変わった
Mac使い
渡邊鼎の!言いたい放談!
 

43:68系-versus-86系の速度について。

”お、面白い”のもがみ さんからの投稿(01月15日)「・・・わたし的なbestは68000系のCPUの話です。なぜIntel系が早いのに68系が遅かったのかは前から私にとって謎でした。そうか、ソフト側からばかり考えていたからですね。・・・」
てな話がゲストブックに書いてあったので、以下、思いつくまま書きためてみました。

もともと、68000や8086が開発されてから、80386などになる頃までは、68000系が早かったんですが、486になってから、どどっと差を付けられちゃった感があります。そのとき、何が速度を決定していたかというと、クロックダブラーとLSI設計製造技術の違いだったんだと思います。486-DX2で2倍速になり、また周波数が66MHzと上がり、486-DX4で33MHzの3倍にあがり・・というふうに、微細化、周波数アップが成功したので、トントン拍子に早くなって、Pentium66MHzなど意味がないような486の高速化達成だったわけです。

微細加工技術以外に、新型CPUの早期立ち上げに非常に役立ったのが、CADによるCPU設計だと思います。LSI設計にだんだんよいCADが使われだして、だんだんバグが減ってきて最近は、ファーストシリコン?(新規設計で最初のIC試作)で殆ど致命的なバグが無く動くようになってきているらしいです。インテルはこれがうまく発展してきたのだと思います。モトローラはこれがインテルほどには発展していなかったので、これによる差が付いてきてしまったと思います。昔は、設計は回路図を書いていましたが、今ではHDL(Hardware Description Languageハード記述言語)で記述し、コンパイラのようなソフトが、設計の妥当性、タイミングなどを自動チェックするようになっており、簡単なバグはこの段階で洗い出され、修正されるというふうになっています。

大昔、Intel、1Kbit-DRAMなどを、故ノイス氏が机の上にLSIのアートワークを広げて、チェックしていたとか、あのZ80を、あの嶋氏(だったっけ?忘れた)が、AWチェックしたとかというのは有名な話です。

CADは、ユーザーであるIntelなどチップメーカー自身が、CADソフトを作ることもあるだろうし、タイアップしてCADソフトメーカーに作らせることも有り得ると思います。またCADに与える各種条件を、そのメーカーが経験から得た情報などをCADライブラリなどにフィードバックさせることにより、CADの成功確率を上げていくということを、日々やってるんだと思います。現在では、あまりに膨大な量で、CADなくしては、もうPeniumなどの数百万以上のTrのLSIは設計不可能だと聞いたことがあります。

MotorolaもCADもやっていただろうが、Intelのほうが新規設計のバグ検出率などがが高かったのではないでしょうか。そのせいかどうかわかりませんが、Motorolaは設計〜試作のやり直しが多かったように記憶してます。

MC68020,30,40などなかなかMCにならないXC名のチップがバグ付きのまま売られていました。(昔はどこのメーカーもそんな感じだったのでしょうが。)OEMユーザーは、それでも、無いよりはましなので、バグを避ける周辺回路の設計や、ソフト設計をして無理やり使っていたわけです。 (特に68340など、1〜2年くらい何回も修正を繰り返し、バグを直し、新しくバグが見つかりそのまた修正を・・とか。そのたびにBUG-Reportが何頁もでて・・・)

クロックダブラーでの失敗というのを見たことがあります。クロックダブラーは、今では当たり前の技術ですが、出始めはちょっとした失敗もあったようです。電源立上げ直後は、1倍の周波数で動かし、ソフトで設定すると2倍になるように作られているんです。これをPLLでVCOを作動させ、2倍にしてたんですが、PLL-VCOで、FB(負帰還)で周波数を追いかけて2倍の周波数にするとき、周波数が、2倍より高くなるようにオーバーシュートして(リンギングも)最終的に2倍に収束するようになってたんですね。すると、このCPUの上限周波数を超えちゃう時間もあるわけで、すると、当然暴走というか、うまく作動するわけないですよね。ま、こんなトラブルがあったりしました。

もう一つ、CPUの速度アップに関係していて、モトローラがなかなか出来なかったことが、CPUのアーキテクチャーというか、過去とのしがらみというか、自信というか、その辺があったような気がします。この辺をいじりだしたのが、ColdFireシリーズの68000命令コンパチCPUですね。(これを知りたい方はMOTOROLA 半導体事業部とかColdFireHomePageでも見てね)

思うに、ある会社で、ある人が、ある仕事をして非常に売れて、その人が偉くなった場合、その後その人がやった仕事の内容について、いちゃもんつけたり、大改造したり、設計思想自身を変革したりというのが出来なくなったり、考えなくなったりする傾向があるような気がします。CISC構造のCPUをRISCのように作動させる設計(はじめの頃は不可能といわれていたが、今では、Pentiumなどで、もう実現されてますね)とか。

 


[Home] [Linkし放題] [Fleamarket]