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デルフィニア戦記の間
デルフィニア戦記同人誌バージョン。これはもう大体の方が御存知の通り、 キャプテン翼のパロディという形式を取っている物です。  デルフィニアの世界の構想そのものは茅田さんの頭の中にかなり早くから しっかりとした形を伴って暖められていたらしいのですが、長くキャプテン 翼のパロディ作家として活躍なさっていた茅田さんは、初めてのオリジナル を書く自信というものをどうにも持てず、それで主人公を書き慣れた日向小 次郎と若島津健に置き換えてしまったのだという事を、同人誌の序文に自ら 書いておられます。  でもこれらの作品は、主人公の名前こそ世界観にそぐわない漢字ですが、 その他の点では全くのオリジナルです。  しかも、ページや時間的な制限を全く受けずに書かれている分、非常に念 入りに、周到に書き込みがなされており、茅田さんの力量のすごさを改めて 感じさせてくれる作品であると私は感じており、ファンの方には一度は必ず 触れて戴きたい作品群であると、確信しております。 
 では以下に、同人誌として発行されたデルフィニア関連の物、上記のよう にパロディ版として書かれた物がほとんどですが、オリジナルバージョンも ありますので、それらを共に紹介したいと思います。  皆さんが古本屋で探す手掛かりとなればと思います。



望園鏡シリーズ





望園鏡 初版1989.8.発行
1989.8.13.改訂版発行
1993.8.15.第4刷




挿し絵
一人西離宮に気ままに暮らす小次郎王子の元に、新しい侍女が
やってきた。その者の名はサラ。王子に即座に女装した男と見破
られながらも慌てないその態度。サラは死に神として恐れられる
暗殺の一族、ファロット一族の刺客だったのだ。
刺客であることを知りながらそのまま召し抱える小次郎。小次郎を
殺そうと狙いながらも本気になれない事に戸惑いを覚えるサラ。
2人の妙な関係が続く中、ひょんな事からサラが刺客であることが
露呈してしまう。小次郎は拷問を受けるサラを救い出し、逃がし
てしまう。サラは故国スケニアで族長を倒し、ファロットの新たな
族長となったが、小次郎の側にあることを望み、迎えに来た小次郎
と共にデルフィニアに帰り、それまでと同じように侍女として
仕えるのだった。
 #小次郎がスケニアでサラを取り戻す下りは、大陸版にそのまま
  受け継がれています。
幽艶花 1989.3.25.発行
1993.8.15.第4刷




挿し絵

沖麻美也
バジル王が死んだ。王位は王妃ソニア(タンガの王女)との間に
生まれた王子マルスに。それが遺言であった。だが、おまけも
あった。マルスはまだ幼い。故に成人に達するまで小次郎が代行を
勤めるようにと。だが王様業などまっぴらな小次郎はサラと共に
気の赴くままに旅に出てしまう。
トルーディアの宿に宿泊している時に2人は、トルーディアの重鎮
から奇妙な依頼を受ける。それは、トルーディアのセフィアナ王女
の身代わりをつとめて欲しい、というものだった。
セフィアナ王女は婚約の儀を間近に控えているのだが病状が重く、
床を離れられないというのだ。依頼を受け、サラは王女として、
小次郎はその護衛として振る舞う。が、王女の飲む飲み薬に嗅ぎ
慣れた薬物の臭いを確認したサラは、裏を探り始める。
10年前、トルーディアのホセ王の暗殺を請け負ったのはサラである。
一族の族長となったサラはその仕事の裏を知ることが出来た。
暗殺の依頼主は他の誰でもない、トルーディア政府そのものだった。
自分が幕を引いたためにこの国の崩壊が始まったのなら幕引きも
自分の手で行おう。サラはそう決心し、10年前の自分の役、ティリヤ
として王女に会う。王女はティリヤを覚えていた。一目で解った
という。ただ一つの楽しい思い出。それがティリヤだったのだ。
全てを承知している上で彼女は言う。
「この国を貴方にあげる。だから、あの人達を許さないで」。
サラは幼なじみの願いを叶え、幕を引くのだった。
   #最後のシーンはこの望園鏡シリーズの中で一番美しく、
   荘厳に、静謐に、心を打ちます。
ヤウアレティ 1989.5.28.発行
1990.8.18.再販
幽艶花未練本
茅田砂胡と沖麻美也対談本
これに収録されているサンセベリア国王オルテスのイラストが
すんばらく麗しいのだ。
紅炎輝 上 1990.8.18.発行




挿し絵

沖麻美也
トルーディアを出た後、二手に分かれた小次郎とサラ。サラは故国
スケニアへ。小次郎は虚飾の都ペンタスへ。そこで小次郎は、並み
居る娼婦達の中でも最高峰の歌姫。またその中でも最高の美女と
されるキャス(キャスリーンシーン)と知り合い、そんな仲になって
しまう。
キャスからトルーディアの一件で既知となったオルテス王子の国、
サンセベリアのお家騒動を聞かされ、小次郎はサンセベリアへ
と向かう。サラと合流し、小次郎はオルテスに同盟の話を持ちかけ、
オルテスはそれに応じる。宮廷で孤立していたオルテスは国王に
暇乞いをし、物見遊山と称してペンタスへ向かい、キャスの屋敷を
隠れ蓑に小次郎と詳しく打ち合わせをする。そこへデルフィニア
からシーヴェス(親衛隊長)が小次郎を迎えに来た。小次郎不在の
デルフィニア王宮では、小次郎を疎ましく思うタンガ王女ソニア王妃
の横暴が見逃せないものになってしまったというのだ。マルス王子
のまわりはタンガ人の女官で占められ、王宮そのものがタンガに
乗っ取られそうな勢いだという。
また小次郎は、言い様のない焦燥感に駆られていた。この戦、
なんとしても冬までに決着を付けて、ヨルン(スケニアより北にある
大きな山脈)の向こう、故郷ゲッセニアに帰らなければならない。
何故だかそう感じるのだ。その為に小次郎はタンガを挑発する
ことにした。タンガはいくら遺言で明言されているとはいえ、国民に
人気のある小次郎が王位につき、王座をそのままマルス王子より
奪う事になることを懸念している。タンガは、どうしてもタンガの血を
引くマルス王子にデルフィニアの王になってもらわなければ困る
のだ。そこで小次郎はタンガから手出しをしてくるよう仕向け、一息
に叩いて後顧の憂いを取り除くことを決意する。
その第一歩として小次郎はオルテスの地位固めに力を貸すことに
したのだ。デルフィニアに帰った小次郎は義勇軍を募りサンセベリア
へと向かう。オルテス王子は、中央の猛虎将軍の脅威とファロット
としてのサラの力を借りて、自分の地位を復権させることに成功し、
デルフィニアがタンガと交戦状態となった暁には、力を貸すことを
約定する。
サンセベリア出陣から帰った小次郎は、一部遺言には反するが、
マルス王子が成人に達するまでの暫定的な王位に就くことを家臣
達の前で宣言し、タンガをつつく。そうして西離宮へ現れた刺客
の姿に、自分の蒔いた種が実ったことを確認するのだった。
紅炎輝 中 1990.12.23.発行




挿し絵

沖麻美也
紅炎輝 下 1990.12.23.発行




挿し絵

沖麻美也
戴冠式前夜 1991.12.29.発行




挿し絵

沖麻美也
戴冠式後夜祭 1992.5.3.発行




挿し絵

沖麻美也
DELFINIA
ENCORE MAGAZINE
PARODY
&
GAG VERGION
1992.8.15.発行 茅田砂胡、沖麻美也、久能千明、やまかみ梨由、
おおや和美etc(敬称略。書ききれん)等によるお遊び本
読者による投稿もある。
紅蓮の夢 1994.8.7.初版発行 本編では書ききれなかった部分のエピソードを9編収録
うち2編はヤウアレティよりの再録
金環食の日 短編2編を収録
一つは小次郎の母親クレアとデルフィニア国王バジルの
出会い編。クレアがバジルをたたっ斬るエピソードです。
一つは、リィとウォルの結婚式の話。商業誌で書かれた物よりも
大変描写が細かく、如何に茅田さんの世界設定がしっかり
しているか、力量が伺える逸品です。
炎の色 1991.8.16.発行 ペンタスの歌姫、キャスリーンシーンの苦労に満ちた
栄達物語を中心に、クレアを描いたこれもまた秀逸な逸品。
ペンタスという虚栄に満ちた歓楽の都の描写がすばらしく、
是非手元に置きたい入手が困難を極めている逸品。
黄金の少女 1991.8.16.発行 大陸書房よりデビューが決まった頃に出された
オリジナルバージョン。リィとウォルの出会い編です。
リィがデルフィニアに落ちてきてからビルグナ砦に辿り
着くまで。
細かいところは抜かしておおよその流れは同じです。

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