【実行形式】 arch option [-D [yyyy/]mm/dd] archivefile [[-n no] {filename|[-s] directory]}]… 【パラメータ】 option: -c[p] アーカイブ・ファイルを作成します。 'p'を付加した場合には、パスワード付きにします。 その場合、各ファイル内容は暗号化されます。 -r アーカイブ・ファイルに追加します。 -u ファイルが新しい場合に追加します。 -d アーカイブ・ファイルから削除します。 -x[f][R] 元のパスにしたがってファイルを取り出します。 取り出し先にファイルが既にある場合には、それを上書きするかどうかの確認を行ないま すが、この確認なしで行なう場合には、'f'を付加します。 該当ファイルが読み込み専用ファイルの場合には、これに対する書き込み確認を行ないま すが、この確認なしに行なう場合には、'R'を付加します。 -X[f][R] ファイルをカレント・ディレクトリに取り出します。 'f'や'R'の意味は、-xの場合と同じです。 -n[f][R] アーカイブ・ファイルの方が新しい場合に、元のパスにしたがって取り出します。 'f'や'R'の意味は、-xの場合と同じです。 -N[f][R] アーカイブ・ファイルの方が新しい場合に、カレント・ディレクトリに取り出します。 'f'や'R'の意味は、-xの場合と同じです。 -m アーカイブ・ファイルとの比較を行います。 -t アーカイブ・ファイルにあるファイル情報を出力します。 これは、以下の形式になります。 seq: mode size date time filename ここでseqは同一ファイル毎のシーケンス番号です。 modeはファイルの属性です。これは下記の通りとなります。 r: 読み込み専用属性 h: 隠しファイル s: システムファイル属性 a: アーカイブ属性 -P アーカイブ・ファイルを直前の更新状態に戻します。 ただし、作成直後の場合には無効となります。 -D [yyyy/]mm/dd -c, -rまたは-uのオプションの場合、日付[yyyy/]mm/dd以降のものを対象とします。 yyyyを省略した場合には、現在の年となります。 archivefile アーカイブ・ファイル -n no noはアーカイブ・ファイルのファイルのシーケンス番号 これを省略した場合、アーカイブ・ファイルにある同名のものの最後のファイル になります。 -s 次のパラメータについて、サブ・ディレクトリ以下も含めます。 ただし、これはアーカイブ・ファイルを作成したり、これに追加する場合にのみ 有効となります。 filename アーカイブ・ファイルに登録するファイル名またはディレクトリ名 directory またはアーカイブ・ファイルから抽出するファイル名 ファイル名またはディレクトリ名には次のワイルド・カードを使用できます。 *: 任意の文字列 ?: 任意の文字 アーカイブ・ファイルから取り出す場合または削除する場合には、ドライブ及び パスを含めたファイル名全体との比較になります。【補足説明】
(2)アーカイブ・ファイルへの登録について
登録されるファイルに対しては、次のメッセージが出力されます。
"<< filename"
ただし登録するファイルには、アーカイブ・ファイルを指定することはできません。
これは、自身と同一となる場合があることを避ける為です。
アーカイブ・ファイルかどうかの認識は、ファイルの先頭16パイトを判定して行ないます。
偶然にも一致した場合には、それを登録することはできません。
アーカイブ・ファイルの中のファイル名と登録するファイル名との対応は、文字列が一致するかどうかによって行われます。
したがって、例えば".\abc"と"abc"とは異なります。
ただしその比較の際、アルファベットの大文字と小文字の区別はされません。
(3)アーカイブ・ファイルからのファイルの取り出しについて
アーカイブファイルにパスワードが設定されている場合、初めにその確認を行ないます。
パスワードは、以下のメッセージに対して入力します。
"password: "
ファイルが既にある場合には、上書きするかどうかの下記の確認メッセージを表示します。
"filename: overwrite? (y/n/a) "
ここで、'y'または'Y'が入力されるとファイルが取り出されます。
'a'または'A'が入力されると、以降上記確認なしにファイルが取り出されます。
上記以外の入力では、ファイルは取り出されません。
なお、アーカイブ・ファイルに登録されている順序でファイルが取り出されることに注意して下さい。
取り出しを行なったファイルについては、次のメッセージが出力されます。
">> seq: filename"
アーカイブ・ファイルのファイル名にドライブ及び絶対パス(これはルートディレクトリからという意味ですが)が指定されていない場合には、カレント・ドライブ及びカレント・ディレクトリを基準にして作成されます。
もしドライブ指定がされていて、絶対パスが指定されていない場合には、指定ドライブのカレント・ディレクトリを基準にして作成されます。
ただしファイルを書き込む該当ディレクトリがない場合には、それを作成します。
このときには、次のメッセージが出力されます。
"[directoryname]: created"
注.ファイルを取り出した場合、取り出したファイルの日付を設定しますが、これが1980/1/1以下の場合はエラーとなるようです。
(4)アーカイブ・ファイルからファイルを削除する場合
アーカイブ・ファイルにパスワードが設定されている場合、初めにその確認を行ないます。
パスワードは、以下のメッセージに対して入力します。
"password: "
(5)異常終了または[Ctrl]+[C]で強制終了した場合
この場合には、アーカイブ・ファイルへの追加は無効になります。
したがって、前の状態に戻す為に、"arch -P archivefile"を実行する必要はありません。
【実行例】 ・arch -c arch.a a??.c *\*.txt … アーカイブ・ファイルの作成 ・arch -t arch.a … アーカイブ・ファイルのファイル一覧を出力 ・arch -r arch.a d:*.txt … アーカイブ・ファイルに追加 ・arch -u arch.a -s . … カレント・ディレクトリ以下のファイルについて ファイルがアーカイブ・ファイルより新しい場合に追加。 ・arch -x arch.a -n 2 abc.txt … 2番目のabc.txtを取り出す。 ・arch -n arch.a *.txt … *.txtに一致するファイルについて、アーカイブ・ファイル のものが新しい場合に取り出し。 ・arch -d arch.a *.txt … arch.aより、*.txtに一致するファイルを削除します。