うさぎと相互に良い関係を築くために うさぎと暮らす上で知っておくと役立つこと
うさぎ愛好者にむけて


世間でのうさぎの認識はまだまだ『臭いのでは』『なつかないのでは』と遅れているところも多いですが、じっさいにうさぎと一緒に暮らしてみると、その可愛らしさはもちろん、優しさ、きままな自由さ、自己主張の強さ、臆病な心を開いたあとにしめす愛情深さといった、意外な魅力にすっかりハマってしまったり、とりつかれてしまったという方も少なくないと思います。なかにはうさぎに入れ込みすぎて、生活がうさぎ中心に回り、すべてうさぎを基準に考えて行動される方もいらっしゃるほどです(かくいう私もその一人でした 笑)。ここではそんな方々にむけて、日々うさぎとお互いになるべく理解しあい、ほどよい関係を保てるようにと書いてみました。

うさぎと人間との互いの関係については、うさぎと暮らしているときはあまり改まって考える必要もない話題です。しかし、私もふくめ、うさぎに愛情を深くそそいでいる人間にとっては、現在のうさぎとの距離感は妥当なのか、うさぎと自分はどこが違い、自分はうさぎのことをどこまでわかっているのか、また、いつか病気・怪我・別れを迎えたときに自分はどうすればいいか、それらを直視して受け入れられるか、自分の心をあまり壊すことなく、その後も立ち直って生きていけるか、という不安などは、とても大きな問題だと思います。
それらに対し、あくまで私の個人的な経験と思いをかんたんに述べただけですので、ひじょうに一面的ではありますが、同じような心理をお持ちの方々が、それぞれのうさぎさんとのベストな関係を築いてくうえで、すこしでもご参考になればと思います(基本的に「溺愛している」方々が対象ですので、内容が極端であることをご了承ください



「日々のうさぎとの距離感」
多くの獣医さんの発言にも、飼育書にもあることですが、うさぎは環境の変化に弱い生き物です。彼らにとって、もっとも居心地がいいのは、「変わらない生活習慣」「確立された自分の世界」です。それは、毎日あまりうさぎに構わずほったらかしてても、逆に
ラブラブで構いまくっていても、どちらでもうさぎ自身が慣れていれば、それがその子にとってのベストということになります。とはいえ、100%同じ日々を亡くなるまで繰り返していくことは不可能です。いずれはその生活サイクルが変動することも考慮に入れ、毎日のちょうどいい距離感を基本として、多少の変化も対応できるように色々と慣れさせておくと良いと思います。外に出たがらない子に、病院通いを想定して、すこしでも外出を慣れさせておくと、気力体力が落ちたときの当兎へのストレスが大分ちがうと思います。
ちなみにうさぎは、「場所の変化」に対してはある程度耐えられるように思います。しかし「人間の扱いの変化」には、かなりのとまどいとストレスを感じるようです。環境や場所が変わり、うさぎがちょっと不安を感じているかな、と思ったら、飼い主や人間側はなるべくフォローし安心させるように心がければ、うさぎには伝わると思います。



「人間社会でのうさぎの待遇」
飼い主にとって、うさぎが人間と同等の大事な家族であっても、うさぎは人間より圧倒的に寿命が短いということは変えようがありません。人間の10倍もの早さで歳をとっていき、病気にもなり、また怪我もしやすいものです。そうなったとき、動物病院では「人間の家族と同じような治療」は絶対にしてくれません。たとえ獣医さん自身が熱意を持って手を尽くそうとしてくれても、現代のうさぎ医療の研究の進み具合・医療体制の整い方・うさぎ自身の性質の弱さや個性のバラつきからいって、人間の医療レベルには及びもつかないのです。このことは、うさぎの飼い主自身がよくわかっていないと、うさぎに異変があった場合に、ひどく自分を責めることになってしまいます。

そして実際、もしうさぎが苦しんでいた場合、飼い主はなにをすればいいのか・・・それは私は、「あらゆる対処法を考慮したうえで」最終的に「その子の気持ちを察すること」だと思います。うさぎはどうしてもらいたがっているか、その子の性格からいって、どの治療が精神的にも肉体的にもベストか、言葉がしゃべれないうさぎの気持ちを、いちばんわかるのは飼い主だと私は思っています。獣医さんの意見を聞き、治療法を聞き、なるべくたくさんの選択肢から判断してあげられるように、日頃から知識を備えておくことはとても大事だと思います。具体的には 病気・病院に対するこころがけ(闘病記ページ内)に私なりの考えを書いてありますので、よろしければご参照ください。


「うさぎの本来の性質・治療選択時の注意」

うさぎの体質は基本的に、人間の赤ちゃんよりもずっと弱いものです。うさぎ自身の生きたいという気力によって、奇跡的な生命力が増すことは多々ありますが、逆に気持ちが弱ると、命を捨ててしまうこともあります(ある獣医の言葉ですが、被食者とはそういうもので、天敵に捕まり食べられるときに痛みを減らすために、みずから心臓を止める能力があるとのことです)。

たとえば治療法を選択するとき、高度で負担のかかる治療を選択肢に考えることもあるかと思いますが、仮に処置自体が成功し、獣医が適切に最善を尽くしたとしても、うさぎの命をひきとめることができないこともあります。それはしかし、きっと誰のせいでもなく、うさぎ自身が自分の性質によって、自然に選んだ道であり、いちばんその子らしい選択だったんだろうと思います。
飼い主が治療法を選択する際は、その内容やうさぎにおける成功確率もきちんと知り、自分のうさぎの性格や状態などのリスクを総合的に考えて、うさぎは弱いものだという認識のもと、冷静に、納得をしてから選択することが大切だと思います。そして、あとは自分の選択を信じ、うさぎ自身の力と意志に任せることだと思います。


「うさぎとの別れ」
うさぎは野生において食べられる側の動物なため、基本的に保守的で、ギリギリまで他者に弱みを見せません。最初に体調を崩してそのまま亡くなる子、もしくは体調を崩したとも見せずに無くなる子が圧倒的に多いです。
これは、本来のうさぎの姿でもあります。
大事な我が子同然の子がいきなりこの世を去った場合、飼い主さんのショックはとても大きく自分を責めることが多いのですが、私は逆に、うさぎと人間との距離感がとても自然だったのでは、とも思います。
長く一緒に暮らしていると、人間はうさぎを、自分達と同じような存在でみるようになりますが、本来感情の表し方はまったく別の生き物ですから、その生き方や行動が異なるのは当然ですし、そういった子はきっとうさぎらしく、平和や節食への恩恵をつねに感じてくれながら、幸せな日々を送ったのではと私は思っています。


「うさぎとの相互依存」/飼い主の「うさぎ依存」「うさぎとの同化」
本来のうさぎの性質とは逆に、人間の治療にて、危険な状態を脱し回復する子もいます。そういう子は、その後はまるで人間が愛情を注ぐのと同じように、人間に対して愛情を示し、頼ってくるようになることも多いです。
近年の飼い主さんの知識の向上や医療の進歩により、今後そういった「人間に頼りきる子」が増えてくると私は思います。本来保守的なうさぎが頼ってきて、深い愛情を示すことは、人間にとっては無性に嬉しいことですし、そういう子に対して飼い主さんもどんどん愛情を傾けていき、相互の依存関係が成り立っていきます。
がしかし、人間にとっては頼られて嬉しく思う反面、「医療面でも生活面でもなかなかその気持ちに100%報いてあげられない/報いてあげられなかった」つらさも大きくなります。

大事なことは、「うさぎの愛情深い感情」を人間と同等に考えはしても、「被食者としてのうさぎの体質 ; 人間との違い」を忘れてはならないことだと思います。別れを迎えると、飼い主としては愛してやまない、愛してくれてやまなかった存在が自分のいるこの世界から先に旅立っていってしまったことに、堪えきれない大きな悲しみでいっぱいになりますが、頑張って頑張って亡くなっていったうさぎは、本来の力以上に頑張り、飼い主に愛情を示してくれたはずです。人間の立場から見たらたしかにうさぎの寿命は短く、取り残されて悲しいということになりますが、うさぎの立場からみたら、精一杯寿命以上に生き抜いた、ということになります。
うさぎは飼い主を愛しているいるからこそ、そばにいたくて頑張って前向きに生き、愛情を示したわけですから、生態の違いから仕方なく自分が先立ったことで飼い主を悲しませたと知ったら、うさぎ自身も悲しむことでしょう。その彼らの愛に応えるためには、自分も同じように生きている間は元気をもって、心の中で彼らを愛し続けていくことではないかな、と私は思っています。
(ちなみに私のほんとうに個人的な意見ですが、新しい子を迎えることは、飼い主の悲しみを癒すだけでなく、先だった子も喜ぶ(『うさぎ(や動物)を好きでいてくれてありがとう。愛をそそいでくれればそそいでくれるほど、ペットとしての地位向上の後押しにもなるよ』等と)、とても素敵なことだと思っています)

また、うさぎ依存の飼い主は、同じくして「うさぎ同化」もしやすいのでは、と私は感じることがあります。うさぎの気持ちがよくわかるようになり、ほんとうに強い絆で結ばれていくと思いますが、やはりここでも、披食としての保守的な生き物と、人間社会で生きる人間という位置づけの違い、人間社会のなかのうさぎの扱われ方、ありかた等の認識はしっかりと持っておかないと、冷静な判断力を持って、うさぎと自分がベストな道を選択することが難しくなると思います。



「さいごに・・・」
しかしいざ、じっさいに別れを迎えると、いくら心の準備をしていても、悲しみに対してまったく無力になってしまうものです。どんな言葉を用意していても、どんなシミュレーションをしていても、それらはまったく役に立ちません。支えを失った悲しみと同時に、ほとんど(おそらく全て)の飼い主さんは後悔もして、自分を責めます。言葉を話せないうさぎの意志や体調を100%くめる人はどこにもいないので、後悔するのはある意味当然なのですが、さらに人間のように「僕は幸せだったよ」とか「ツライと思うより、もっともっと生きかったから頑張ったんだ」「キミに長く心配かけずに旅立ててよかったよ」等とフォローになる声を掛けてくれることもなく、彼らの愛情も気持ちも言葉でしっかりと確認できません。これは飼い主にとって、想像以上のつらさになります。自分を前向きに許すことができなくなるからです。どんどん後悔と悲しみを深め、逃げ道もなく自分を追い込んでいってしまいます。思い入れと相互依存が強かった人ほど、悲しみに自分を見失い、何もかもコントロールできなくなって、生きる気力をなくし、後を追おうと考えるほどの人もいます。
---そんななか、せめて、自分のつらさやペットとの関係を「種族がちがう生き物とこころを通わせるのは簡単なことじゃないから、別れの苦しみも簡単じゃなくてとうぜんなんだ」「これは人間から見た悲しみなんだ」と客観的に思うことだけでもできれば、ほんのすこしでも救いにはなるのではないかと私は思います。




・・・以上のことは、私が愛うさぎの生前から考えていたこと、そして亡くなってから考え始めたこと、BBSなどでうさぎとの別れを経験したたくさんの飼い主さんと言葉を交わさせて頂いたりして感じたことなどです。人それぞれいろいろなお考えや関係などがあるかと思いますが、あくまで一個人の思いとしてお考え頂ければと思います。うさぎにどっぷりハマっている方々の、またペットロスの方々、さらには、これから飼おうかなと思っている動物が大好きな方の、すこしでもご参考になりましたら幸いです。すべてのうさぎ・動物愛好者の方々が、幸せな日々を送られますように・・・

23.Oct.2005