◇ 神様ヘルプ ◇
それは今から20年と少し前のお話・・・
季節が秋に移り変わろうとしている頃
ベインズは森の木々の間にキラキラと光るものを目にとらえ
少し興味をもって、その光の動く方へと歩いていった
そして光に近付くにつれ
それは人の髪である事が分かり
その見事な金髪の青年を見た瞬間からベインズは心の中で叫んだ
『なんと言うビューティフル・フェイス!!
そして、その麗しい顔を更に美しく見せるサラサラの金髪。
サファイアを思わせる美しい青い瞳。いや、あの瞳に比べたらサファイアなぞ
ただのそこらに転がっている石コロに見える。
それはまるでマーヴェラスにしてハイソサイエティ!!
ゴージャスにしてファンタスティック!! ファシスネイトでエキサイティング!!!(意味不明)
そして見事なまでに均整のとれた体!!まさに俺好み!!!0(>< )oo( ><)0』
ベインズ・・・・ビバ!初恋!!!(でも相手は男)
が、そんな小さい事はベインズの頭の中では速攻消去されていた
そしてストーカーのごとく金髪碧眼の青年の後をつけ、ようやく愛しの彼が家に着いた時
ベインズは、その青年の正体(笑)を知る。
「ここはブラッドフィールドの領主の家・・・と言う事は彼は、ここの跡継ぎの息子の
ハロルド・ドニントンか!!!うん、家柄は申し分ない!さっそく求婚してやる!!」
・・・・・何か大きな過ちを犯しているような気がしないでもないが今のベインズは恋の虜
いや、奴隷(笑)
次の日、颯爽と求婚に来た彼を待ち受けていたのはハロルドの母アンジェラの怒りの鉄拳だった。
それでもベインズは、めげずに雨の日も風の日も雪が降ろうが家の周りに落とし穴が掘ってあろうが
せっせとブラッドフィールドの館に通いつめた。
が、しかし
ことごこくレディ・アンジェラにボコられて泣きながら帰る始末
そしてベインズが来るたびに腕が上達し動きに無駄がなくなり技が鮮麗されるレディ・アンジェラ
しかし、あまりにも唐突で残酷に終わりを告げた初恋
それは(まだ)ピュア(だった)ベインズには天国から地獄の底へようこそ♪状態。
あの愛しのハロルドが結婚!!!
しかも、あんな子娘なんぞと!!!!!!
あぁ、神よ・・・・・・
そんな事があっていいのでしょうか!?
俺のハロルド(いつの間にお前の物?)が結婚だなんて・・・・(泣き崩れ)
その後、数年間ベインズは失恋の痛手から立ち直る事が出来ず枕を涙(&鼻水)でグショグショに
濡らしながら寝たきりの生活を送っていた
しかし、やはり諦める事が出来ずなんとかもう一度ハロルドに会いたい一心で
ブラッドフィールドの館を訪れたベインズが見たモノは
元気に遊びまわる2人の子供
そして、2人のうちの1人がハロルドを思わせる様な見事な金髪に青い瞳をもっていた
その瞬間の頭の上で鐘が鳴る
その鐘の意味は
「昨日までの初恋ありがとう!!!そして新しい恋を神に感謝します!!!」
ベインズ、セカンド・ラブ到来!!
(やはり若い方がいいのか、ベインズ!?)
だが、しかし
ベインズのセカンド・ラブはファースト・ラブよりもキツいモノとなった
なぜならばハロルドの甥であるリチャードが怪しいオヤジ(失礼)ベインズの邪悪な恋心に気付き
それを従兄弟であるギルフォードに気をつけるよう忠告したからである。
その日からギルフォードは自分の身を守る為に剣の修行をつみ
リチャードは大切な従兄弟を守る為ありとあらゆる拷問の知識を身につけていった
そしてベインズがコソコソとギルフォードを我が物とし自分色に染めようと館に来るたびに
すさまじいまでの(拷問を応用した)罠とギルフォードの剣が彼を迎える事になる
それでも負けないベインズは初恋&セカンドラブから20年たった今でも
自分の使用人がいなくなったと言ってはブラッドフールドに来、自分が後見人になるハズの赤ん坊が
この館にいるハズだと言っては来、なにかと(無理矢理)理由を見つけては初恋の相手ハロルドと
セカンドの相手ギルフォードに会いに来ている。
そして会えた日は、かすかに頬を朱に染めナニかを日記に書くベインズがいた・・・・