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2002-03-10

久しぶりの「風信」です

年末から年明けにかけては、酵母の調子が崩れて、大変な状態でした。毎日できるだけいいパンを焼くのに精一杯で神経も身体もくたくた・・・。一番注文の多い季節ですから、ただでさえ大変なのですが、生地の状態が扱いにくいと更に時間がかかってしまいます。パンの焼き上がりが遅くなると、その日の仕事のすべてが遅くなります。それでも決まった時間には出荷をしなければなりませんから、作業場は戦場のような状態です。それでも今年は1月まではスタッフ一同、誰も倒れることなくばんがりました。お客様も、状態のあまり良いとはいえないパンにクレームを出されることなく、沢山買って下さって、ありがたいことだとつくづく思います。天然酵母のパンが、イーストで焼いた大手工場生産の均一化されたパンとは全く違うということ・・・昔は何度も説明して納得して頂かねばならなかったことが、今ではすっかり多くの方にわかってもらえているんだなと、嬉しい思いです。



アップルパイ・アップルバスケット・りんごのタルトは終わります

例年どうり、3月中をもって終了となります。毎週毎週長野から送ってもらうりんご・・・あまりにも速いペースで注文するので、山下さんもびっくり!たまに直接運んでくれるとき、「こんだけありゃあちっとはもつだろう。」と言って置いていってくれるのに、やっぱり数日後には「すみません、急いで送って・・・」と電話をしなくてはならなくなってしまうという状態。
今年も思う存分作らせて頂き、本当にありがとうございました。



カルアシ・チミーのパイが始まります

今年はシールをリニュアルして、4月8日から新しい装いで登場の予定・・・お楽しみに。

新製品も・・・!

更に4月下旬からは新製品も始まる予定です。現在試作中のものが2つあります。これもお楽しみに。



全粒粉の配合

最近、全粒粉が各商品にどの位入っているかという問い合わせが多いので、ここでお知らせしておきます。
これは「低インシュリンダイエット」がはやっていて、全粒粉が効果があるということらしいのです。2月以降、その影響か忙しさに追い討ちをかけられているといったところ。全粒粉が身体によいのは、今更言うまでもないことです。ブームに流されず、自分の判断で食生活、ひいては生き方を決めていきたいものですよね・・・。ともあれ、問い合わせをする手間、答える手間を少しでも減らすためにここに記載しておきますので、参考にして下さい。

カンパーニュ、角パン・・・60%   その他のパンは全て・・・20%



映画「ロード・オブ・ザ・リング」のことなど

「木のひげ」は、本を読まれた方ならご存知ですが、「指輪物語」3巻目に出てきます。
「エルフの焼き菓子」が注目されていますが、実はこれは別の話からの借用で、もちろんエルフ族の食べ物という点では同じ。「指輪物語」では「レンバス」と名付けられています。ついでに、「ツーロング」は「星に叫ぶ岩ナルガン」から、
「カルアシ・チミー」は「ピーターラビットのシリーズ」から借用させていただきました。「おやゆびトム」は、ヨーロッパの昔話によく出てきますよね。
「木のひげ」という名前、実は勝手に使っていてちょっと肩身が狭いのです。こっそり使っているつもり(個人的満足のため)だったので。
特に作者トールキンの伝記の中で、彼がそのようなことを嫌ったと知ったときには正直「マズイ!」と思いました。怒られたら仕方がないので改名しますが、それまではありがたく使わせて頂きます。
映画はまだ観ていないのですがとても楽しみです。実は先ほどの伝記で、あれだけの壮大な異世界を構築したトールキンが、じつはとても質素で堅実な一教授であり家庭人であったことを知ったとき、「指輪物語」の真の意味が見えたような気がしました。現実生活をきっちりやっていきながら、精神的には途方もない旅に出ている・・・若い頃夢中になって読んだときには気付かなかったことです。そして恐れながらも(!?)トールキンそのひとがとても身近に感じられた次第です。人は皆そのような心の冒険、旅をしているからこそファンタジーに惹きつけられるのでしょう。そして最高のファンタジーの作者が、しっかりとした現実感覚を持っていた人だったということは、今とても重要なことだと思えてなりません。
今、本屋さんには「指輪物語」関連の本がずらりと並んでいますが、なぜか先に述べた伝記はあまり見かけないようですので、参考のためにご紹介しておきます。後もう一冊、当店が紹介された記事が出ている本もありますので紹介します。

    J.R.R.トールキン  或る伝記」  ハンフリー・カーペンター著   評論社
    「指輪物語のファンタジーワールド」  粥村寄り合い編著     アートブック本の森

ところで、木のひげ「風信」第一号には「指輪物語」から引用した「木のひげ」の紹介文が出ています。今では懐かしい手書きの文字です。私たちがなぜ「木のひげ」に魅力を感じて、この名を使わせて頂いているか、風信第一号の文字を通して読んで頂ければ解っていただけるかと、ここに写してみました。



風信「木のひげ」第一号




E-mail: kinohige@din.or.jp

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