Chuo原稿(社内報) --- 『ヲタク』という考え方 ここ最近「ヲタク」が注目されている。 「ヲタク」とは、いわずと知れた「おたく」である。 「おたく」という言葉から連想されるイメージは大変悪い。 一般に語られる「おたく」像というのは、暗い、汚い、恐い、etc... かく言う私自身もその部類に分類されるかも知れないので他人事ではない。 ただ、この「ヲタク」は無視出来ないものと私は考える。 未来学者のアルビン・トフラーの著書で、IT(情報技術)時代を予言したとして 近年、再び注目をあびている「第三の波(The third wave)」によれば、 人類は、これまで農業化(第一の波)と工業化(第二の波)を経験して来た。 農業化により定住をし、工業化により大量生産が可能となった。 そして、今「第三の波」として情報化の波が押しよせてきている。 この情報化は少量多品種を生みだした。 「ヲタク」領域とは少量多品種多種多彩な領域。 まさに情報化という第三の波によって形成されるサブカルチャな領域である。 実は、「ヲタク」達はIT革命以前から熾烈な情報戦を戦って来ている。 相手より優位立ったり知的好奇心を満たすために少しでも早く良質の情報を入手する。 そういう意味では最先端なのかも知れない。 GAINAXというアニメ製作会社の初代社長であり、東大おたく講座の講師を 務めた「オタキング」こと岡田斗司夫氏は、「今や一億総オタク化」だと述べている。 情報化による多様化によって誰もがヲタクになり得えることを述べた。 さらにOTAKUは既に国際語となっており、海外ではOTAKUは栄誉(?)ある言葉である。 (日本と多少の意味あいが異なるのは言葉が生き物であるためであろう) また、彼等のサブカルチャ的な分野での先端的な考え方は時として有益なモノがあり 先駆者となる場合が少なからずある。 以前は「マニア」とよばれた部類の「ラジオ少年」だって、 現代では「オタク」であり、この人々が今の日本の産業を支えてきたことを考えれば、 このことは容易に理解できる。 マスメディアやInternet上でも様々なヲタク議論があるようではあるが、 私はヲタクは大きく2つに分類されると思う。 「クリエイティブなヲタク」と「そうではないヲタク」。 「クリエイティブなヲタク」とは文字通り、何かを創造する、いわば付加価値を 生みだすヲタクである。一方「そうではないヲタク」は受け身的なヲタクである。 マスメディア等で取沙汰されるのは「そうではないヲタク」の方だと思う。 が、本来もっと注目されるべきは凄い技術を持っている「クリエイティブなヲタク」だと思う。 大袈裟かも知れないが、これから社会は情報を上手く取捨選択し、かつ創造的である 「クリエイティブなヲタク」が発展させてゆくものと考える。 ことに計算機分野/ネットワーク分野/エンターテイメント分野では、 このことが顕著に現われるのではないかと推測される。 そういう意味では、情報化の中で「ヲタクのセンス」、 言うなれば「ヲタク的感性」というのは、バカに出来ないし、 見習うベキものが実は沢山あるのではないかと思う。 (何もヲタクになれという意味ではない。念のため。) ---