KR−1スペッック |
KR−1S/Rスペック |
KR250のタンデムツインのパワーユニットを廃止し、クランクケースリードバルブの前傾50度パラレルツインユニットとしている。2代目となったホンダNSR250R、同じ並列シリンダーのヤマハTZR250、ニューモデルとなったスズキRGV250ガンマに挑戦を果たした形になったが、パラレルツインとしての完成度の高さを示しながらも、ユーザーの興味を引くには至らなかったようだ。
乾燥重量123kgはこのクラスにあって最軽量であり、ホイールベースも1.365mと、このクラスで2番目と、コンパクト。高速安定性にも優れ、ハンドリングもしっとりとした落ちつきのあるものであり、一般公道を設定とした場合、ベストなものであるといえる。
このKR−1に関しては、マシンの熟成化への課題をかねてF3レースにエントリーすることが、デビュー当初から決定していた。軽量・コンパクトかと合理的レイアウトを兼ね備えたものとして、並列/クランクケースリードバルブのエンジンが選定され、カーボンファイバー製のリードバルブの採用による、ハイレスポンスかつ豊かなパワーフィーリングを実現することが目的であった。排気デバイスとして、カワサキのロードマシンとしては初の採用となるKIPS(カワサキ・インテグレーテッド・パワーバルブ・システム)の搭載がなされており、エンジン回転数に連動した副排気ポートの自動開閉が可能となっている。これにより回転数に応じた排気ポートが、マイコン制御で確保され、エンジン特性は全域でトルクフルなものになっている。
フレームはTT−F1で培ったアルミツインチューブフレームとし、フロントフォークはクラス最大径の41mmのものが採用され、エア併用のバネレートが異なる二段スプリングがこれに封入されており、フォークの初期からフルストロークに至るまでの減衰が全域で最適なものとなっている。さらに、スプリングによる無段階のイニシャルアジャストが可能となっている。リアサスペンションは、アルミボディの窒素ガス封入タイプとし、スプリングによる無段階のイニシャル調整、4段階の減衰力調整の機能が与えられている。
ホイールはフロントに2.75インチ、リアに3.50インチのアルミ中空スポークのものを採用し、レース用スリックタイヤの装着を可能としている。
全長:2005mm
全幅:690mm
全高:1115mm
シート高:750mm
ホイールベース:1365mm
乾燥重量:123kg(クラス最軽量
エンジン:水冷2サイクルクランクケースリードバルブ2気筒
総排気量:249cc
ボア×ストローク:56mm×50.6mm
圧縮比:7.4
最高出力:45ps/10000rpm
最大トルク:3.7kg-m/8000rpm
始動方式:キック
始動方式:キック
クラッチ:湿式多板
燃料タンク容量:16l
定地燃費:44km/l(わたしは最高38Km/l走った実際値に近い)
キャスター角:24度
トレール:93mm
イヤサイズ:F100/70−17:R130/60−18
価格:¥563,000
先年(1988年)デビューしたKR−1に、開発途上のF3レーサーのポテンシャルを移植している。パワーユニット以外は全面的に改良が加えられ、フレーム、スイングアーム、サスペンション、エキゾーストチャンバー、ブレーキ、ホイール、レバー類など共通部分はほとんどないといって良い。
車体サイズの変更は、全幅690→695mm、全高1115→1105mm、ホイールベース1365→1370mmとなり、乾燥重量123→131kgと重量が増加している。
キャスター角はそのままにトレールが93→90mmとされており、ハンドリングはKR−1の軽快性に対して安定性を増した設定となっている。これにより、切り返し時の挙動がスムーズに、さらにコーナーリング中のバンク角の修正にも幅が増したフィーリングが感じられる。
ブレーキはディスクローター径を280→300mmとし、ブレーキレバーもアジャスタブルタイプに変更、タッチもコントローラブルなものとなり、また、高速時の制動力も十分確保してある。
ワイドリム化されたホイールは前後ともに3本から5本スポークとなり、タイヤサイズはF110/70−17→110/70ー17、R130/60−18→140/60−18と変更されている。
数値上では出力に変化はないが、KIPSのサブエキゾーストポート断面の拡大、エキゾーストチャンバーの形状変更などにより、出力特性は全域で向上、加速感はKR−1とはあきらかに違う。
フレームはカワサキ独自のe−BOX FRAMEで、スイングアームピボットの径を20mmに大径化。リアサスも新たに別体リザーバータンク付きのガス封入式ショックが採用され、リア回りの剛性とコーナーリング性能が高められている。リアサスの減衰力はサーキット走行においても変化が少ないものであり、常に安定したグリップが得られる。
スポーツプロダクションモデルとしてラインナップされたKR−1Rも、おおむねKR−1Sの仕様に準ずるが、ミッションのギアレシオが異なっている(1:2.533→2.357/2:1.727→1.700/3:1.315→1.409/41.086→1.208/5:0.962→1.120/6:0.862→1.043、一次減速比2.542共通、二次減速比2.928→2.666)。オーバードライブなしの全域クロスミッションとなり、大径化されたキャブレター(PWK28→35)や強化クラッチの採用で、強力かつ的確なトラクションが得られるようになっている。
全長:2005mm
全幅:695mm
全高:1105mm
シート高:755mm
ホイールベース:1370mm
乾燥重量:131kg
エンジン形式:水冷2サイクルクランクケースリードバルブ2気筒
総排気量:249cc
ボア×ストローク:56×50.6mm
最高出力:45ps/10000rpm
最大トルク:3.7kg−m/8000rpm
始動方式:キック
ミッション:6速
クラッチ:湿式多板
燃料タンク容量:16l
キャスター角:24度
トレール:90mm
タイヤサイズ:F110/70−17:R140/60−18
価格:¥559,000(KR−1S) ¥599,000(KR−1R)
資料提供は後方排気友の会の亀井さんからいただいた物です。ありがとうございます。
他にKR−1の事でどんな小さい事でもメールください。