6S4S ロフティン改(かい?、怪?)

まだまだ校正中

経緯と目的

とりあえず、ど真空管シングルとして、6528単管シングルステレオという物を作ったが、やはり高域のもやもやは、段間コンデンサーがあるかぎりどうしようもない。
これが、コンデンサーの通過音なのか、あるいバイアスの揺れのような話なのかわからないが、じゃ、ロフティンホワイトのように直結にしてしまえばという事になる。
確かに、学生時代作った直結シングルはすっきりした音をしていた。
だが、欠点は、真空管を換える度にバイアスを確認しないと危なくては仕方ない事であった。
でも、そこは、最近の半導体の進歩、高いメタルクラッドのカソード抵抗の値段で充分定電流化出来る。 WWEBでも実験された先人がいる。 終段のカソード電流が安定化できるとバイアス電圧の揺れも抑えられるし、真空管の差し替えも楽にできる。 
という事で、詳細を検討、下記を目的とした。


・段間コンデンサーを省くために直結とする。
・B電源は電解コンを省くために、安井氏の最近の回路例を参考にFETによる簡易安定化電源とする。
・出力管は、EBAYで入手した6B4Gのロシア管6C4Cとする。 ・"かずさん"氏の富岳でのレポートを参考に、真空管の取替え、長寿命化の為に、カソード電流定電流化バイアスとする。
・期待する音質は、真空管アンプの良さを生かし、録音の悪いソースでも楽しく聞けて、かつ、分解能は古典的真空管アンプを越えるものとしたい。

本当は、カソードのパスコンも、電解コン以外にしたいのであるが、メタライズフィルムの容量で足りるかどうか不安なので、ここは、電解コンとする。
時定数計算して、低域のカットオフ周波数を見てみればいいのだが、ちょい足りないよう気がする。





設計

最初の電圧配分さえ終われば、B電源のツエナーに丁度良いのを見つけ、カソードの定電流回路の回路設計と熱設計がなんとかなれば、お終い。
後は、ヒータを、現物合わせで、良いとこへ持っていくのみ。
肝となる出力段の定電流回路は、バイポーラのダーリントン接続とた。短時間の比較だが、FETでの回路も試したが、興味深い事に半導体アンプで経験したそれぞれの音色がした。真空管+OPTには、バイポーラの方が合うようだ。
出力管の動作点は、御約束の250V、62mAを目標にした。実測地もほぼ狙い通りのポイントになった。
負帰還は、3dB程度の薄化粧を目標。 直結回路、安定化電源を生かし、位相補正なしで安定する量としたい。位相補正の容量は、必要悪で、音質的には無くて済むなら無い方が良い。
B電源は、整流管を使い定電流回路への急激な過渡を軽減する事にた。ただし余り大きな容量を整流管のカソードには抱かせられないのと最近高電圧の電解コンが入手難なので、基本方針にも合致するメタライズ・フィルム50μF・630Vを採用した。
定電流ダイオードの後に入っている33μFは、立ち上がり時、定電流ダイオードが定電流動作に入るまでに若干出るハムを消すためのもの。当初はなかったが、後で音質の劣化が無いことを確認した後つけた。
フィラメントの直流点火は、最初電解コンはダイオード直後だけでしたが、ハムが少し残ったので、抵抗後の後にも入れ抵抗値も会わせて調整。




調整と測定


直結でかつ出力管のカソードには安全な抵抗ではなくトランジスタによる定電流回路が入っているので、まずB電源に適当な負荷を繋いで整流管だけを入れ設計値の電圧がでていることを確認する。
OPTとB電源の間に200mA程度のヒューズを入れてから、真空管を挿し通電し、素早く定電流回路の根元の83Ωの両端の電圧を測り5V弱なのを確認する。
入出力特性、歪率特性、周波数特性からみて更なる動作点チューニング等は、必要ないと判断。
データは、GP−IBでコントロール出来る歪率計を、EASY−GPIBでPCを使い自動測定。このフリーソフトは、エクセルのVBAで使え、測定中にグラフも自動でアップデートしていけるので便利。
負荷は、8Ωの抵抗。
片側のみのデータを示した物もあるが、左右で殆ど差はない。
負帰還は実測で、3.3dB程。











残留ノイズは、入力ショートで、左右とも、0.5mV、Aカーブ補正値で、60μVとなった。
100Hz、1KHz、10kHzでの、8Ω負荷・1W出力時の矩形波応答は、回路、周波数応答から予想される通りの良好。
10KHzでの、8Ω+0.1μF及び0.1μFのみでの矩形波応答では、純容量では、若干リップルが出てますが、このままにしておきます。



































音質
肝心の音質ですが、狙い通りの金田式と古典真空管アンプのリファレンスとなっている6528A単管シングルステレオ(2006年6月号の渡辺氏設計)の間となった。
OPT付き真空管シングルとは思えない分解能と低域のトランジェントの良さがあります。真空管の音色付けとOPTの音色付けを聞いている事になるのだろうと思います。
但し、LPを聞く時には、プリアンプはやはり金田式等の分解能の良いものを持ってこないと良さが充分に出ません。全段SRPPのCRイコライザーで聞くと、こちらの方の段間コンデンサーの音を聴いているようです。
という訳で、普段は、自室の第2システムとして、プリは金田式のGOAイコライザーもどき(AC電源)で、初期の多重録音物とかカセット・FM等を聞き流しています。特に気に入っているのは、インターネットラジオでの海外のクラシック局です。



今後の楽しみ方
時間と資金に余裕があれば、出力段をUS製の6B4Gとか、ドライバー管を5991にしてみるとか、OPTを換えてみるのもおもしろいと。
ebayを探すとある、ソケット変換器で、6A3(あるいはもどき)で遊んでみるのも、バイアス自動設定なので、おもしろいかと。