風信 木のひげ Back number

2004-7-3


空梅雨・・・?

じわじわと気温が高くなっているこの頃ですが、雨は少ないですね。
先週は湿度も低くて、木のひげでは高原のようなさわやかな風が吹いていました。今週になって急に蒸し暑くなり、作業場全体が「ホイロ」の中のような状態になっています。
「ホイロ」とはパンを醗酵させるときに入れておく、温度と湿度を一定に保てる場所のことです。大きなパンやさんでは一部屋全体が「ホイロ」になっていたりします。
広辞苑によると「焙炉・・・茶葉の乾燥炉。籠焙炉と土木製とがある」というようなことが書かれています。そうですよね、パンは日本では新参者の食べ物ですから、使う道具の名前はもとからあるものを借りているんですね。パンの場合は乾燥ではなく湿度が必要なのですが。
木のひげの「ホイロ」は20年前の手作りのものを今も使っています。市販ではステンレス製で機密性が高くなっていますが、開業時、とても高くて買えなかったし、場所も狭かったのでやむを得ず手作りのものにしたのです。以来20年、今も擦り切れんばかりになって大活躍。かつて師匠のピエール・ブッシュさんに「ステンレスよりもいいよー!」と褒められたりもしました。
木のひげの酵母のエッセンスが染みこんでいる「ホイロ」君の写真を皆さんに紹介します。(右側がホイロ。下の方に醗酵中の角パン。普段はビニールの幕を閉めています。左は前のオーブンでティーブレッドを釜入れしたところ)





宅急便でのお取り寄せが便利になりました

*着払いできるようになりました

これまで初回の方は先にご入金頂いてからの発送、2回目以降の方も郵便局に出向いて頂いてのお支払いをお願いしていましたが、今度から荷物を受け取るときにヤマト運輸の配送の方に、商品代金もお支払いしていただけるようになりました。電話やメールで注文して、荷物が着いたら、おうちで代金引き換えでパンを受け取れるようになった訳です。ご注文の際にお申し付けください。手数料は通常の送料プラス315円です。

*Eメールで商品到着時間をお知らせします。

Eメール(携帯電話でもパソコンでも)で「大体何時ごろお届けします」という情報を出します。ご都合が悪ければ時間変更希望のお返事を出して下さい。ご注文の際にEメールアドレスをご連絡くださればその手続きをいたします。



初めての木のひげ・・・

昨年から今年の春にかけて、長く働いてくれていたスタッフの退職が続きました。短い人で3年、長い人は10年もの間、暑い日も寒い日も忙しい日も暇な日もハイなときも落ちてるときも一緒にやってきたメンバーです。いざ別れのときがくるといろいろ思い出されるものですが、なかでも第一印象は忘れることがありません。初対面のとき「働きたい」と言って訪れるみんなは一体木のひげにどんな第一印象を持ったのかしら?と、ふと知りたくなりました。
ついでにそれぞれ方との出会いのときの印象も記しておきました。

T・Sさん・・・「なんていいかおりだろう」そして「なんて忙しいんだろう」。酵母作りから発送までの多様な仕事を無駄なくこなす小さな作業場。驚くと共にてきぱきとした気持ちよさを感じ、多忙なりんごの時期の臨時お手伝いとして参加して足掛け10年余。変わらぬ楽しい空気に包まれています。
<初めてSさんと仕事をしたときのこと。私が「セロテープ・・・」と言ってあたりを見回していると素早くサッと取ってくれました。初めての場所なのに良く見てたな、仕事に慣れてるなと感じたものです。無駄なくテキパキはSさんの印象でもあり、木のひげの仕事場の空気を作ってくれた人の一人ですよね。>

S・Nさん・・・確か年末の出荷日ではない日に(社長が一人クッキーを作る傍で)シュトーレンの箱詰めをMさんに教わってもくもくとやっていたような・・・しかもこの記憶も社長からヒントをもらってやっと思い出しました。
<Nさんは実は私の姪なので初対面ではないのですが、仕事の上での付き合いが始まったのは彼女が高校一年生の冬。初日の帰りがけに「次はO日に来られる?」と聞いたら一瞬詰まったので「無理しなくていいよ」と言ったら「いえ大丈夫、仕事優先です」との返事。「おっ、高校一年でこれなら使えるヤツかも。」と思ったものです。その後は期待通りの展開に。>

A・Tさん・・・私の木のひげの第一印象は、面接のときにMさんに会ったことです。社長のイメージが強かったので、その存在が以外でした。スタッフは常時10人弱いますが、一人一人の歯車が合わさって、木のひげという大きな歯車が回転しているとも、その後感じました。
<初めて電話で話したとき「一人暮らしだけど姉も東京にいます」とのことで「じゃあ安心」と思ったけど、実は同じ歳の双子の姉とはね。他にも「あれ?」ということがあったりしたけど、いつも目一杯突撃型の生き方を見て納得。Tさんのユーモアセンスと頭の回転のよさと実行力は木のひげの必須アイテムになってます。初対面でMさんの存在に注目したのはさすが!>

A・Kさん・・・一人暮らしをもう始めていたので、何としてもアルバイトを決めねばならず、とても緊張して面接に行った記憶があります。多少きちんとした服に慣れない革靴まで履いていったのですが、実際行ってみると想像よりこじんまりとした建物で家庭的な雰囲気でした。あまり場の雰囲気にそぐわない服装だったかも・・・と思っていると、案の定面接後に「仕事に来るときはもっと動きやすい靴でいいですよ。」と言われ「やっぱり」と思いました。
<学生バイトの募集で面接に来たKさん。一目で堅実タイプということは誰の目にも明らか。でもその奥にどんな個性が隠れているのかな?と興味を持ちました。、ちょうど面接の日に木のひげに貼ってあった絵画展のチラシを見て「あ、これに行きたいと思ってます。」と言っていたのが印象的。堅実さの背後の世界は広く深く、並ではないことがチラホラ見え隠れしています。>

K・Oさん・・・自家製天然酵母の魅力に引き込まれていくと同時に、木のひげのHPの通信のバックナンバーに募集しているページがあり、時期はずれなのに仕事をしたいという電話をかけてみました。すると連絡待ちとなり、面接の電話があったときは働けるかもわからないのに有頂天になっていました。そして面接の日は早く行き過ぎて、木のひげのある下柚木周辺を5周くらいグルグルと回ってました。面接をして来週から、という話で採用。バンザイ!木のひげで働いている方々に挨拶をしたときに、皆さんがすごい職人に見えて輝いていました。そして社長を見て本当にヒゲがあるんだと内心びっくりしました。今思い出すと初々しいです。
<面接に来て下さい、という電話をしたとき「え、本当ですか?」と言われてこちらも何だかびっくり。上の文の通り、木のひげへの期待でパンパンでしたね。それとも何でも結構オーバーに表現するタイプ?朝の挨拶の声の大きさには確かにbP。思い込みで働きたいと言ってくる人は多いけど、Oさんは二人のお子さんを育てているし、生活感も強かったので、雑多な仕事もこなせるだろうな、と直感的に感じました。>

S・Kさん・・・やはり「パンの香りの強さ」。初めて木のひげを訪れた時、途中で道案内のようにこの香りが漂っていた事。そして勤務初日を終えて家に着き、コートを脱いだら、うーん、におうにおう!翌日まで持続していたのには驚きました。とにかく木のひげのパンの香りは半端じゃない、うまみ濃いーっの香り。
<仕事の初日のことも面接の日のことも、申し訳ないけど覚えていないのです。初めて会った八王子のお祭りのときの印象が強くて。その後Kさんがうちで働いているイメージが浮かんで、気付いたら本当になっていました。どこにでも違和感無く溶け込めるソツないタイプなの?それとも・・・?今でも充分だけど、もっと素顔を知りたくなる「好奇心」を抱いてしまうのは私だけ?>

S・Hくん・・・(談)初めて面接にきた時は場所がわからなくて自転車で探し回った。
<Tさんの談・電話を2回くらいもらって、場所を説明したけど心配だった!>
<そう、木のひげの場所はわかりにくいのです。H君は迷ってあわてたようなそぶりは全く見せていませんでした。今でも第一印象と変わりなく、落ち着いて着々と仕事をこなしてくれていて、
誰も心配することなく仕事を任せることができます。>

K・Tさん・・・パンを焼く嘉典さんは、子供の頃から思い描いていたパン屋さんそのもので、カリジェの絵本にいそうなパン屋さん〜ひとだなあと思った。女性(s)に囲まれて作っているというポイントは違っていたのですけれど・・・。
<Tさんも男性で、主に夜の配達の仕事です。責任ある仕事なので、面接のときはとにかくまじめそうな方でほっとしました。話をしていくうちにいろいろな好奇心も旺盛なことが見え、ますますうちの雰囲気には合いそう、と感じました。必要なときにはぴったりの人が現れることに、今更ながら感謝の気持ちを強くしました。>

以上のような出会いの下で、今の木のひげは、Tさんの言うように歯車が回っています。少しは雰囲気が伝わったでしょうか?



夏休みのお知らせ

8月6日(金)から15日(日)までですが、着日は以下のようになりますので、
ご注意下さい!

〜 休み前最終出荷は 5日(木)発送 6日(金)着      
休み明け最初の出荷は 16日(月)発送 17日(火)着 です〜






E-mail: kinohige@din.or.jp

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