです。

 

 

ところが、ペルチエの発熱側の方はさらに問題があります。ペルチエ自身の電圧と電流による発熱もこちらで冷やさないといけません。上の例で言うと15V8.5A=127.5Wという、尋常でない発熱量になってしまいます。127.5+15=142.5Wを冷やすわけです。空冷では冷やせないことはおわかりでしょう。FANでHSに吹き付ける空気自身が25℃とか35℃とかですからね。

水道水でも10℃にするには夏場では無理でしょう。

以下次号をまて。


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