Macの奴隷臍茶な話
渡邊鼎の!言いたい放談!
 

131:新しいDRAM材料?


日刊工業新聞10月27日P1に、画期的なDRAM材料に関係するだろう開発についての記事があった。名古屋大学工学研究科(河本教授ら)による新しい画期的な、高誘電率膜の生成法である。
生物の機能を模した工学手法:バイオミメティック:材料工学の手法だ。これによると、50℃で、シリコンウェーハー上に2酸化チタンの微細パターンを形成できる。常温常圧で出来ることが画期的だ。これは生物が体内にて無機結晶を合成する「バイオミネラル化」機構を模倣したもので、酸化シリコン上に、フェニルトリクルルシランをつけ、マスク工程の後、50℃の処理液に浸け、洗浄し、更に超音波洗浄することで、必要な部分に2酸化チタンがパターニングされるという。2酸化チタンは、誘電率が酸化シリコンの数十倍有り、現在の主流DRAMが酸化シリコンでコンデンサーを作っているから、ここに適用すれば、面積が激減できる。すでに、面積を減らすため、何枚も重ねた構造のstackとか、トレンチとかいろんな構造が実用されているが、この2酸化チタンを用いれば簡単に数十倍コンデンサーの表面積が小さくでき、よって、DRAMの構造を簡略化でき、コストダウンが出来ることになる。これまでにも、高誘電率材料をDRAMに使うことは開発されてきているが、処理温度が高い性なのか、安定に量産されているのは未だ無いのではないか。(あったらごめんなさい)しかし、今回の2酸化チタンは違う。50℃で出来るのだから、処理工程中のウェーハーに与える影響は、何百度もの高温で処理される他の高誘電率材料の処理に比べて圧倒的に歩留まりに与える影響は小さいと思われる。よって、この技術は、たぶん、すぐにでも、いろんな会社が取り組むに違いないと思う。現在、CPUにDRAM混載が可能となっているが、当然これに対しても有効で、面積減少となる。

 


以下追加書き込み

 もう少し詳しく書くと、フェニルトリクルルシランを露光すると、光が当たったところはカルボニル基が抜け、ここに、xxx水溶液を浸けるとOH基が付く。この状態でxx水溶液に浸すと、一面に2酸化チタンが析出するが、OH基の場所では結合が強力になる。ここで、水洗し、さらに超音波洗浄すると、結合の強力なOH基の場所のみ残り、露光されていなかった部分の2酸化チタンは取れてしまう。と言う機構である。

プロセス:更に追加
酸化シリコン膜にフェニルトリクルルシランを科学吸着させてから、重縮合反応で自己組織膜を作る。ついで、通常のマスクでの露光。この結果フェニルトリクルルシラン自己組織膜の露光部分がベンゼン環が抜けそこに水酸基が結合する。この後、チタンとホウ酸のイオンのある水溶液(50℃)に浸けると膜全面に2酸化チタン膜が出来る。水酸基の部分とそうでない部分は結合力が異なるので、これを利用し、超音波洗浄によって、洗い流す。水酸基の部分の2酸化チタンが残り、ベンゼン環の部分ははがれ落ちる。よって、2酸化チタンの下部に、フェニルトリクルルシランの重縮合反応での自己組織膜があり、これの耐性が不安材料になる気がする。

 

DRAMの静電容量とソフトエラーの関係は既に経験則がわかっておりいろんな対策がなされてきた。容量を下げすぎないこと、パッケージ材料や封止材料にα線を出す物質を極端に減らすとかなどである。
自然界にある荷電粒子等によるデータの書き換えが起きないようにするためには、1ビットあたりの静電容量が最低いくら必要であるかが決まっている。よって、DRAMの1ビット分を小さく作ろうとすると、専有面積を減らすために縦方向にのばす構造で解決してきた経緯がある。それは、コンデンサーの絶縁材料があまり誘電率が大きくない、(Siウェーハ上で一般的に使用される)酸化シリコンを使用するため、表面積をある程度確保しないといけなかった。しかし、コンデンサーの絶縁材料に誘電率の大きい材料を使えば表面積が小さくできることは判っていたが、一般的な高誘電率材料と言えばPZTなどであり、この手の高誘電率材料は、これまでのDRAM製造処理工程と相性が悪かった。

最近相次いで数社が高誘電率材料にPZTを使用したメモリーをCPUや、ROM,SRAMなどと混載したLSIの発表があった。各社はもうすでに、PZTを処理する技術にめどをつけたようだが、上記方式に比べると処理工程数が多くコストが高いと思われるので、やはり上記技術のほうが有利だと思う。

 

渡邊鼎じゃった。


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